何度も作ってみたい海苔フリット
ずっと作ってみたいと思っていた料理がありました。
料理人のdoriokunさんが作る海苔フリット。
6歳の娘さんのリクエストに応えて海苔フリットを作られるのですが、お二人のやりとりが微笑ましくて、微笑ましくて。
かわいいですよね。ツンデレですよね。
三女と同い歳で、ツンデレなところまでちょっと似ています。dorioさんのエッセイすごく好きで、読んでる時はたいがいニヤニヤしています。
心をざわつかせながら「わかる、わかるよ」と呟いたり勝手に妙な親近感を抱いています。
この海苔フリットも読んだそばから
私も娘にこれを言わせたい!と思いました。
でもフリットってなんや…?
天ぷらか、違うか、未知の領域。
レシピを見てみよう。
弱い粉と、強い粉、白い粉?ドライイースト?
今まで縁がなかったものばかりです。さすがにこれはゆっくりできる日じゃないと作れないな。そんなことを思いながら4か月経過しました。
そして先日の休み、ちょうど私の誕生日。
作ってみたい料理があるのよ。と買い物に行った奥さんと三女ちゃんに海苔フリットを見せると、揚げ物大好き三女ちゃんは「プリッとー ♪プリッとー ♪」スキップしながらお菓子売り場へと消えていきました。
強力粉と青のりだけ買ってクッキングスタート。我が家は子ども5人の7人家族。餃子を作ると100個が幻のように消えていく。きっと「プリッと」も120個は必要です。
「分量3倍だね」なんて言いながら三女ちゃんが小麦粉、イースト、塩を軽量しながら慎重にいれていきます。手をプルプルと震わせながら顔を横にして口を尖らせて真剣な表情で軽量カップを見つめる横顔は、まだまだあどけなくて可愛いものです。
ここに生青のり、ぬるま湯、オリーブオイルを加えていきます。
「青のりどれくらい?」と聞かれたので、袋の内容量を見てみるとちょうど分量通りの30g。分量足りないか…でものりは少なめでも大丈夫か。
「もう全部いれちゃえ」
青のりの山を見て二人で「やべぇ!真緑や!」「歯に詰まりまくるぜ!」とこのとき何もしらない私と三女は爆笑していました。
ぬるま湯とオリーブオイルをいれ、またフォークで混ぜ混ぜ。
ん、混ざらへんけど……。
なんか練り物みたいになってきたぞ……。
「磯の香り、なんかすごくない?」
気が付けば、磯の香りが家中に広がっています。
それはもう海の家や浜小屋のレベルです。
dorioさんこれはフォークでは無理です。と心の中で呟きながらゴムベラに持ち替えます。
ところが状況は悪化する一方。緑色のピグモンみたいな物体が次々と出来上がっていきます。
スマホで撮影する余裕がなかったのでイラストでご容赦ください。
なぜだ…、なぜだ…、すべて分量通りだ。
どこで失敗した……
なぜ「プリッと」が「ピグモン」になる?
?
?
青のり?
な・ま・青のり?
シン・ウルトラマン?
生・青のり?
関西出身でお好み焼き文化で育った私の中に、青のりは乾燥タイプしか存在していませんでした。生・青のりを仮にスーパーで見つけていたとしても、言い方が悪いですが、私にとっては洗濯で言うと「生乾きの状態」で完成形ではないのできっと手にしていないはず。無知って怖い。
テンパりながらググってみると…
乾燥青のりたちは、見事にぬるま湯とオリーブオイルの水分・油分を吸いつくし、アメーバのように合体しピグモンと化したのでした。
奥さんに相談すると「きっと何とかなる」と励ましの言葉をもらって分量を最初から測って作り直すことにしました。
しかしさすがに今から「シン・青ノリ」を手にいれることは難しいので、ピグモンを3匹ほど投入して作り直す。今度は大丈夫だ。混ぜられる!
イースト菌は、35℃ぐらいの場所で活発に働くそうで、これまた奥さんに相談の結果、ラップしたボールを毛布にくるんで暖房器具の前に置くことに。待つこと1時間。
お腹を空かせた三女が、暖房で丁寧に温められる毛布の中で眠るボールを見守る光景はなかなかにシュール。
今度は大丈夫。倍くらいに生地が膨らんでいます。これをスプーンですくって160度ぐらいの油で1分ほど揚げて完成!
つまみ食いしてみると、フワッとしていて、モチモチ、そして香ばしい磯の香り。つまみ食いが止まらない。
うまいッ!なにこれ?
立ち飲みでフリットを揚げながら、みんなでカンパーイ!!
「食べたことない食感!うまうま」
「ポテチのノリ塩と同じ匂い、香ばしい!」
「何個でもたべちゃう!」
買ってきたお寿司と80個ほどのフリットがあっという間になくなりました。
キッチンは、見たこともないぐらいの白い粉と青のりまみれ。2時間以上キッチンでピグモンと格闘し、思い出に残る誕生日になりました。
dorioさん、誕生日に爆笑と絶叫と興奮、そして楽しい時間をありがとうございました。
100%でお伝えできず、すみません。。
次こそは、ツンデレ三女の「あと100個食べたいなぁ」がもらえるように必ず「シン・青ノリ」で作ります。
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