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カラスから生き方を学んだ話。

友人と食事をしていた時のことです。

「自分よりも小さい生き物で、ここにいたら、怖い生き物は何だと思う?」

と、僕が2人にききました。だいたい、動物の話と言えば、ウチのペットが可愛いとか、一番強い動物は何かという論争が多いですが、あまりにもやり尽くされています(笑)。なので、やり尽くされていない質問をしてみました。

その質問に対し、一人はゴキブリと答え、一人はヘビと答えました。そして僕は、カラスと答えました。それぞれの言い分です。

ゴキブリ:単純に見た目が気持ち悪い、鳥肌が立つ、いつの間にか姿を現していることが怖い。

ヘビ:牙が怖い、にょろにょろしていて気持ち悪い、毒殺されると思うとやってられない。

カラス:異常にデカい、全身真っ黒でくちばしが鋭い、うるさい上にゴミを漁って汚す。

まぁ、その時の言い分なので、大したものではありませんが、こんな感じの決めつけでその判断を下しました。

しかしながら、僕らが嫌う生き物でも、もちろん命があります。彼らがいきているだけなのに、こっちの都合で嫌うというのはあまりにもひどい話です。ということで、僕の怖がるカラスについて、「カラスの教科書」という本で知ることにしました。知ったうえで嫌いになるなら、カラスだって恨むことはないでしょう(笑)。

新宿や渋谷のカラスが、ごみ袋を漁る気持ち

カラスと言っても、いくつかの種類があるらしいです。日本で見られるのは主に2種類で、ハシブトガラスとハシボソガラスだそうです。一応、本ではなんとなくその違いを理解できるのですが、実際に判断するのは難しかったです(笑)。

そしてカラスは雑食性で、とにかく何でも食べるそうです。自然界では動物の死骸を喜んで食べる、スカベンジャーという類のようです。動物の死骸くちばしを突っ込んで、内臓などを取り出して食べるそうです。ゴミを漁るのはその本能からきています。

カラスからすれば、ごみ袋なんて旨そうな死骸がゴロゴロとあって、それを見つけるとテンションが上がってしまいます。そんなごみ袋があちらこちらにあるということは、カラスにとって東京はバイキングレストランです(笑)。

カラスの戦闘力

僕はカラスと目が合ってしまうと、「何かされるのかも・・・」と怖がってしまいますが、よく考えてみるとそんなことで怖れないでいいのです。だって、死骸ばかり狙ってるのですから。僕は生きているのですから(笑)。

それに、カラスの攻撃能力は高くないと言われています。くちばしの威力は強くなく、飛行能力もフツー。あからさまに勝てる相手でない限り、生きている生き物に立ち向かうことはないそうです。立ち向かうとすれば、雛を守るためぐらいということです。まぁ、こっちはカラスの雛を捕まえたくないので、襲われたら勘違いされたと認識していいのでしょう。

才能がないなら、どう生きていくか?―カラス的思想―

少し強そうに見えるカラスは、実はあまり攻撃の才能がないそうです。それでは、自然界で不利なような気もしますね。それでも生き延びているのがたくましくて、カッコイイです。

しかし、我々人間はどうでしょうか?すごく才能の有無を気にしていると思いません?才能があるとかないとかで、自分の人生の道筋を決めている、もしくは誰かに決められることが多いため、いろんなことを諦めてしまうことが多々あります。それは、諦めても生きていけるからなんでしょう。

一方カラスは、食べていけるかが全てなので、そこに諦めるという選択肢はありません。獲物を捕らえる能力は低いのに、長い間繁栄しているのは、その貪欲さゆえの知恵があるからなのでしょう。カラスはくるみを掴むと、高いところからくるみを落とし、殻を割ったりせんべいを濡らしたりして食べやすくする工夫をくわえるそうです。もしカラスが、こういうことをせずに諦めていると、カラスは食べていけないし、繁栄することもなかったでしょう。その目的のために自分の能力を受け入れ、知恵を絞った結果、都市でも森林でも大成功を収めています。それを考えると、カラスよりも知能が高い人間が、才能の有無だけで判断し、知恵を絞らずに目的を達成しないのはいかがなものでしょうか?

僕はカラスから大事なことを教わった気がします。生きるってこういうことなんだと、すごく勝手に解釈して(笑)。まぁ、だからといって、カラスを見かけた時には、彼らのためにエサをあげるなんていう、優しい対応はしないつもりです。むしろ、カラスのエサを奪って、カラスの知恵をさらに絞りだしたい。お互い、現状に甘んじず、知恵を絞っていこうじゃありませんか。

カラスの皆さん、今日もお疲れ様です。

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