【読書感想文・食品の裏側(安倍 司 著)】食品に対し「素朴な疑問」をもとう

Audibleで「食品の裏側」を聴きました。

本書は、元々添加物を開発販売していた筆者が、とあることがきっかけでその業界を去り、食品業界における添加物に対する情報公開の不十分さについて訴えている、非常に役に立つ内容が盛りだくさんのものでした。

本書をお奨めする人は、

自分で日々の食事を決定する人、他人の食事も管理している人

だと思います。自分は、それに該当するし、娘の肌荒れが最近ひどくなったこともあり、以前より、特にアレルギー性の高い成分や、加工食品についてアンテナが立っていたので、非常に役に立ちました。

本書で学んだことは、

「安さには裏がある」は本当
・添加物の知識より、「値段、色、日持ち」などに対する「素朴な疑問」
・メリットとデメリットを理解して添加物と付き合う

ということです。

まず「安さには裏がある」についてですが、これは本当なのだそうです。加工品のミートボールについての説明がありましたが、「本来廃棄されるような部分の肉を添加物を駆使して美味しく仕上げ、安く販売する。」という図式なのだそうです。確かに、今まで安いという理由で買っていたものについて、成分表示をみてもあまりわからなかったので買っていましたが、「なぜこの値段?」という問いかけさえあれば、中身を想像しやすいということなのだと思います。

食品添加物とは、要は、

・食品の見た目をよくする
・食品の保存性よくする
・食品の味をよくする
・料理を楽にする

ことに対し、お金と労力をかけずにできる魔法の薬、という認識でいいようです。そのリスクとして「健康に対する害の可能性」ということなのだと思います。

添加物を気にする場合、知識をつける以前に、とにかく、商品に対して「なぜ?」があるかどうか確かめるのがよい、というのが本書の主張と認識しています。

・カット野菜がなぜこんなに日持ちするのか?
・なぜこんな綺麗な色をしているのか?
・なぜ減塩なのに日持ちがいいのか?美味しいと思えるのか?
・なぜカロリーゼロなのに甘いのか?

こういうものにはほとんど添加物が関与しているそうです。

ここで、「許可された添加物が許可された量の範囲内で使用されている限りでは大丈夫なのでは?」という疑問があると思います。

筆者によれば、「添加物は、それ単独で摂取した時の毒性は動物実験で検証されているが、複数の添加物を一度に摂取した場合のことはほとんどわかっていない。」ということです。

本書によれば、コンビニのおにぎりだけで10種類程度の添加物が含まれており、日常で単独摂取に制限することは、現実的に不可能なのだそうです。

ですから、リスクを回避するためには、極力添加物を摂取しないようにするしかない、のだそうです。

ですが、現在、添加物を完全に摂らない食生活にすることは非現実的なほど、我々の食事は添加物のお世話になっています。ですので、本書では

なるべく添加物を摂取しない日を増やす

ということを推奨しています。

・出汁をとる(最近ではレンジで出汁をとる容器もあります)
・ドレッシングは自分で作る、もしくは塩とオリーブオイルだけ、とかにする

などで、徐々に添加物を遠ざけるのだそうです。

手間が増え時間がかかることは必然ですが、一つ一つ自分でできる手間を増やせていければいいと思いました。手始めに、上述の出汁については、レンジのものをやってみようと思います。

自分はおそらく時間の関係で、添加物のお世話になっていることが多いのではと思います。でもそれのおかげで時短ができたりしているのも事実です。それができるようになったことへの感謝をするとともに、それにどっぷり浸かるのではなく、自分で許容できる手間を徐々に増やしていけたら、と思う次第です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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