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日本はなぜ発展したか 5

<人前での振舞い、陰での振舞い>
 新幹線の中で、飲み物やスナック類の売り子さんが各車両に入る時と出る時、丁寧にお辞儀をします。あれ、多くの外国人が高評価のコメントを残しています。私も海外で、「日本に行ったことがあるがあのお辞儀をよく覚えている」と言われたことがあります。→あのワゴンサービス、JR東海が2023年秋での終了を発表しましたね。

 また、多くの新幹線が発着する東京駅で、清掃やら安全チェックやら、すべてを僅か数分間で完ぺきに終わらせてスゴイ!という動画が話題になったことがありました。『新幹線劇場』とか『7分間の軌跡』などと評されているそうです。目に入らない舞台裏でも、日本人は見返りやチップを期待することなく立派に仕事をしていて素晴らしいですよね。

 ところで、以前「旧ユーゴスラビア4」の記事でも少し触れましたが、大都市では社会や人々への連帯感が薄れると感じます。田舎の方が、ある意味正直で自由な生き方、振舞いができるのでしょうか。いや、周りを気遣って型破りな活動も生活もできず、その堅苦しさに疲れるのでしょうか。実は「都会の人は冷たい」という話、個人的に私は海外でよく耳にする気がします。

 少し付け加えると、自分とは違う見慣れない人々への差別や偏見や誤解は、大都市ではない田舎の方が分かりやすく存在します。海外でもやはり、田舎のほうが外国人(つまり私)は当然ジロジロ見られますし、「何かお困りですか」なんて声を掛けてはもらえなくなります。その意味では、少なくとも外国人にとっては、都会の方が自分らしくいられる空間があるのですね。

 話は変わりますが、「周囲の状況や行動などから自分が受ける圧力」のことをピア・プレッシャー(peer pressure)、同調圧力などと言います。ただし、心理学や社会学など、分野によっても定義や概念が違うと思います。良い影響はもちろん、悪いことに自分も染まってしまう面もあるでしょうね。とにかく、相手や周りがお手本になるという意味でも、これはきっと世界共通なのですね。

 あと、仮に日本人が財布を拾ってカバンに入れてしまったら、どんな心理になるのでしょうか。盗むのは悪いことだ、持ち主が困る、自分はお金に困っていない、神様が見ている、困ったときはお互い様だなんて、深~く悩んで行動するでしょうか。貴重品でも本でもペンでも、「放置されたものは自分の持ち物だ」という異文化を何度も感じてきました。

 こんな超大国なのに、紛失したモノが見つかる奇跡、夜間に一人で歩けるこの安心感、どういうことでしょうか。ある在日外国人が長年日本に住む理由を聞かれ、「1に安全、2に安全、34がなくて、5に安全」と言っていました。「34がなくて」とは、さすがに語彙力もお見事!<参照:財布が戻ってくる確率

 そう言えば、野菜の横に空き缶があることに驚いた(=無人販売)という人には多く会ってきました。客を信頼していることですからね。ただ、調べると海外でも時々、似たような習慣があるようですが。

 実は私が出会った在日外国人で、「持ち物をチェックせずに電車を降りるようになった」とか、「スーパーでは自転車に鍵を掛けない」という人もいて驚きました。ですけどね~、後から調べて分かったことですが、日本で発生する刑法犯のうち、半数以上は窃盗犯で(なんと30秒に1回!)、その中で最も多いのが自転車の盗難(約30%)だそうですよ。せめて鍵はかけましょうよ~。

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