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Photo by
takuyasakurai
はしりがき
もしあなたが、人生をつまらないと思うなら。
僕は青春18切符をあなたの目の前にちらつかせてみせよう
運転手さんの気がおかしくなるまでタクシーに乗ろう
小さなアンティーク雑貨屋さんで見つけた1000円の鍵を、お守りだと言って首にかけてあげよう。
君の存在が僕を生かしていて、僕の存在が君を生かしていることを、遠くに居ても近くにいても忘れないように。
どこまでもろまんてぃっくに旅をしよう。
もしあなたが、疲れたというなら。
僕はあなたをお気に入りのカフェへと連れ出して見せよう
私語禁止のカフェで筆談をしよう。
吹けば飛ぶようなよわっちい言葉のキャッチボールから離れて、紙がテーブルに沈み込んでしまうくらい重い言葉を使って殴り合いをしよう
僕はあなたをキャッチーな観光スポットへと連れ出して見せよう
どこを見回しても人間だらけの場所で、二人だけの音楽を聞こう。
人混みの真ん中で立ち止まって、好きな雲の形を言い合いっこしよう。
馬鹿みたいなことを真面目にしよう。
どこまでもぷりてぃーな生き方をしよう
渋谷全体から奥ゆかしさを感じられるほどに、あなたの感覚をジャックして見せよう。
あなたが僕を「もう必要ない」と言うまで全力であなたの不安を僕色に塗りつぶそう。
あなたに足りない部分なんて、どこにもないと全身で伝えよう。
怖くても生きていけると聞くまで、ただ横にいよう。
荘厳で静謐な教会に座っている。
あなたの存在を再び認識してから、ずっとそんな気分
一点だけ不思議なのは、あなた以外の全てすら愛おしい
頼むから先に死なないでいて。
それだけが僕の望み。
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