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Rolex 2024年の元旦値上げ... 今後どうなる?

こんにちは、エディです!今日は、ロレックスが2024年元旦に行った価格改定についてお話しします。2022年と2023年はそれぞれ1月と9月に正規価格改定があり、合わせて4回に渡って合計で約20%値上げが行われています。また、昨年末から噂されていた今回の改定、前回と同じく元旦に実施されました。では、早速値上げ幅を見ていきましょう!

2024年の値上げ幅

特に注目すべきは、デイトナエクスプローラーIの価格変動。デイトナは200万円台にまで上昇し、一方で、エアキングとエクスプローラーIも100万円台に突入(実はエアキングも100万越えに)。これにより、プロフェッショナルシリーズはすべて100万円を超える価格となりました。

主要モデルの新定価

特にロレックスにおいては、慢性的な供給不足と世界的な品薄があり、「もはや定価では買えない」皆さん、そう口を揃えていいます。また、そう騒がれるようになってもうしばらく経ちますよね。

Rolexはもう定価では手に入らない

従って、正規店ではほとんど購入できず。僕も何回も通ったことがありますが、10-15分並ぶものの、数分で退店。これを経験日記にしているオーナーさんもいらっしゃるしそれこそがエクスクルーシブ感につながるという意見もあれば、「結局買えないじゃん」という現実的な多数派意見、両方ありますよね。

また、供給を大きく上回る需要から、並行市場に流れる個体は凄まじいまでに高騰しており、留まるところを知りません。

過去3年間の推移

下図では、2021年初の定価を1.0としたときに、過去3年間でどのような推移で新定価に至ったか、を示しています。今回取り上げたモデルすべてにおいて著しい値上げがあり、特徴としては:

  • 今回取り上げた主要5モデルすべてにおいて、約1.5倍ほどになっている

  • 2021年比で最も高騰したのがデイトナ(1.57倍)。元々高額であるがために、円ベースの値上がり”幅”でいうと大きい

  • 多少バラつきはありつつも、全モデルキレイにあがってきており、相対的に上昇率が抑えられたサブマリナーでも1.46倍

  • 特に額関係なく(70万だろうが150万だろうが)、上昇幅はほぼ一律

過去3年間で約1.5倍に

ロレックスは、世の多くの社会人にとって、高級時計の入口のブランドなのに、こんなに値上がりすると、手が届かないという声が聞こえてきそう…。

値上げの市場背景

もちろん、この値上げにはロレックスがコントロールできない外的要因も含めて、色んな理由があると思います。さらに言うと、時計業界全般に言えることと、ロレックス特有の理由があるので、それぞれ見ていきましょう。

  • 原材料と人件費の高騰:腕時計は金やステンレス鋼板などの高品質な材料を使用。近年、これらの材料の価格が上昇しており、特に2022年から2023年にかけて、円安の進行やロシア・ウクライナ危機が原材料の価格上昇に影響を与えています。また、経済のインフレや生活コストの上昇に伴い、人件費の増加も重なっています。

  • 為替レートの影響:本国の価格設定で行われ、円安が進むと輸入時のコストが上がります。つまり、日本でのロレックスの価格は、為替レートの影響を受けて上昇することになります。

  • ブランドのポジショニング:各ブランドは、その品質とブランドイメージにより、高級時計市場で特別な地位を占めています。価格を上げることで、その高級感や独占性を保ち、ブランドの価値を高めることができます。

この波はロレックスだけでなく、パテックフィリップやオーデマピゲ、オメガ、IWC、そしてチューダーなど多くの人気ブランドにおいて顕著です。 上記のように理由は様々ですが、供給を大きく上回る需要があるという基本的な構図が、最終的に値上がりとなっています。例えば、需給の関係が逆だった場合には、円安であったとしても、コストが膨れあがったとしても、数年で1.5倍になるということはありません。

また、ロレックス特有の値上がり理由としては:

  • より著しい需給アンバランス:ロレックスは年間の100万本の生産本数を誇っているものの、他ブランドと比べても、そのアンバランスはより顕著です。それがプレミアムに表れていますよね。圧倒的な「ロレックスブランド」を持っていることで、プレミアムがついても(もしくはプレミアムがついて"いるからこそ")消費者の欲求をいい感じに刺激しているのでしょう。

  • 新モデルの発表に伴うスペックアップ:「新世代」とする新型ムーブメントが続々新作に搭載され、ロレックス愛好家や時計コレクターは、技術的な進歩や新しいデザインに高い価値を見出します。例えば、Cal. 3235。この前のCal. 3135と比べて、パワーリザーブが70時間に伸び、大きな売りポイントとなりました。新モデルがスペックアップしているので、これは当たり前ではあるのですが、これを理由に価格が高めに設定されることがあるようにも捉えられます

Cal. 3135と3235の比較(出典


おわりに

ロレックスの価格改定は、市場に与える影響が大きく、次回の改定では更なる値上げが行われる可能性もあり、ロレックスのブランド戦略に目が離せません。

一消費者としては「賃金があがっていないのに値上げなんて!」と思います。業界全体として、同じように値上げを重ねているので、嫌になっちゃいますよね。また、3年前に買っておけばよかったものが、1.5倍になるほどのプレミアムを払うべきか?という議論も盛り上がりそう。

ビジネス的な捉え方をすると、今回の価格改定は、単なる数字以上の意味を持っています。これは、市場動向に伴う外的要因によるものもありますが、ブランドによる戦略的な意図(ブランドのポジショニング、消費者の購買行動)も含まれていて、今後も注目です。

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