菅井国夫

ロック少年がインド音楽に出会い、シタール欲しさに22歳で渡印。インド音楽に魅せられた半…

菅井国夫

ロック少年がインド音楽に出会い、シタール欲しさに22歳で渡印。インド音楽に魅せられた半生を、思い出のレコードと共に紹介します。 ※運営・挿絵は娘のアンジュにやってもらっています。

最近の記事

  • 固定された記事

#01 インド人に余命宣告されたので、66歳でnoteはじめました。

「お前は80で死ぬ。」 27歳の時、インドでそう言われた。 そのときは「けっこう長生きできるんだな~」と思っていたが、あれよあれよというまに66歳になってしまった。 あのインド人の手相占いを信じるのであれば、私の余命はあと14年・・・。 周囲では「終活」という言葉が飛び交うようになった。 人生の整理整頓をする時期が来たのだ。 ふと部屋を見渡すと、 山のようなレコード、 シタール(インドの弦楽器)、 インド古典音楽の膨大な資料・・・。 自分が死んだら、この宝の山はどう

    • ♯08【北インド古典音楽盤文庫5】「音楽の大陸インド THE LAND OF MUSIC」

      1979年の夏、私は友人に誘われ、2人でインドを訪れた。大好きなロックミュージシャンが使用している「シタール」という楽器が欲しいという幼稚な理由だ。 同年、9月から12月にかけて、西江孝之氏を中心とした仲間たちで製作されたドキュメンタリー映画「音楽の大陸インド」に収められた音楽が、このレコードである。 残念ながらフィルム映画は拝見していないが、広大なインドを北から南まで、一流のミュージシャンをフィルムに収めた情熱は、同時期のインドを知っている私からすると、尊敬に値する。 当

      • ♯07【北インド古典音楽盤文庫4】 扉が開く CLASSICALS/SONG AND INSTRUMENTAL

        「ラーガ」は作ったとは言わない、発見したと言う。 その始まりがいつであったのか定かではない。 はるかなる時を、親から子へ、師から弟子へと手渡されるように伝えられてきたラーガ。 それがレコードの発明によって万人にアクセス可能になったのが現代である。 インド古典音楽は通常、1曲1時間からそれ以上、短いものでおよそ15分。  したがって、CDはインド古典音楽の記録に適した長さを持ち、ラーガの流れを中断せずに録音できるという利点がある。 しかしながら、レコードから流れるインド古典音

        • #06【北インド古典音楽盤文庫3】「ラーガ」

          ラーガは、インド音楽の基礎を成すものであり、ラーガが構築される原則を列挙すると、 1. ラーガは、音階を上行下行それぞれに最低でも5音必要であり、6音また  は7音持つこともある。 2. ラーガの音階には、ヴァーディー(VADI)と呼ばれる主音と、サムヴァーディー(SAM VADI)と呼ばれる副主音からなる2つの中心的なポイントがあり、ラーガの動きはこれらの音に向かって組織される。 3.ラーガには、ラーガを特定するのに役立つ、パカル(PAKAD)と呼ばれる特徴的なフレーズがあ

        • 固定された記事

        #01 インド人に余命宣告されたので、66歳でnoteはじめました。

          LIVEありがとうございました!

          北インド古典音楽ライブ「古代未来」 無事開催できました。 音や金時での久しぶりのライブでしたから、お客さんが来て下さるか心配でしたが、開場時間になると、40年来の付き合いのある友人や、師アミットロイ門下生の方々、学生時代の友人、38年も前にカルカッタで出会った知人まで、沢山の方に来ていただきました。 JADD JAGAさん(サロッド:写真右側)や逆瀬川さん(タブラ:写真左側)との演奏が実現でき、また沢山の方々とお話もできて、大変うれしく、とても楽しかったです。 まだま

          LIVEありがとうございました!

          #05【北インド古典音楽盤文庫2】 偉大なる伝統 / 音楽の巨匠たち

          FESTIVAL OF INDIA PRESENTS THE GREAT TRADITION MASTERS OF MUSIC "フェスティバル オブ インディア"による 偉大なる伝統 / 音楽の巨匠たち インド古典音楽は、北インド古典音楽(ヒンドゥスターニーミュージック)と、南インド古典音楽(カルナータカミュージック)に大別される。 このレコードは、オールインディアラジオの音源から、北インド古典音楽はSHEILA DHAR氏が、南インド古典音楽はT.S.PARTHAS

          #05【北インド古典音楽盤文庫2】 偉大なる伝統 / 音楽の巨匠たち

          【告知】LIVEやります!

          北インド古典音楽LIVE『古代未来』開催します! 師走のお忙しい中恐縮ですが、インド音楽の好きな方、ちょっと興味がわいてきたという方、ぜひ来てください! よろしくお願い致します。 ◆日時:2023年12月9日(土)18:30開場 19:00開演 ◆場所:「音や金時」(TEL:03-5382-2020)      JR中央線・総武線 地下鉄東西線 西荻窪駅下車 北口より3分 ◆料金:¥2,800 ◆出演:菅井 国夫(シタール)     JADD JAGA(サロッド)    

          【告知】LIVEやります!

          #04 note更新、更に行き詰まる

          さて、ここらへんで、いつも私のnoteを更新してくれている娘に感謝の意を表しておこう。 このnoteは、私が原文を書き、娘が読みやすく推敲し、記事に合う挿絵や写真を添えて記事をアップロードしてくれる、という流れで成り立っている。 娘は普段離れて暮らしているので、帰省のタイミングで綿密な打ち合わせ(主にダメ出し)を行うが、その後はもっぱら電話かSMS(ショートメッセージ)でのやり取りである。 ちなみに、LINEはいまだによく分からないので使っていない。 先日、アパートに帰

          #04 note更新、更に行き詰まる

          #03【北インド古典音楽盤文庫1】:レコード   

          RECORD:1877年トーマスエジソンが発明。 言葉や音楽を記録する技術が生まれ、19世紀末から20世紀初頭にかけ世界中に広まる。日本やインドも例外ではない。当時は録音時間も二三分と短く高価であったが、20世紀半ばになると録音時間の長いLPレコードが開発され広く世間に普及、音楽が世界規模で開花し流通する。 幸運にも、私たちの世代はその恩恵を受けた。日本にいながら、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、南米やアフリカなど、世界中の好きな音楽を手に入れられる時代に育った。 音楽の窓

          #03【北インド古典音楽盤文庫1】:レコード   

          #02 note更新、早くも行き詰まる

          「次のnoteに載せる文、まだ?」 私のnote記事の編集長である娘のアンジュに促された。 いきおいで始めたnoteだったが、早くも行き詰っていた・・・。 いや、それには深い訳があるのだ。 私は、インド古典音楽の素晴らしさを後世に伝えるつもりで、前々から文章を書き溜めていた。 その名も【北インド古典音楽盤文庫】。 若い頃インドや日本で購入した、インド音楽のレコード盤を紹介しようと試みたのである。(当時CDは店頭販売していない。) ある程度溜まったところで、アンジュ

          #02 note更新、早くも行き詰まる