こんにちは。ライターのワタナベです。
IN FOCUSが運営するクリエイティブスタジオ「CONTRAST」にて開催している展覧会「獸(第1章/宝町団地)」もいよいよ9月25日までとなりました。今回のnoteでは、まだお越しいただいていない方のために展覧会の模様を紹介したいと思います。
現代アーティストのGILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE(以下、GCD☆GCD)が総合ディレクションを務めるこの展覧会には、GCD☆GCD自身と、横手太紀、倉知朋之介、王之玉、Hans Chewといった気鋭の現代アーティストや現代陶芸家たちが参加。今回の物語の下、それぞれが異なる表現方法で制作した作品が展示されています。
今回の展覧会のタイトルにつけられた“第1章”という言葉からも分かるように、「獸」は全7章にわたって続く壮大な物語として考えられています。今回の展覧会は第1章であり2回目。0章からはじまり、各章は1年毎に進んでいくようです。
現代美術の展覧会とライブを組み合わせ、7年間かけて物語が展開されていく長編プロジェクトである「獸」は、果たして7年後にどのような結末を迎えるのか?
GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE
「獸」の総合ディレクションも務めるGCD☆GCDの作品は、本展全体のイントロダクションとしての役割も果たしています。アクリルマウントを使用した2つの作品には、コンセプトにも書かれている“宝町団地”や“タコ山公園”の風景が日中と夕方の2パターンでそれぞれ鮮やかに表現されていました。オレンジ色に塗られた積み木を組み合わせたステイトメントブロックには、物語への想像を膨らませる下記のような文章が。
横手太紀
宝町団地の部屋から見える広場を想像してつくられた空間の中で、その場にありそうな、普段は気に留められることのないものたちをアート作品に昇華。壁にめり込んだサッカーボール、バイクシートに覆われたオブジェ、無造作に捨てられたゴミ袋、そして電柱の上に浮かぶ石。それらすべてが不規則に動き続けることで、日常から非日常へと誘われる感覚、ものを見るという行為への問題提起となるような不気味さを感じさせてくれます。
倉知朋之介
コンセプトを聞いた時に、子供時代に遊びに行ってた「お菓子の城」を思い出したことからスクリーンを城に模して映すことにしたという映像作品。「幼少期の記憶」をテーマに作家自身が被写体となって撮影された複数の映像は、つなぎ合わせることで一本の“線”としてループされ、心地よい思考の混乱へと誘ってくれます。
王之玉
壁に飾られ、本人が幼少期に描いたドローイング作品。錬金術において完成形とされる存在「レビス」を表現した、“子供”の象徴としての人型オブジェ。そして宝町団地の一室で毛布にくるまって遊ぶペットの猫など。本展のコンセプトにあわせて、過去作も含めて作品が選ばれました。
Hans Chew
鮮やかな色の紙粘土で小さな玉や円をつくって遊んでいたという幼少期の記憶に着想を得て、本展の表現方法にも焼き物を選んで制作された作品たち。「獸」のコンセプトの下、自身でさらに「遊びをなぞる」というテーマを設定し、釉薬もあえてラフなたらし方にしたそうです。公園のベンチのように実際に座れる作品など、モチーフの選び方もユニークでした。
9/26(月)には、同タイトル「獸(第1章/宝町団地)」として渋谷のWWW Xで音楽ライブも行われるので、そちらもどんなイベントとなるか楽しみにしていてください。
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