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ソーシャルライティング講座(延長⑥)

こんにちは!NPO法人日本インクルーシブ教育研究所でインターンをしている寺垣佳南里です。

最終回の本講座では、「卒業式」をテーマに据え、卒業式とは、何のために、どのような思いで行われるかを考えました。卒業式の社会的意義とは何なのでしょうか。

卒業式とは、「友達や両親に感謝の心をみせる場」「自分がどれだけ成長したのかを改めて認める場」などと私自も考えさせられるような様々な意見が挙げられました。

それに対し、自閉スペクトラム症特性の発達段階を考えると、自他の境界線を引くことがゆっくりであり、自分と区別された他者として親を認識することや、自分とは区別された他者への感謝という概念自体が伝わるのかを考慮する必要があるというお話を伺いました。

私は、自閉スペクトラム症特性をもつ方の手記から「自分と他者との境界線が曖昧であることにより自分が自分で無くなる不安を感じる」という言葉を拝見したことがあります。その一方で「自分が緑や自然に吸い込まれ、自分がなくなり溶け込むことが心地よい」と語る方もいました。

自分と周りの世界を区別し、境界づけることによって自分が自分としてあり、それと全く同時に、自分と周りの世界との境界線が溶けていく感覚も重んじることが大切だと感じました。

私は何かと境界を引き、分類することによって世界を区別し、認識し、自分を存在させます。一方で、自分とは全く関係ないように見えるものとの連続性をみる感覚はインクルーシブ教育を考える上でも重要なことだと学びました。

それでは受講生からいただいた感想を紹介します。

  • 卒業式をテーマに、ソーシャルストーリーを考えてみました。何を主軸とするかのかを話し合ってみましたが、卒業式自体が、実は大人でさえ曖昧な捉え方・それぞれ異なる捉え方をしていて、まとめるのが非常に難しかったです。続きは来週ですが、どの子にもある程度、汎用化できるストーリーが作れたら、非常に助かるテーマだと思います。【放課後児童支援員】

  • ソーシャルライティングを学べられ、尚且つ原田先生からや、受講生の皆様、事務局の皆様方と色々なお話しを伺う事で良い学びになりました。皆様方と学べた事を感謝申し上げます。ありがとうございました。文章をLINEに書いて、息子に送り読み合わせしてみました。高3生卒業した彼なりの考え方や見方を知る事ができました。まだまだ一人でソーシャルを書いてみる事が難しくても、本(テキスト)に戻り、『これは何文かしら?』と見てみる事も、今後つづけてみたいと思っています。次回までに、続けて行きたいと思っています。【保護者・ペアレントメンター・精神保健福祉士】

  • 前回、設定された課題を実施できていなかったので、未完了感をもって参加しましたが、原田さんが大丈夫ですと受け止めてくださって気が楽になりました。そして今回の時間で、次に向けて完成させていきましょうと提案してもらったのもよかったです。ソーシャルライティングを書くことと、スケジュールを分かりやすく提示することと、区別して考えていくことも大事だなと改めて思いました。一人だけでと自分の考えの枠の中で堂々巡りしてフリーズしてしますところを、メンバーの様々な体験からのコメントをいただくたびに、進んでいき、メンバー全体が落とし穴に入りそうなときは、原田さんが現れてサジェスチョンをしてくれ雪べき方向を示してくださるのが、いいバランスで過ぎていった感じでした。【教員】

  • 今回もみなさんのやり取りを楽しませて頂きました。毎回、みなさんの会話の中に、「なるほど」がたくさん詰まっていて、勉強になりました。「卒業」をテーマにソーシャルストーリを書く難しさは過去一番でした。どの角度から見るかで、書く内容が変わってくる。その前に、どういうこと?なぜに?何のために?と当たり前に考えてなかったことを言語化するのは私には、調べることが増えて、大変難しい。まだまだ一人では、ソーシャルストーリを書くのは難しいように思えています。私の場合は、常に自閉症の子と接してるわけではないので、よくわからないことのほうが、多かったですが、みんなさんの会話を聞きながら、そういうものなんだことなんだ。と思っていました。今回、この講座に参加したことは、とても有意義な時間でした。そして、もう少しみなさんの会話を聞きたいと思いました。ありがとうございました。【児童英会話講師】

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ソーシャルライティング講座は「コミュニケーションがうまく取れない」「人との関わりが苦手」「こだわりがある」といった特性のある自閉スペクトラム症の子どもたちに教えたり伝えたりすることができるように、原田さんからアドバイスをもらいながら、グループワークを通して学びます。自閉スペクトラム症の子ども達への伝え方を学ぶ ソーシャルライティング講座 は2024年6月18日から始まります。定員10名で少人数のためお早めにお申込みください♫

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