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君の爪をキルミネーション

絶賛イヤイヤ期に突入した2歳の息子。
あれもイヤ、これもイヤのイヤイヤマン。

みかんが好物でこれ食べたい!と手に入るまで言う

自分で皮を剥きたい。でも、できないからなんとかしろとゴネる

皮を少しだけ剥いて渡す

なんでお前が剥いたんだと床に突っ伏して抗議

これぐらいで渡したけど、イヤイヤマン激オコ。

穴、開けるだけがよかったそうな…


心の底から「知らんがなー」とシャウトしたい衝動をこらえ…


「息子くんは皮剥きたかったんだよね、だよねー、そうだよねー」

「うん……」

こんなやりとりを何度か繰り返してなんとか納得させる。涙目で口いっぱいにみかんを頬張る息子くん。

テーブルの上には彼が剥いた爪ぐらいのサイズに分解されたみかんの皮。なんだか見入っちゃって写真を撮りたいなと思いカメラを取りにいくと…

突如暴れ出すイヤイヤマン。東京タワーをへし折るゴジラのような勢いで、みかんの皮をテーブルから落としまくっている!!

「やめろー!このやろう!!」

こんな毎日が続いているが、これも成長への登竜門。柳のようにしなやかに受け流す柔軟な心が必要だ。散らばったみかんの皮を集める。

ふとみかんの皮をもった彼の手を見ると、爪がかなり伸びていた。そして爪の間には、みかんの白い筋が挟まっている。

爪を切らなければ……

でもいったいどれだけ騒がれるのだろう?一瞬ためらう。みかんを食べてご満悦のイヤイヤマン。
今がチャンスか。

「爪切ろっか?」

話しかけるとすっと自分の手を出してソファに寝転びだした。素直すぎるカ、カワイイ。これは罠か…。

そぉーっと手を握り、おそるおそる爪を切り始める。

めっちゃ気持ちよさそうな顔しとる。

そういえば爪きりは嫌がったことがないな。むしろ好きなんじゃないか。生まれつき?いや、そんなことはないか……。

こんな感じだろうか。


あれは1歳になる前だったかな。パパが僕の手を握って離さないからビックリしたよ。それはもう食べられるかと思ったさ。

やんべぇ!こいつ手を離さねえぞ!


でもいざ身を任せてみるとパチ、パチと小気味よいリズムで、余分なものがそぎ落とされる感じ。たまんないよねぇ。


て、そんな幼児おらへんか。。

パパやママが僕の手を握るたびに鼻に繋がる指の先のツボを刺激して、鼻がスースー通るようになって気持ちいいんだよね。もうちょっとツボ押し続けてくんないかな。


+安心感。これはあるかもね。


とにかく彼は爪を切ってもらうのが好きなようだ。


amazonの段ボール箱に小さな手を入れて爪をパチパチと切る。息子はそれを不思議そうにじぃーっと見つめ落ち着いている。

指を傷つけないよう一本、一本、慎重に切っていく。あまりに無防備なのでついでに足の爪も。

その間、ほんの数分。

「私も切って〜!」

終わったと思ったら、小2の姉ちゃんがソファに飛び込んできた。

飛び込んできたはずみで、爪入り段ボールと弟が同じように跳ねる。そして何事もなかったのように元の位置に戻り、次は姉ちゃんの爪を切る。

ホクロの位置まで私と似ているまだまだ小さな手。爪の白い部分を残しながら丁寧に切っていく。

ほんの数分のスキンシップ。


少し大きい姉ちゃんの爪、かわいい弟の爪がパラパラと段ボールの中で踊っている。

「2人まとめて子どもたちの爪切るなんて珍しいよね。なかなかいい時間だったわ」

「よかったね。また切ってあげてよ。ついつい忘れちゃうんだよね。いや、よくない…!!」

声を荒げる奥さん。

「これなにっ!きもっ」


大量の爪が床に散乱しとる


爪切ったあと、不思議とこうなってること結構あるよね。爪って生きてるのかな?

多分、姉ちゃんのダイブでトムとジェリーみたいに爪が箱から飛んでいったのよね。。

みかんの皮、小さな爪、かわいいデジャブ。

ほんの数分

肌がふれあい

ほっと一息

日々、バタバタと時間は過ぎていくけれど言葉を交わさなくても、お互いほっとできるような時間を大切にしたい。

そんなことを考えていた。

ポッと心に優しい灯がともる君たちの小さな爪をキルミネーション。


まさか、、、、、


これ言いたいだけ??

そ、そ、そうですがなにか?

もう一度。

指先から心まで温まる。
寒い冬は君の爪をキルミネーション。

深爪に気をつけて、どうぞ温かい冬をお過ごしください。



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