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#06【北インド古典音楽盤文庫3】「ラーガ」

ラーガは、インド音楽の基礎を成すものであり、ラーガが構築される原則を列挙すると、
1. ラーガは、音階を上行下行それぞれに最低でも5音必要であり、6音また  は7音持つこともある。
2. ラーガの音階には、ヴァーディー(VADI)と呼ばれる主音と、サムヴァーディー(SAM VADI)と呼ばれる副主音からなる2つの中心的なポイントがあり、ラーガの動きはこれらの音に向かって組織される。
3.ラーガには、ラーガを特定するのに役立つ、パカル(PAKAD)と呼ばれる特徴的なフレーズがある。
4. それぞれのラーガは、1日の中の時間帯や1年のうちの季節と密接な関係がある。
5. それぞれのラーガは、ラサ(RASA)と呼ばれる情感と結びついている。

以上が、「ラーガ」の原則の定義であるが、ラヴィ・シャンカールの本(わが人生わが音楽)を読むと、サンスクリット語(古代インドの文語)に『精神を彩っているものはラーガである』という格言があると書かれている。
言い換えればラーガは、「心を彩るもの」という意味を持つ。

また、ラーガとは伝統によって構築され、優れた音楽家の精神の中に生まれ、ひらめいた旋律的な枠の事であるとも書かれているが、ここでは単純に、ラーガを「インド古典音楽の旋律」として表すことにする。


インド古典音楽のコンサートに行った時や、部屋でレコードを静かに聴いている時など、その歌は、その演奏は、優しさや悲しみを呼び起こし、苦しみまで喜びに変えてしまう。
亡くなった人との穏やかな思い出を、鮮やかに蘇らせることさえある。
時にその歌は、自然と一体化させ、音楽家も、聴衆も、自然の一部になる。
そして気付くのだ・・・世界は美しい・・・と。
それが「ラーガ」だと私は思う。


いちばん大切なことは、言葉で表現できない。
だから・・・人は唄う。

この写真は、インド古典音楽のラーガ(RAGA)とラーギニ(RAGINI)の絵です。ラーギニとは、ラーガの女性系を示します。ラーガは力強い男性を表現し、ラーギニは、柔らかく優しい女性を表現するそうです。ラーガとラーギニが結ばれて子供や孫までいるというのですから、インド音楽は楽しいですね!というよりも、音楽とは違う次元でとらえているからなのでしょうね! 

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