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ジャック・アマノの“アメリカ NOW” ウィスコンシンは警戒が緩やか! しかし週末の仕事場、ロードアメリカはパンデミック対策ルール厳格適用

 イリノイ州からウィスコンシン州へ移って来た。
 こっちはCOVD-19に関する警戒がとても低い。低過ぎて逆に心配になるぐらいだ。

イリノイ州からウィスコンシン州へ。ミルウォーキーを越えてしばらく北上して行くと、フリーウェイでもガードレールやコンクリート・ウォールもなしになる(タイトル写真)

 まず、ホテルのフロントがマスクをしていないんで、「ええっ!?」となった。
 チェック・イン時の説明を聞いていくと、
「レストランはあちらです」……「あ、レストランあるんだ、このホテル」
「バーは5時からです」……「バー、営業しちゃってるんだ」
「朝食はバフェ(ビュッフェ・スタイル)で8ドル50セントです」……「それ、一番危ないヤツじゃん!」 
と衝撃の3連発。誰もウィルスの心配をしてないのかね? フロントには消毒液、一応置いてあったけど。
 いきなり警戒解いてレストラン?……考えられないな、私には。バー? 絶対に無理。バフェ? 有り得ないでしょ。今回はキッチンのないホテルなので、食事は基本、テイク・アウトになる。

 州として見ると、ウィスコンシンも余裕をかましている場合じゃないはずなんだけど。感染者はコンスタントに増え続けてる。州全体で人口が600万人ぐらい。それで感染者3万5,000人は、日本と比べるとかなり危ない数字。カリフォルニアが30万人近くて、テキサスとフロリダが24万人超えで、アリゾナも11万人……とか聞いて来てると感覚が麻痺しがちだけど。ウィスコンシンの場合、感染がひどいのは都市部(=この州にはミルウォーキーとマディソンしか大きな都市がない)。私がこの週末に泊まる人口が4万人にも満たないような田舎町では、人々の間に危機感がまるで漂っていない。

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サーキットのゲートで配られたマスクとハンド・サニタイザー。こららを貰う前に検温も義務付け。街よりかなり厳しい基準が敷かれている

 到着した晩は大雨。幸い、朝には好天となったので仕事場のサーキットへと向かった。
 ゲートで検温をされ、マスクと手の消毒ジェルをもらった。サーキット敷地内の道沿いには、「ソーシャル・ディスタンシングを取りましょう」という看板が何本も立っていた。イヴェント開催に向け、かなり色々努力してることが感じられる。
 おかげで金曜だというのに、結構お客さんが入っている。インディーカーとしては、これが今年初めてのファンを入れてのレースだから。現場でレースを堪能できる時を待ち望んでいたファンたちが押し寄せているってことでしょう。明日はもっと入るはず。楽しみだ。

 インディーカーのパドックやピットはどんな状況なのか……。明日からの仕事のために下見に行ったら、インディーカーのチームはまだパドックにいなかった。入れてもらえてない、というのが正しい表現ということらしい。明日の早朝、クルーもドライヴァーも、全員がチェックを受けてからでないとサーキット入りができない……というのがパンデミック専用ルールらしい。

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サーキットのパドック中央にあるコンセッション・スタンド。客と店員の間に飛沫防止のアクリル製シールドが

 パドックにはメディアも入れない……というのは知っていたが、チームがいないのだから、「今日はもう引き揚げよう」となった。でも、ちょうど昼時だったのでコンセッション・スタンドに立ち寄ることに。ウィスコンシンに来たら、ブラットワーストという名物ソーセージを食べないと。いつもの店が建物ごとリニューアルされていて、窓口でオーダーしようと思ったら、店員さんとの間にアクリル板がセットされていた。1本をホットドック用みたいなパンに挟んだのと、2本をハンバーガー用のバンズに挟んだのがあるんだけど、今日はシングルを頼んだ。
 「6ドルです」
 「ええっ!?」
 5ドル札を用意してたんで、もう1ドル足さなきゃならず、ちょっとうろたえてしまった。サンドイッチ系ひとつで6ドルって、空港には負けるけど高過ぎ。建物を新しくしたんで値上げしたのかな?

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マニトワクで見つけたゴルフ・コース。「商売成り立つの?」という空き具合の割にメインテナンスは行き届いていた

 午後がまるまるオープンになったので、ゴルフに行くことにした。
 ホテルに戻ってネットでチェック。5~6マイルという近さにひとつ発見した。
 到着すると、駐車場に車が3台しかいない。「営業してるはずだけど?」と不安になってたら、ちょうどひとりの男性―70歳ぐらい―がクラブハウス方面から歩いてきた。
 「このコース、やっていますよね?」
 「今日は歩きだけだって」
 カートが使えないなら……と彼は帰って行った。昨日の豪雨のせい? 人手不足?
そこはわからなかったけど、カートが使えないってんでガラ空きの様子。こちらにしたら好都合。のんびり、ゆったり回れる。運動不足の14日間を過ごした来たので、もともと歩く気満々だったし。
 気温が28℃とちょい暑のコンディションだったけど、今回の渡米で初のラウンドでもあるし、18ホールに挑戦することにした。暑さでギブ・アップ……となったら、9ホールで引き上げればいい。
 6,696ヤード/パー72のコース、18ホールでいくらだと思います? これがなんと、25ドル(!)
歩きで、だけど。日本で3,000円以下のコースって、あるのかね? 見たことない。

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ウィスコンシンは蚊が多い。虫除けスプレーは必須で、スーパーに行けばこれだけ品揃え豊富。種類が多過ぎて、どれにしようか悩んでしまった。無香料のアロー入り(アロエじゃ通じないよ)をチョイス

   午後2時過ぎにスタート。フロント9はフラットだったが、バック9はアップ・アンド・ダウンがあった。コースのメインテナンスはとても良かった。ところどころ水たまりはあったけど、昨晩の大雨の割にグリーンは硬く、速かった。

 ただ、ひとつのホールではグリーンにアクセスする道が冠水していて、水深が5㎝以上あったから、靴が水浸しになった。裸足になるのはヤメにして良かった。水の中にヒルみたいのが見えた。
 濡れてもすぐに乾いちゃう。それがアメリカ。西部劇で水に服のままジャブジャブ入ってっちゃうシーンを見て、それをやる人の気持ちが当時はまったく理解できなかったけど、アメリカに来るようになって、信じられないほど早く乾いちゃうことを知った。季節とエリアにもよるけど、その乾きっぷりは日本とは比べものにならない。

 ホール・アウトは夕方6時前。持っていた水1リットル、ちょうど18ホール目で飲み切った。デイライト・セイヴィングなので、私が帰る時にスタートして行く人もいた。午後8時でも十分明るいんで、9ホールなら余裕で行ける。


以上 7月10日 第11回終了


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