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鴻蒙(ハーモニー)の担い手に独占インタビュー:Googleとの協力を懸念しなかったら、2年前からOSをスマホに実装した

2020年9月25日、テンセントニュース・深網の報道によると、2015年の中国国慶節連休明け最初の営業日に、余承東に招請された王成録はファーウェイの消費者事業に正式に配属され、それ以来、ファーウェイ独自のOSとエコシステムを推進してきました。王成録と彼のチームは、スマートフォンが他の端末を完全に置き換えることは難しいと考えています。「置き換えられない以上、なぜ連携させてみませんか?」王成録は、このコンセンサスが鴻蒙OSの誕生の源であると考えています。

2016年5月、消費者事業のソフトウェア部門は鴻蒙OSの研究開発に正式に着手しました。2018年3月、鴻蒙OSプロジェクトはファーウェイの消費者事業によって正式に承認され、研究開発が本格的にスタートしました。研究開発のスピードアップについて、王成録は『深網』に対し、「私たちは制裁のせいで鴻蒙OSの研究開発を始めたと言われたりしますが、実はそうではなく、以前からやっていて、制裁でスピードアップしたに過ぎません。」と伝えています。長い間、鴻蒙OSは極秘事項として扱われていました。その他の「プランB」プロジェクトと異なり、ファーウェイが鴻蒙OSを極秘事項として扱ったのは、非常に現実的な懸念があったからです。それはGoogleです。Androidを利用するには、Android互換性契約(ACC)とモバイルアプリケーション開発契約(MADA)の2つのGoogle契約を遵守しなければなりません。前者は利用者のソフトウェアがAndroidと互換性があることを要求し、後者は利用者がGMSサポートを取得できるかどうかに直接関係します。10数年のアップグレードを経て、Androidはすでに非常に成熟かつ安定したOSになっており、GMSには非常に豊富なアプリケーションエコシステムがあります。ファーウェイとしては当然Googleを引き続き利用したいわけです。しかし、外部環境の変化は多くの人の期待を大きく裏切りました。

2019年5月16日、米ファーウェイ制裁が本格的に導入され、GoogleはファーウェイへのGMS(Googleモバイルサービス)サポートを即停止し、開発が遅れたHMS(ファーウェイモバイルサービス)は、海外の端末市場への進出においてファーウェイの弱みとなってしまいました。5月16日から数日後、将来の危機に直面し、ファーウェイの経営陣は全社の総力を挙げ、東莞市に位置する松山湖拠点で難問への取り組みに注力することを決定しました。これはファーウェイ社内で「松湖の戦い」と呼ばれています。ファーウェイは松湖作戦本部を設立し、鴻蒙OSとHMSも、OSやアプリケーションエコシステムを含めて一緒に議論されました。しかし、「松湖の戦い」が成功できるかどうかは誰にもわからないにもかかわらず、王成録はやはりわくわくしていると感じました。「正直に言うと、誰もが非常にわくわくしていました。制裁は困難である前に、機会でもあります。」と述べました。2019年8月9日、ファーウェイは2019 HDCで鴻蒙OS 1.0を正式に発表しました。余承東は記者会見で、鴻蒙OSがオープンソースであることを公表し、これは、当日の鴻蒙OSに関する最大のニュースとなりました。9月10日、ファーウェイは2020 HDCで鴻蒙OS 2.0を発表しました。

ファーウェイは、今年12月にスマートフォン用の鴻蒙OSのベータ版をデベロッパーに提供し、さらに来年の1月か2月に一部のスマートフォンに対して鴻蒙OSのアップグレードを解禁する予定です。最初のアップグレードは数か月間検証され、その後完全にリリースされます。『山海経』に由来する「鴻蒙」は、2012年にラボのコアチームによって行われた技術プロジェクトの名前でした。王成録と彼のチームは「方舟」という名前も検討しましたが、コンパイラーはすでに「方舟」と名付けられ、加えてファーウェイ独自のOSが「鴻蒙」と呼ばれると推測され始めたため、最終的に「鴻蒙」を名前とすることにしました。「誰もが夜空で輝く星たちの光を消すことはできません。デベロッパーの一人ひとりは、ファーウェイがこれから集めていく星の光です。小さいとはいえ、大勢の星を集めれば、いつか真っ暗な夜空を照らすようになるでしょう。」これは、ファーウェイの消費者事業のCEOである余承東が2020年ファーウェイ・デベロッパー会議で述べた言葉であり、ファーウェイ・デベロッパー会議のテーマとなっています。誕生以来、多くの困難に直面してきた鴻蒙OSが、これほど大きな注目を集める日が来るとは誰も想像できませんでした。ファーウェイがハードウェアに関する制裁を受けているこの困難な時期に、いよいよ表に公開された鴻蒙OSとその未完成のエコシステムはより大きな使命を与えられ、より多くの責任を負うことになります。王成録は、「これで弊社はソフトウェアに集中するための時間と人手を増やすことができます。ソフトウェア環境と考え方が確立され、いつかハードウェア事業が完全に再開されたら、ファーウェイはこれまで以上に強い会社になるでしょう。」と述べました。

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