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古典文学に探る季語の源流(全12回の連載)

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俳句結社「松の花」の結社誌に連載しているコラム『古典文学に探る季語の源流』をnoteにも転載しております。2020年は奇数月の号、2021年は偶数月の号に掲載した記事を合わせ、毎… もっと読む
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#蛍

古典文学に見る季語の源流 第六回「蛍」

古典文学に見る季語の源流 第六回「蛍」

三度目の緊急事態宣言下で、本稿を書いている。六月には「蛍狩」ができると信じながら、「蛍」を取り上げる。

二〇二一年は、六月五日からが二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」であるが、その中でも六月十一日からは七十二候の「腐草為蛍 (くされたるくさほたるとなる)」である。中国古典『礼記(らいき)』に見える、枯れて腐った草が蛍になるという理解から来た語である。季語では「腐草蛍となる」と読む。

ことわざには

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