見出し画像

私の想像が勝って、貴方の感動になるまで

現在公開中のハケンアニメ!を観てきました。

原作:辻村深月「ハケンアニメ!」
監督:吉野耕平
出演者:吉岡里帆・中村倫也・柄本佑・尾野真千子
高野麻里佳・工藤阿須加・小野花梨 &more
主題歌:ジェニーハイ「エクレール」

新人アニメ監督「斎藤瞳」と、憧れの天才「王子千晴」
夕方5時帯のアニメ枠の裏表。
作品に対する熱い思いを胸に、ハケン=覇権を賭けた戦いが今、始まる!!

正直なところ、主題歌が私の好きなジェニーハイ、アニメ業界の話で、なおかつキャスト的に好きだったのでせっかくだから久しぶりに映画に足を運ぶか…。くらいの気持ちで見に行きました。
ただ、調べてみたら上映本数が一日1本とかがほとんどで、しかも早朝かレイトの二択だったり、なんだか箱が小さかったり💦
渋谷のtoeiでなんとか後ろの予定に間に合いそうな時間の上映をみつけられたので、よかったものの、旦那も誘った手前面白くなかったらちょっときまずいぞ…。と、不安な気持ちいっぱいで臨みました。

結果。杞憂でした。
何も心配することなかった!!
上映時間の最初から最後までずっと引き込まれっぱなしで、映画館に来て本当に良かった!!と声を大にして言いたい。
上映後は胸がいっぱいで、感想を言いたい気持ちと、意見が合わなかったらどうしよう。私この作品を悪く言われたらすごく嫌だな。という葛藤でなんだか黙りこんでしまい、
「あー…パンフレット…ある…買ってくるね…」
とだけ言い、ちゃっかり豪華版のパンフを購入
映画を見た後に、パンフが欲しいというのはそういうことだ。わかってるね?という無言の主張を決めた。
旦那も相当面白いと思ってくれていたようで、1時間後くらいから感想を楽しく言い合いました。
何がよかったかを言ってしまうとネタバレになるのであまり言えないが、とにかく何か想像力を武器に物を創りあげることに携わっている人にはぜひ見てほしいと思っています。

私はおよそ130分の上映中の半分くらい泣いていましたが、単純な感動というよりも、共感の気持ちが強かったように思います。
また、作中に登場するアニメの内容も、覇権を賭ける題材にふさわしい出来になっていて素晴らしいです。
ここがダメだといくら盛り込んでも説得力がないよね。という部分を原作の辻村深月先生も語っていて、くそ生意気な言い方になりますが「わかってるな」と。ほんとにどの目線から言ってんの?って感じで申し訳ないんですが他の言い回しが見当たらなかった…( ;∀;)

作品を彩る出演者の方々がほんとに凄い演技で、どの目線から見ても物語が重厚にできているます。ここは役者目当てで見に行った手前なんの心配もしてなかったですが、予想をはるかに上回る熱量に魅入られました。
どのキャラクターもめちゃくちゃカッコ良かったです。

そしてもう一つの目当てだった主題歌。もともと先行発表されてたので聞きこんでましたが、これは映画を見て聴くと10倍くらい良いです。
歌詞を聞きこんで映画の回想してまた泣きました。すごくポップな曲なんですけどね。もう涙なしで聴けない。
え?これ映画の脚本とかの人が歌詞書いたんじゃなくて川谷さんがかいてるの?まじジェニーじゃん…というわけのわからない感想を抱えています。

映画を見て、大満足で駅のコージーコーナーでエクレア買って帰るわけですよ(笑)
これしか上映してないのもったいない。もっといろんな人に見てほしい。
そんな思いでいま感想を書いています。

そしてここから↓はネタばれ有の感想になります。
まだ見てない人は映画館に行ってね♪(ダイレクトマーケティング)




公式サイトを挟んでおきます。
まだ間に合うから!!みんな見るんだ!
中のアニメ映像とかスクリーンで見た方が絶対良いって!!ww


さて、ここからは本当にネタバレです。
ふせったーとかも考えたんですが、noteのほうが人目に触れる機会が多いかな…と思ったので今日はこっちに書きました。

結構映画をみて感動することは多い方で、泣ける映画とかたくさんあるんですけど、悲しいとかじゃなくて心動かされてずっと泣いてるのはホントに珍しい経験でした。
どこがよかった!っていうか全部よかった。もちろん山場はあるけど。

とりあえず中村倫也演じる王子千晴の登場をこれでもか…と引っ張って臨んだ対談のシーン。
いきなりぶん殴られてましたけどw
頭真っ白で全然作品の魅力を引き出せない紹介をしてる瞳に、千晴がさりげなくフォロー入れてるの凄い良かった…。フォローなのかもわからないけど。もしかしたら単純に興味があったのかもしれない。
空気読めてないアナウンサーに嚙みつきつつ、それでも天才の姿勢を崩さない凄み。登場から一瞬で空気をもっていったな。と。
個人的には、あの紹介動画を作ったのがプロデューサーの有科っていうのが尊い…。
千晴からもらったプロットを大事そうに抱えてる有科がすごくよい。推せる。

対談終えて第一話放送
千晴がサバク観てるのがまた…単純に言い表せない感情がにじみ出てて。
対して色々耐えられなくなってる瞳。
でも、序盤に「…コンテ通りで。」で通したシーン。あれが差し込まれることによって、あのシーンが凄く良いものになっているあたりに瞳の才能を感じた。
凄く気弱に見えるけど、作品にとって譲れない部分は絶対に折れないところ、凄く好きです。
そしてプロデューサーの行城はすべてわかった上でやってる。それを見せない。ここの関係もほんと尊い。好き。

ちょっとシーンは戻るけど、原画の並澤さんが雑誌の表紙絵を描くシーンでの「なんて言ってるんですか?」からスイッチ入るシーンは湧き上がる感動がありました。
脇役ではありますが存在感のある良い役者さん。この機会に名前覚えます。
小野花梨さん。覚えたぞ!!
市役所の宗森さんとうまくいってほしいw

そして声優・群野葵
もとができる声優さんなので、最初のシーンだってどえらいへたくそ!ではないんですよ。だけど映像になったときに、確かに感じるちょっと違う。なんかキャラクターか微妙に浮いている。そんな感覚
すんごい難しいことしてるな…と思いました。

監督と衝突して嫌な子なのかな…と思いきや、すごい良い子だし。
初回上映会でのフォローもだし、宗森さんたちがスタンプラリーの台をどこに置くか探してるときにちらっと駅周辺で映り込んでたりと芸が細かい。
そしてしれっと葵のインスタチェックしてる千晴強いw
物語の後半に進むにつれて、トワコの声がどんどん良くなってる演出は圧巻です。
あとアニメ内の声優豪華w
速水奨はずるいてwwwww

有科さんがボクシングしてるのは解釈一致過ぎる。
あと瞳の「もうダメだ…!!!」ってなってからボクシングの体験→銭湯コースなのずぶとくていいなって思います。
逃げるんですか?に対して「そんなことするわけないでしょ!!!!!」っていうのが泣けた。

コミュニケーションは結構大切で、うまく伝えられないもどかしさみたいなものも作中の中で何回も出てましたが、瞳がその点においても成長を見せてくれたのはいい演出でした。
自分の頭の中のものを誰かが最高の形で出力して形にしてそれを売り出して、おおもとを作ってるのは確かに自分だけど一人で世に出すことは絶対にできない。
瞳が隣人の少年に言った言葉は本当に刺さって、公式Twitterが小出しにしてくれてるけど、流れも含めて全部見てほしい。
「ごくまれに」という言葉の後ろに、サバクのチームの顔が浮かんで見えたような、そんな気がした。
「そういうものを、見ることも、ある」

物語の終わりを考える時。多分一番難しい。
想像の中の住人とはいえ、作り手の中で生きているから。
話が終わる=住人の死
というのもわかる。
視聴者にどこまでを想像させるか。彼らは今後どう生きていくのか。
終わりとはなんなのか。
ハッピーエンドの定義とは?
子供の見る時間の話だからダメとか、王道だからまるっときれいになくなりました。とか、ダメとは言わないけど。そんな理由で収めるのはどうなんだろう。とか。
同じご都合主義でも、作者が「大円団大好き!そうなるように物語を組んできた!」だったら全然納得なんだけど。
今までいろいろ犠牲にして戦ってきて、なんかよくわかんないけどふしぎな力で全部なかったことになって本当に幸せか?
どこかで広げた風呂敷を畳まなきゃならない。アニメでは枠が決まっているからなおさらきっちりと。
サバクもリデルライトも、ふり絞った最後への意気込みが画面越しに溢れていて最高でした。

今回映画を字幕付きの上映で見たのですが、この映画ところどころに挟まれる台詞が凄くいいので、字幕、おすすめです。
エンドロールで歌詞が表示されてるのもありがたかった。

エクレア好きなのわかってるのに絶妙に苺にして外してくる行城さん、可愛かったな(笑)
あとちょこちょこ出てくる猫がめちゃ可愛くて癒されました。
ベランダの窓開けっ放しだと猫出てっちゃうよ!!とは思ったけどw
公開中に映画館にもう一回行くのは難しい気がするので、おとなしく円盤買います。
中のアニメがDVD化されたらそれも買いますwww
1週でも長く公開されてたくさんの人に届いてほしい!と思えるような素敵な作品でした。
ありがとうございました!!!!!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?