本当に優しい人

本当に優しい人は、
優しさという甘味料で、
誰かを堕落させたりしない。

一時的には優しさをたっぷり使う。
でも、ある時期が来たら、変わるんだ。

相手の傷口に塩を塗る。
そんな荒療治だって平気でやる。
そうやって、その人本来の姿を
思い出させてゆく。
そういう人なんだ。

そんな芸当は、まねできっこない。
優しいだけのほうが良い人で
いられるからなんだ。
でも、本当に優しい人は、
本当の意味で相手に優しいから、
できること。
そんなふうに思うんだ。

やっぱり本当に優しい人は、
自分にいつも
向きあっている人なんだ。

いつも自分を見つめているから、
どうしようもない自分も
知っているんだ。
だから、自分にも、そして
他人にも優しくなれる。
そういうことなんだ。

そして本当に優しい人は、
自分を育てる過程で、
本当にわかっている人なんだ。

人間は優しさだけじゃ育たないし、
厳しさだけでも育たない。
そういう大事なことが、
体験的にわかっている。
だから、厳しさも当たり前に使える。
わかっている人だからなんだ。

本当に優しい人になりたければ、
自分を自分に育てるんだ。
自分の状況にあわせ、
硬軟織り交ぜて、
自分を自分らしく育てるって
感じなんだ。

そういう生き方をすることが、
本当の優しさなんだって、
そんなふうに思うんだ。