補足)EC事業のDD支援で主に利用するツール・成長レバー(連載4/5)
↓ 連載に初めての方は、初回投稿分からお読みください ↓
1. Google Analytics(ウェブ解析ツール)
GAで抽出したいデータとは、下記のようなチャネル別トラフィックや売上データであり、主にチャネルごとのトラフィック・売上の成長率、直帰率の推移など。現時点のEC売上がそもそもEC施策をすべて100%実施している結果なのか、それともまだ未実施の施策があり成長の余地があるのか確認するとともに、向こう4-6か月の売上見立てを作る上でもっとも重要となるデータ。
例えば、下記の図にはアフィリエイトやLINEがチャネルとして存在しないため、成長見立ての際には、これらチャネルを展開した際の売上期待値を追加する必要がある。
下記のように、セッション>デフォルトチャネル>参照元|メディアムで月次KPIをダウンロードし、月次・年次へと加工してゆく。
余談:Google Analyticsのチャネル別売上アトリビューションモデルはラストクリック・ノンダイレクト(最後の間接クリック)のまま見立てを作成するものの、実際買収が成功しバリューアップとなった場合には、他のアトリビューションモデルを使って深堀りする必要あり。
参考になりそうなサイト:https://webtan.impress.co.jp/g/google%20analytics
2. Google Keyword Planner(検索数抽出ツール)
Googleでの検索数を5年間遡って月次で一括抽出できるツール。
データの活用方法として、過去の検索数を伸び率をもとに、今後の成長率を予測することに加えて、過去のマスマーケ施策が社名や商品名の検索数への効果があるかどうかなど、検証する判断材料となる。
Yahoo!ではここまでのデータは抽出できないため、基本的にGoogleでの検索数と同等の成長を見込む。
参考ページ:
https://www.willgate.co.jp/promonista/google-keyword-planner/
3. Ahrefs(SEOキーワード調査ツール)
自然検索における、潜在的に狙えるキーワードの発掘のため、Ahrefsというツールを活用。対象会社のサイトの主要キーワードを登録すると、検索結果表示を狙えるキーワード候補や競合が上位表示しているキーワードが抽出され、上位表示の難易度なども確認できる。(データ元はClickstreamやAhrefsが直接収集しているサイト挙動データ)
留意点として、日本に特化したツールでないため、キーワード候補を参考にしつつ、実数はGoogle Keyword Plannerのデータを使うことを推奨。
参考ページ:
https://ahrefs.com/
https://service.plan-b.co.jp/blog/seo/974/
https://note.com/go_director/n/n5a7399ff9d18
4. Sankey図(図式化手法)
最近使い始めたので著者もまだ使いこなせていないが、下のような図をウェブ上でコーディングし、図式化できる。
参考ページ:Google Developer) Saneky概要
https://developers.google.com/chart/interactive/docs/gallery/sankey
( 上のSankey図のコーディングテンプレを作ったので、興味ある方はご連絡ください)
5. Think-cell(パワポ強化ツール)
コンサルタントであればよく使うパワポ・エクセルのアドイン、紹介はこちらのページにお任せ。
参考ページ:
https://www.think-cell.com/ja/resources/manual/overview.fcgi
6. サイトUI/UX改善(成長レバー)
EC事業の成長幅として、広告費投下や商品展開を増やすことが一般的ではあるものの、UI/UXを通したサイトCVR%改善も忘れてはならない。
「パーソナリゼーション」がバズワードになってから数年は経つも、サイトUIのPDCAを回していない会社は少なくない。特に、サイトリニューアルを定期的に繰り返す会社や、イベントや商品ごとにランディングページを量産する会社は一見UIに注力していると思いつつ、属人的にデータを読み取り→解釈→新しい提案に落とし込むというプロセスにおいて、データ主導の最適化を行っていない。
UI/UXにおいて、高額なツールやサービスがあるものの、中には手っ取り早くPDCAを回せるツールもあるので、短期的にCVR%改善するための、カート離脱防止、直帰防止、複数購入促進などのクイックな施策はパッケージツールで展開できる
(その時々によって最適なツールが異なるため、ここではあえて明記しないものの、個別に紹介することは可能)
7. 外部モール関連(成長レバー)
外部モールにおいて、具体的な成長・売上ベンチマークが見つからないことが多いため、成長率のベンチマークとして楽天市場の成長率を利用することを推奨。
Amazonは日本国内売上を公表していないため、楽天の成長率をAmazonにも適用する。外部モールの売上比率は、かなり雑ではあるが、各モールの想定される売上をもとに、比率を試算。
外部モールの成長見立ては、モール全体の成長率+広告展開とEC直販と異なった枠組みで考えてもよい。例えば、現活動を継続すればモール全体と同程度の成長が見込め、追加に広告を展開すればより成長が加速する、などといった試算ができる。
参考ページ:楽天IR資料>決算
https://corp.rakuten.co.jp/investors/documents/results/
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