日の出

いつか空が在って、でも地球から宇宙が見えてしまうような
そんな日が来るかも知れない

君が往く
私もついて行きたいよ
でも、知っている
私は踏み出す勇気もお金も覚悟も持っていないのだ
だから君を送るしかないのだ
だから私は君に追いつけることなどないのだ
けれどけれど、もし、いつか。君が在って、君の見る世界を私が隣で見れたなら。
それはなんて素敵なことだろう。

「待って」
そういうと君はわくわく前へ前へ進んでいたのに、立ち止まって
こちらを振り返ることはできずに待ってくれる
私をずっと、待ってくれる
君は一歩も歩まない
ただ、その一つの歩みで変わる、景色を求めて「進みたい、進みたい」と遠くを見つめるだけなのだ
こちらを振り返りもしない
わかっている。君は前に夢中で私の方など振り返る暇がないのだろう
それなら私など置いて走ればいいのに
一度の私のわがままをずっと聞いてくれる君なのだ

心が痛い

私がここに留まり続けるから
私は君の世界を見ることはできなくて
君は新しい世界を見ることができなくて
私は一人で地団駄踏んで
君は一人ただそこに立ち尽くすのだ

ごめんなさい
そういえば君は進んでくれるかな

ありがとう
そう言えば君は怒ってしまうかな

こっちに来て
そう言えば君はどういうだろう

君、向こうになんて行かずにずっとここへいてくれたならよかったのに
「行かないで。一緒に止まっていてよ」
って言ったらさ
きっと君、苦く笑って聞いてくれる
でもきっと君、壊れてしまう
そしてきっと私も、壊れてしまう

君を縛りたいわけじゃないんだ
無力さをこれ以上知りたくないよ
ただ、ただ、誰か

私を慰めて
勇気付けて
頑張ってって、言ってくれる人。
そんな人が欲しいよ。

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