松のやでトンカツ定食を食べて相席の兄さんと盛りあがった朝カツ
松のやをご存知だろうか？
牛丼の松屋を運営する松屋フーズのトンカツ専門店である。
「ここのトンカツ美味しいんだよね」1か月ほど前、仕事仲間に教えてもらったのがきっかけだった。
サクサクの衣とジューシーで肉厚なロースカツ。
その辺の定食屋で食べるトンカツより断然美味しくて満足度が高い。
なによりそのコスパに衝撃を受けた。
松のやHPより
先日、出張中に朝昼兼用で何か食べようと店を探していたら、近くに松のやがあったので、朝10時30分から店に駆け込んだ。
ランチもまだ始まってないから空いてるだろう。と思っていたら、となり1席ずつ間隔を開け、ほぼすべてのテーブル・カウンターが埋まっていた。
同じように朝カツをしたい仲間がこんなにいるなんて…。大変なインフレの最中、朝カツでエネルギーを注入し、自らを奮い立たせているのだ。
1席ずつ間隔を開ける暗黙のルールに従い、興奮した心を落ち着かせて、対面式のカウンターにそっと座る。
さっそくメニューを見て、また衝撃を受けた。
あ、朝メニューだと……。
松のやHPより
ワンコインやないか。
マックのソーセージエッグマフィンセットとほぼ同じだ。午前11時までの限定サービスで、小鉢まで選べてランチの定食よりも豪華ときた。
小鉢は朝からトンカツを食べるというちょっとした罪悪感もあり、少しでもヘルシーなイメージの冷奴を選択。
松のやHPより
少しすると、対面に座っていたヒステリックグラマーのトレーナーを着ていた男性に、得朝ロースカツ定食が運ばれてきた。小鉢は納豆だった。
顔が見えない分、手元の動きが気になった。
ヒステリック兄さんは、定食が運ばれてきて、すぐにカラシを４，５袋ケースから取り出した。
そして焼きのりが乗っていた小皿に迷いなく次々とカラシを入れていく。その上からタップリ中濃ソースをかけ、カラシの黄色が完全に見えなくなるまで丁寧にソースをマゼマゼ。
私もカラシ好きだから「わかるっ、わかるよ！」
心の中でうんうんと頷き、ヒス兄さんの衣のサクサク感を楽しもうとする食に対するこだわりに好感を覚えた。
一人ニヤニヤしていたら、私にも得朝ロースカツ定食が運ばれてきた。
私もすぐにカラシを４，５袋とり、半分のトンカツに直接カラシを塗り、その上に特製ソースをかけた。
私は、カラシの角ばった刺激が好きなので、ソースはあえて混ぜず、黄と茶色の鮮やかなコントラストを楽しむ派だ。
ふとヒス兄さんを見ると、手の動きが止まっていた。いやたまたまか。カラシ好き同士、何かシンパシーを感じたのかもしれない。
甘く深い味わいのニンジンドレッシングをかけてキャベツを半分ほど食べてから、トンカツをいただく。
サクッ、じゅわっの後にくる豚肉の甘み。肉厚のトンカツに思わずご飯を食べる量を見失いそうになる。
そういえばトンカツに必死で冷奴を食べるのを忘れていた。というか焼きのりも、いつ食べればいいのかわからない。
さぁどうしよう？と考えていたらパッと閃いた。冷ややっこにのりをかけて食べようじゃないか。
重ねた焼きノリを両手で丁寧に何度もちぎり、50枚ほどに細かくする。
それを冷奴の上に、ふぁっさぁーとかける予定だったが、手元が狂い、半分くらいのノリは冷奴に着陸せず、テーブルに散らかった。
慌ててテーブルに落ちたノリを片付けていると、またもやヒス兄さんの手が止まった。
何しとるねん、コイツ…。尋常じゃない量の焼きノリを巻き散らかしたので、こう思うのも当然かもしれない。
ノリを片付け、冷奴を食べ終え、残り3つのトンカツをどうやって食べようか思案していた。
するとヒス兄さんが、トンカツ2つを残して、納豆を混ぜ始めた。
残りのご飯を納豆で食べる作戦か。。。
混ぜ合わせ、粘りに粘った納豆はご飯の上を通り過ぎ、なんと味噌汁にぶち込まれた。
えっ！
納豆用のネギも躊躇なくぶち込まれた！
納豆汁〜！上をいかれた！
次は完全に私の手が止まった。
そして私の疑念は確信に変わった。
ヒス兄さんも私とシンクロしながら朝カツを楽しんでいた。お手上げだぜ。とニヤニヤしながら私もノリの皿にソースとカラシを入れてまぜて食べることにした。
勝者への敬意だ。
すると、ヒス兄さんも残り2つのトンカツにカラシとソースを直付けして食べ始めた。
勝負が終わったらもうノーサイドだ。
先に席を立ったヒス兄さんは何事もなかったかのように店を後にした。年は同じ頃だったと思う。
「前の席のやつが冷奴にノリかけたんだけど、ほとんどこぼれてさ！俺は納豆ぶち込んでやったぜ」
なんて大切な人に話してくれていたら嬉しい。
ご飯をより美味しく食べる工夫や人それぞれのこだわりって面白いし奥が深い。これを共有できるとめっちゃ仲良くなれそうだ。
我が家の夫婦円満の秘訣はこれかもしれない。
手軽にトンカツを食べたいときは、松のやで朝カツをおススメしたい。次は奥さん連れて行こう。
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