池間島のリアルライフ 〜島の女性「Kさん」との出逢い〜
宮古・池間島での初めての民泊体験。
座礁した英プロビデンス号の残骸
正直最初、私は「民泊」というものに良い印象はありませんでした。他人様の家にお邪魔して寝るなんて...って感じですし、泊まる側も泊める側もお互い気を使います。「闇民泊」って言葉も最近話題になっていましたしね。
そんな私が今回民泊を選んで心から良かったと思えた理由。
それはKさんと出逢えたことでした。
Kさんは「島の人」らしい、おっとりしてて穏やかな方で...と、言いたいところなんですが、私がお世話になったKさんはちょっと違いました。
宿泊初日から「民泊はほとんどカネにならない...。間に参入している組織にマージン取られてることが最近わかったから、島の事を考えて、もっと直接交渉できるようにならなければいけない。」と、しょっぱなから淡々と話すKさん...。
それを聞いた私は面食らうと同時に、共感してしまったんです。
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元々沖縄本島生まれ・本島育ちのKさんは、今の旦那さんと2人で会社を経営。体調を崩したのをきっかけに、旦那さんの故郷である池間島に移住する事にしたそうです。
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Kさんと私との、会話のワンシーン…。
K「旦那はトリが好きで、裏庭でニワトリを数羽飼っているんだよ。何で飼ってるのか、本当の理由は言えないけど...笑」
私「へぇー、旦那さん、トリ好きなんですねー。その理由教えてください。」
K「旦那は飼ってるニワトリの1匹に、私と同じ名前「K」とつけてるんだけど、旦那は私に怒られたら、そのストレスを発散するために「K」の頭を棒で殴るんだ。その一羽だけ毛がなくなっちゃってるから、後で観に行ってみてごらんw。最後は食べちゃうんだけどね笑」
他の宿泊者「...。」
唐突のブラックジョークだったので、私以外の宿泊者は引いてましたが笑、結構ひんぱんに「あー疲れた」とか言うし笑、2日目の深夜には夫婦ゲンカが勃発するし...笑。
でも、何なんですかね…。ほんと不思議なんですが、全然嫌じゃなったんですよ。
多分、自分の「実家」みたいな感覚だったんでしょう笑。
でも、毎晩たっぷりの食事でもてなしてくれますし、民泊に来た高校生が脱走した話で笑わせてくれたり、そんな高校生たちから後日届いた感謝の手紙を見せてくれて、読みながらホロッと涙を流す一面を見せてくれたり、私が琉球弧に残っている平家落人伝説について調べていることを話すと、ものすごく興味を示してくれたり、夜、私が「宮古島中心部の知り合いの飲み屋に行きたいから車貸してくれませんか?」と言ったら、嫌な顔せず「好きにしな♬」って感じで車のキーを手渡してくれたり...。
最終日の夜は宮古島特産「なまりぶし」をつまみながら、ビール飲んで、去年行なわれた「池間島大演芸会」の映像をみんなでダラダラ観ました。
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これが「なまり節」。カツオを燻しているので、スモーキーテイストで激ウマ!!酒の肴としてそのまま食べても美味しいし、サラダに混ぜてもgood。
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Kさんが、友人Rちゃんと赤フン姿で踊ってました。Kさんと過ごした時間の中で、この時間が特に、なんとなく、すごく良かった。
淡々とした口調でクールな本音や辛辣なジョークを言うけど、愛情深く、実は意外に照れ屋な「Kさん」なんです♬
島民の方達の話によると、池間島は昔カツオ漁が非常に盛んで潤っていたそう。歩いて1時間半でまわる事ができるような小さな島に、その当時、映画館が3件もあったそうなんですが、今では高齢者ばかりの島になってしまい、今年小学校に入学した1年生は1人...。
ウン十年後には消えてしまいそうな池間島をどうにか盛り上げようと活動を続けているのが、Kさんなどを中心とした「島の女性たち」。
「民泊」は、その活動のひとつだったんですね。
「島やそこに住む人々の良い印象だけ観て帰ってもらいたい」と思うのがフツウだと思うんです。
でも、Kさんは違いました。民泊という旅を選択しなければ、絶対にKさんには出逢えてません。
また、民泊を受け容れているお家は他にも何件かあったことを想うと...
Kさんのようなイケてる女性に出逢えた私は、ラッキーとしか言いようがありません。
私の今後に繋がるような、想定外の良い刺激をいただくことができました。
感謝。