大人の約束は、努力の上に成り立つ。
「ごめん!その日、できなくなった!」
「いきなりで申し訳ないけど、急用ができて・・・」
「ごめん、また今度埋め合わせするから!」
大人になると、元々計画していた約束を急に断る人が増えてきます。
これが何度も続く場合、少しだけその人のことが嫌いになるし、「もう友達やめてもいいかな…」と思うときもあるし、本当に友達を辞めることになることもあるでしょう。
それぐらい、「約束を断られる」というのは、誰にとっても精神的ダメージが大きく、大人になればなるほど、できるだけ経験したくありません。
もちろん、子どものときだって、約束を破られたり、断られるのは嫌ですが、大人ほどダメージはない気がします。
なぜ、大人になればなるほど、断られるのが辛くなるのか。
大人の約束は、努力が必要だからです。
大人という生き物は、常に忙しい生き物です。
人それぞれ、いつ仕事が入るか分からないし、家事や手続きなども膨大にあるし、自分の勉強もしなくちゃいけないし、家族がいる人はそこに時間も使わなくちゃいけないでしょう。
つまり、約束を成立させるためには、日々、努力しなくちゃいけません。
約束に影響が出ないように、仕事を早く終わらせて、自分のやりたいことを後回しにして、他の予定が入りそうになるのを防いで、ようやく約束が成立します。
急に断るということは、相手の努力をすべてムダにすることになるので、それだけ精神的ダメージは大きくなります。
だからこそ、断る人は、断られる側の努力を想像するべきだと思います。
相手は、あなたとの約束を成立させるために、他の大事な予定を後回しにしたかもしれない。
相手は、あなたとの約束を成立させるために、いつもより早く起きて、仕事や家事を終わらせたかもしれない。
相手は、あなたとの約束を成立させるために、体調が悪くならないように気をつけて、ここまで過ごしてきたかもしれない。
自分が断る理由は、その努力をムダにさせてまで優先させるべきだろうか。
それを一度想像しても、断るべきだと判断したのなら、それはしょうがないと思います。
でも、しっかりと想像すれば、接し方が変わってくるでしょう。
自分から次に会う計画を立てたり、次会ったときは少し多めにお金を払ったり、その人の努力を労うことができるはずです。
こんなことを考えると、もう大人同士で約束をしたくないと思うかもしれませんが、そうやって社会性を失うと、僕らの人生の質は、どんどん下がっていきます。
気がついたら、別に会いたくもない人に時間を使うことになったり、恋人や家族、仕事にばかり依存していき、どんどん視野が狭まります。
恋人や家族、仕事に時間を使うのは、世間では美徳とされがちですが、僕は全くそう思いません。
特別な関係性でもなく、たくさん会うわけではない「友達」と話すからこそ、自分にはない視点をもらいやすいし、会社とは違った、楽しいだけの大人のコミュニケーションがあります。
努力した分の対価は、確実に得られると思います。
その貴重な機会を失わないように、約束は破らないようにしたいものです。
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