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令和新撰百人一首(吉田裕子選、古典初心者用)

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藤原定家が選んだ百人一首に倣って、一人の歌人から一首ずつ選んでいきたいと思います。コンセプトは古典初心者用。現代語訳がなくても何となく意味が分かるような、読みやすい和歌を中心に選… もっと読む
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令和新撰百人一首(45)花は散りその色となく眺むればむなしき空に春雨ぞ降る (式子内親…

花(はな)は散(ち)りその色(いろ)となく眺(なか)むればむなしき空(そら)に春雨(はるさめ)ぞ降(…

駆け出し百人一首(44)偽りのある世ならずはひとかたに頼みやせまし人の言の葉(日野富…

偽(いつは)りのある世(よ)ならずはひとかたに頼(たの)みやせまし人(ひと)の言(こと)の葉(は)(…

駆け出し百人一首(43)これを見よ上はつれなき夏草も下はかくこそ思ひ乱るれ(清少納言)

これを見(み)よ上(うへ)はつれなき夏草(なつくさ)も下(した)はかくこそ思(おも)ひ乱(みだ)るれ…

駆け出し百人一首(42)花散ると厭ひしものを夏衣たつや遅きと風を待つかな(盛明親王)

花(はな)散(ち)ると厭(いと)ひしものを夏衣(なつごろも)たつや遅(おそ)きと風(かぜ)を待(ま)つ…

駆け出し百人一首(41)憂きも契りつらきも契りよしさらば皆あはれにや思ひなさまし(永…

憂(う)きも契(ちぎ)り つらきも契(ちぎ)り よしさらば 皆(みな)あはれにや 思(おも)ひなさ…

駆け出し百人一首(40)恋ひ死なん後も心の変はらずはこの世ならでも物や思はん(従二位…

恋(こ)ひ死(し)なん後(のち)も心(こころ)の変(か)はらずはこの世(よ)ならでも物(もの)や思(お…

駆け出し百人一首(39)袖ひちて掬びし水の凍れるを春立つけふの風やとくらむ(紀貫之)

袖(そで)ひちて掬(むす)びし水(みづ)の凍(こほ)れるを春(はる)立(た)つけふの風(かぜ)やとくらむ 古今集 春歌上 2番 訳:昨夏、私は袖を濡らして水をすくった。その水は冬の間に凍りついていたが、立春の今日、春風が溶かしているだろう。 Last summer I scooped up water, which is frozen over during this winter. Today's spring wind will melt the ice. 鑑賞す

駆け出し百人一首(38)志賀の浦や遠ざかりゆく波間より凍りて出づる有明の月(藤原家隆)

志賀(しが)の浦(うら)や遠(とほ)ざかりゆく波間(なみま)より凍(こほ)りて出(い)づる有明(あり…

駆け出し百人一首(37)皆人は花の衣になりぬなり苔の袂よ乾きだにせよ(僧正遍昭)

皆人(みなひと)は花(はな)の衣(ころも)になりぬなり苔(こけ)の袂(ころも)よ乾(かは)きだにせよ…

駆け出し百人一首(36)散る花の忘れがたみの峰の雲そをだにのこせ春の山風(左近中将良…

散(ち)る花(はな)の忘(わす)れがたみの峰(みね)の雲(くも)そをだにのこせ春(はる)の山風(やま…

駆け出し百人一首(35)若竹の生ひゆく末を祈るかなこの世を憂しと厭ふものから(紫式部)

若竹(わかたけ)の生(お)ひゆく末(すゑ)を祈(いの)るかなこの世(よ)を憂(う)しと厭(いと)ふもの…

駆け出し百人一首(34)逃れ来て人目を厭ふ心にもあまりさびしき山の奥かな(二品法親王…

逃(のが)れ来(き)て人目(ひとめ)を厭(いと)ふ心(こころ)にもあまりさびしき山(やま)の奥(おく)…

駆け出し百人一首(33)月も出でで闇に暮れたる姨捨に何とて今宵訪ね来つらむ(菅原孝標…

月(つき)も出(い)でで闇(やみ)に暮(く)れたる姨捨(うばすて)に何(なに)とて今宵(こよひ)訪(た…

駆け出し百人一首(32)人の親の心は闇にあらねども子を思ふ道に惑ひぬるかな(藤原兼輔)

人(ひと)の親(おや)の心(こころ)は闇(やみ)にあらねども子(こ)を思(おも)ふ道(みち)に惑(まど)ひぬるかな後撰和歌集 雑一 1102番 訳:人間の親心というのは闇ではないのだが、我が子を思う中では困惑し、迷ってしまったのだなぁ。 I believed that I could keep calm. But I totally lost my cool in worrying about my child. 藤原兼輔(877-933)は、『源氏物語』を書いた紫式部