【読書感想文・How to Become a Straight-A Student (Cal Newport著)】アメリカの優等生から学んだ成績アップに必要なこと(1:学生目線)

随分前に、下記の本を読み始めました。

正直なところ、訳本があればなお良いと思いましたが、タイトルや本書のレビューが引っかかって思い切って原著を購入。2〜3ヶ月?かかってようやく読み終わりました。

本書から、大枠として

学び方を学んだ

と言っていいです。ただ、2つの目線で見て、「学生へのアドバイス」と「授業設計の改善」にとても役立つ本でした。今日は第1の目線について書きます。

目線1・学生目線:整えよ。流されるな。情報は自分から取りにいけ。

 まず、第1の目線としては、タイトルの通り「学生目線」です。基本的に、本書は、アメリカの「超」と言っていいインプット・アウトプット量の講義に「いかに効率よく勉強し、好成績を収めるか」という「技術」が書かれています。しかも、本書には「ガリ勉」が推奨する勉強法は除外されており、再現性が高い内容が多いです

 日本とアメリカでは、両方経験した者としては「講義の哲学が異なる」ので、本書の技術が100%日本の講義に役立つとは言えませんが、おそらく、70%くらいは間違いなく役立つでしょう。その内容を自分で要約すると、

整えよ。流されるな。情報は自分から取りにいけ。

という3つのキーワードです。

整える、というのは、要は「徹夜するな」と言っているような者です。「徹夜するほどギリギリまで課題をためておくな」「徹夜するほど遊ぶな」「徹夜するほど遊びたかったら、勉学への影響が極力小さくなるよう計画を立てろ」。さんざん「整える」重要性を学んできた自分にとっては、文句なしの第1位。まずは、心身を整え、優先順位を整え、タイムテーブルを整える、これっきゃありません。

次に、流されるな、というのは「(成績の良くない)他の人と同じような行動に流されるな」ということです。本書では、「みんながいるところで勉強する」「みんながやってるから徹夜する」ことは否定され、逆に「自分の秘密の場所を作る」「講義に関して意見交換できる友達(個人的な友達とはまた別に)を用意しておく」ことが推奨されています。本書に掲載されている技術は「一気に片付ける」よりはむしろ「コツコツ計画的に片付ける」という感じです。頻繁に宿題が課され、エッセイや論文が課題となる授業もあるため、計画性が最も重要なものの一つになります。「自分に合った計画を立てることが最重要」であって、これに他人が介入すると一気にスケジュールが頓挫してしまいます。とにかく流されずに自分の計画を実行する。これが大事です。その計画の立て方、実行の方法、先延ばしの回避法、こんな技術も多数載っていました。ほぼ、今まで読んだ本の内容と重なりますが、機会を見つけて書いてみてもいいかと思っています。

最後に、情報は自分から取りに行くことについてです。エッセイや論文が課題となる授業があることは書きましたが、これに対処する際に、特に必要になります。情報を撮りに行くには、それ以前に必要なことがあります。それは、「問題は何か」をしっかり理解すること、そして「その問題に対する自分なりの意見」です。正直な話、今の大学の学生さんに一番必要なのはこの二つと思います。自論ですが、大学の教育の実体としてこの能力向上を自己責任化していることが、日本の研究機関の研究能力の低下を招く根幹と思いました。
 本書には、課題に対し「図書館での調査の方法」「アウトラインを書く重要性」など非常に詳細が書かれています。これを参考にすれば、レポート作成などにとても役立つと感じました。

内容は抽象的でしたが、具体的な内容が盛りだくさんな本でした。比較的簡単な英語なので、英語が得意な学生さんには読んでもらいたい1冊です。

次回は、第2の目線について書きたいと思います。むしろこっちを強く意識させられました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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