夜、不動産系の訪問営業の対応、その傾向と対策に関する考察。
まず大前提としてこの記事を読む方にお伝えしたいことは、わざわざ家に訪問して営業を行う人にまともな人はいないと言うことである。夜に訪れてインターホンを鳴らす奴は馬鹿野郎であるし、それに応えてしまう人も阿呆であり、玄関の扉を開けてしまう僕は大馬鹿野郎である。
したがってここに出てくる登場人物は1人の方を除き全員阿呆である。その1人とは警察官のお兄さんです。
話を進める参考に。僕は首都圏に住む20代後半の独身男性である。
絶対に対応してはいけません。特にドアを開けてはいけない。
仕事終わり、金曜日の夜でした。時間は午後8時くらい。夕食を食べて、趣味である野球中継を観ていた時、ピンポーンという自宅のインターホンが鳴った。
元からうちはオートロックともなく、集合住宅の共用部分がないに等しい住まいなので多くの訪問営業が来る。その度に丁寧に対応と断りをしていた。
その日も何気なく対応を始め、5分程度話を聞いて帰ってもらうはずだった。しかし、それが全ての間違いだった。午後8時にインターホンを鳴らす奴が話の通じる常識人であるはずない。
男は20代後半、黒のポロシャツに同じく黒のズボン、バインダーを持ち、人が良さそうな印象を受けた。
“不動産コンサルティング”をしている、と言った。振り返ってみればここで男が会社名と名前を言わない時点で警戒をするべきだった。こっちから聞いても良かったくらいだ。
話半分に聞いていて細かい会話を覚えていないので要点だけをまとめる。
不動産の営業ではない(モノは売らない)
情報提供がしたい
話はすぐ終わるから聞いてほしい(終わらない)
次回のアポイントが欲しい
だいたいこの4つのストーリーで話を進めてくるのだ。
『不動産の営業ではない』
これに関しては本当にそうなのかもしれない。しかし、その話に行くまでエスカレートしてしまったため真実はわからない。よく考えれば何のリターンもなく貧しい独身男性の人生に手を貸そうなどと常識人なら思うはずないので、後々何かを売りつけるつもりだったのだろう。
『情報提供がしたい』
要するに賃貸、持ち家、実家相続。という3つの選択肢のうちどれが1番良いのか御教授してくれるというのだ。無料で。そんな阿呆な話があるわけがない。
『話はすぐ終わるから聞いてほしい』
そう言う奴の話ほど長くなるモノで結局1時間くらい居座られた。前置きの世間話から入り、それが8割を占める。結局本題を聞く頃にはこちらは「帰れ」以外の感情が無くなるのだ。
『次のアポイントが欲しい』
おそらくこれが狙いだろう。次はいつまた来ますから、ご自宅の中でゆっくり話しましょう、と言ってくる。いつ来ても自宅に入れては行けません。今すぐ帰れ。
賃貸、持ち家、実家相続。最良の選択は?
わかりません。それが答えのはずだが、そこをひたすら掘り下げてくるのが今回のパターンだった。
賃貸については、老後までずっと住めるかわからない。持ち家については、早いうちから考えないとどこもお金を貸してくれなくなる。実家相続についてもタダではなく税金や修繕とお金がかかってくるんですよ、ということらしい。
なるほど確かに言っていることを間違いはないし、矛盾も感じない。しかし、気になるのはやたらと将来の不安を煽ってくる。結婚は?子供は?老後の資金は?お金足りますか?
でもね、よく考えてください。無いモノは無いんですよ。結婚もしてないし、子供もいない、老後の資金は人並みにしか考えていない、お金なんてたいして持ってない。そらそうよ。
「考えるなら早いうちが良いですよ。選択肢は減っていく、知っておくだけなら損はないでしょう?」
この男性は如何にも優しく話し、冴えない貧乏独身男性のために親切心で今後の人生を豊かにする手助けをしたい、と言ってくれているのだ。
しかし、思い出していただきたい。この人は週末の午後8時に平気でインターホンを鳴らしてくる非常識人である。
もうかれこれ1時間は話したところでしょうか、お引き取り願いたくて僕は何度も「結構です」というのだが、一歩も引き下がろうとしない。
それどこか段々と高圧的な態度になってきて、こちらが「今日はお引き取りください」と言えば、「今日は?じゃあいつなら良いんですか」と言い出す、憎たらしい小学生のマインドを持ち合わせている。
「いつも適当に断ろうとする人がいるんですが、今度道でばったり会ったときに気まずくならないんですか?」と意味不明なことを言ってくるが、なるはずがない。僕らお互い話を聞かない阿呆なんだから。
僕が「良いお話をありがとうございました。これをきっかけに考えます」と言えば、「考えないですよね」と言ってくる。そうだ、よくわかってるじゃあないか。
まぁ、とにかく上から目線の物言い。話すだけ時間を浪費するだけだ。要するに“あほちん。ノーリスペクト。”なのだ。
もしあなたがこの手の訪問営業の対応をすると、この会話を永遠と繰り返すことになります。なにしろ相手は週末の午後8時にインターホンを鳴らしてくる非常識人なのだから。
もうこうなったら力ずくで話を終わらせるしかなくなる。賃貸も持ち家も実家相続も関係ない。ドアを閉めて無視が最前である。(そもそもドアを開けたのが間違いはある)
幸いにして僕は平均的な日本男児としての腕っぷしを備えているつもりだ。ドアを閉めるくらいのことはできると安易に考えていたが、力はほぼ互角で相手は持っていたバインダーをドアに挟んで妨害してくる。(今思えばそのバインダーは傷や凹みが無数にあってボロボロだった。ずっとこうやって使われてきたんだ。かわいそうに)
もしも僕が力の弱い女性であったとしたら力負けは必至であっただろう。そのくらい強引だった。
迷わずに警察へ電話すること。
僕は最後の手段として残しておいた110番へ電話するのである。ついにこの話において1番の常識人の登場である。
電話を掛けるフリではダメだ。なにしろ僕は演技なんてできないし、もしそれが相手にバレたらそれを弱みにされる。
電話に出ててくれた人は冷静に話を聞いてくれた。
怪しい営業に時間を取られている
帰れと言っているのに帰らない
ひとりではどうしようもない
それを伝えると「わかりました。すぐ行きます」と僕から住所と氏名を聞き出した。
念の為に僕は現関先に居座る、週末の午後8時にインターホンを鳴らしてくる非常識人に通話画面を見せる。するとその非常識人はそそくさと退散するではないか。やましいことがあるから逃げるのだ。
「また来週の金曜日に来ますからね!」と不穏な捨て台詞を残して立ち去った。「もう二度と来るな」僕は確実に住宅の共用部分からも出ていくことを確認してからドアを閉めた。
しかし、ここで「週末の午後8時にインターホンを鳴らしてくる非常識人は帰りました。訪問は結構です」と断るのは怖い気がして大変申し訳ないのですが、警察の方には来てもらうことにした。
5分くらいかな、おそらく近くの交番から来てくれた警察の人に事情を説明してお詫びをした。
「ドア開けちゃったの?ダメだよー」(マジでこう言ってた)
今回の中でも1番の常識人である。というか僕が阿呆なだけだ。
思えば日本の治安は大変に良いのだと再認識した。こんなくだらないことで110番したのに、たった5分で家まで様子を見に来てくれる。僕が過去に違反で払った七千円も全くの無駄ではなかった。
僕は週末の午後8時にインターホンを鳴らしてくる非常識人の特徴とまた来るようなことを言っていたと話した。「また来たらすぐ電話していいですからね」警察官のお兄さんはそう言ってくれた。
しかし、もう警察の方に迷惑は掛けられないのでこれからは不用意にドアを開けないようにします。それとまずインターホンでの対応も極力しないようにします。
最後にもう一度警察官のお兄さんへ深めのお辞儀をして見送った。
以上、週末の午後8時にインターホンを鳴らしてくる非常識人との出来事でした。
最後に僕が伝えたいことは、人の不安を煽ってくるような人物は信用できないということ。
老後2000万円問題
年金問題
他人の結婚について(大きなお世話)
これらの話やワードがひとつで知らない人から出てきたら、それはその人自身が「私は怪しい人です」と言っているようなモノだ。
僕は僕で行き当たりばったりの人生を歩みたい。ある日結婚して子供も授かり、家移りもあるかもしれない。それはその時にならないとわからない。しかし、それはそうなった時に考えれば良い。それじゃあ遅いよ、と週末の午後8時にインターホンを鳴らしてくる非常識人のような人もいるかもしれない(実際にいた。そいつだ)が余計なお世話である。僕は僕が死ぬ時、まあ60点かな、と思えたらそれで良い。(無事、落単ではないわね)
今回のようは事例は昔からあるらしい。しかし、実際に鉢合わせないとその傾向と対策について考えることはないだろう。読んで似ているケースを纏めている方がいるので貼っておく。僕のような場合からもっとストーリーが進むとどうなるか、など書かれていた。
先人に倣い、これを読んだ人がさらに注意深く、同じ目に合わないように願います。そして、嫌な思いをする人が1人もいなくなりますように。
絶対に訪問営業の対応をしては行けません。まともな人は誰1人としていません。こちらの話は通じません。
僕も今後は肝に銘じます。
週末の午後8時にインターホンを鳴らしてくる非常識人様もう2度と我が家にはお立ち寄りにならないでください。
後日談、僕が玄関で揉めている時、遠く横浜スタジアムではもっと揉めていました。
あーあ、東の好投とそれに報いる山本の勝ち越しタイムリーは見逃すし、その後9回のアレコレも後追いになるし、飲んでたビールは不味くなる、最悪よ。おーん。
長々とお付き合いありがとうございました。
\I ⭐︎ YOKOHAMA/
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?