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ジャック・アマノの“アメリカ NOW" ミネソタのスパム・ミュージアム

 インターステイト35を走ってて、ちょっと色褪せた”スパム・ミュージアム”という看板を発見。直交するインターステイト90を東に20マイルほど行ったところにあるというので、足を伸ばしてみた。

2016年にオープンしたばかり。この場所の前に2カ所で会社の歴史などの展示はしていたらしい(タイトル写真)

 調理済み肉の缶詰=スパムって日本でも売っているし、「好きにして、好きにして……」って缶詰のぬいぐるみが歌うテレビCMも見たことがある。しかし、それがミネソタ州の生まれだったとは知らなかった。しかも、ミュージアムまであるとは!
 オースティンという小さな街の数ブロックしかないダウンタウンのほぼ真ん中に、まだ建ったばかりのようなスパム・ミュージアムはあった。スパムといえば青い缶に黄色の文字。レンガとそのトレード・カラーが上手にマッチされてるオシャレな建物だ。

 こんな大掛かりなのに入場料は取らない。宣伝の一環てことで。この時期だけに入り口で検温、感染があった際のトレース用のメールアドレスの告知が義務づけだった。

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豚のどの部分を使って、何を加えることでスパムが完成するのか……の図解

スパム=SPAMって、スパイシーなハム、スパイスド・ハムってことで作られたホーメル・フーズ社の商標だったんだ。初めて知った。この手の缶詰の肉の一般名詞は、ランチョン・ミートでしょうか。ハワイ育ちのオバマ大統領が好きなことで有名なスパムむすび=白米でスパムをサンド=は、ハワイに移住した日本人が開発したメニュー。ハワイではスパム人気が今も高くて、年間800万缶で全米50州で売り上げナンバー・ワンだという。沖縄、グアムでも結構スパムは普及してるって話。

 4〜5人家族の1食分が詰まったサイズで、スライスするだけでパンに乗っけて食べ易いカタチ。最初からよく考えて作られた商品だからヒットしたんだなぁ。

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こちらはミュージアムのスパムレシピ紹介コーナー

 館内中央にはスパムのレシピを見ることできるスクリーンが幾つも並んでいて、気に入ったメニューがあったらEメールで自分に送ることができるようになっていた。朝ごはん用、ランチ用、おむすび系、ディナー用とかなりの数が紹介されていたので、タッチ・スクリーンを操作して色々チェックしてみた。タッチ用のペンは消毒済みのを渡してくれて、帰りに出口で返却する方式。

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日本でのスパムのTVCM。スパムのキャップ(ギフト・ショップで同じものを売っていた)など超アメリカン・カジュアルな女性キャラクター

 世界の44か国で販売されているスパムは、日本、韓国、中国がそこそこ大きな市場です……的な展示があった。韓国、中国はライセンスをとった地元企業が生産しているという話だ。日本コーナーではテレビCMの映像も流れていたが、帽子を被った女性のCMは見たことないヤツだった。沖縄とか限定で流されてたのかも。

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女性キャラが”スパミー”と歌い、踊る

 スパムって、はっきり言うと脂っこ過ぎる。それを揚げちゃうレシピもあるんだが、体に悪くても美味しいってケースは世の中に色々あるから。子供時代によく食べていた……って人には昔懐かしい味。そういう人たちがミュージアムを訪れているんでしょう、みんな表情がほのぼの柔らかかった。ギフトショップを見て回る人たちも微笑みを浮かべ、お土産選びを楽しんでいた。

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ホーメル スパイスド・ハム がSPAMの前身てことらしい

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販売初年度のスパム。すでに青地(紺)に黄色の文字

 もう30年近く前だと思う。レーシング・マシンのスポンサーにスパムがついた。”スパム・ライト”って新商品の宣伝だった。「ついにスパムまでもが健康志向に!」とかなりウケた。今では減塩、ガーリック、ブラック・ペッパー、テリヤキ、ヒッコリー・スモーク、チーズ入りなどなど13種類以上のバラエティがスパムにはあると、このミュージアム訪問で知った。

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スパムのバラエティ。興味あるヤツと、買うのに勇気が要りそうなのがある

 スパム・ミュ=ジアムにあるギフト・ショップはとても大きく、品揃えがもの凄い。衣類から小物、レシピ本……。近頃ホテルの部屋についてないボトル・オープナーのキーホルダーになったヤツと、スパムむすびを作る”型”を買った。

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スパム缶の身長計

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私は21スパム・トールでした。富士山は45,740スパム・トール、だそうです

8月に一カ所に長期滞在する時ががあるので、どれかを買ってスパムむすびにして食べてみようと思う。その時またレポートします。

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ミネソタ州オースティンのダウンタウン。こういう古い街並みでも道路は片側2車線の広さ

以上  第17回終了

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