文句を言う人は、本当に良くない人なのか?
「文句を言うこと」は、人を遠ざけてしまいます。
日頃から文句ばかり言っている人は、「なんか嫌だ」「怖い」「面倒くさい」と、周りから避けられがちです。
話し相手も、同じような不満を持っている場合は、愚痴を言いあって盛り上がることができますが、共感性が高くない事柄で熱心に文句を言っていると、その人に対して苦手意識を持つ人が多くなります。
だからこそ、あらゆる自己啓発本に、「人の悪口を言うのはやめましょう」「愚痴を言うと、自分も醜くなります」みたいな言葉が書かれているのかもしれません。
しかしながら、僕は、文句を言う人に対して、こうも思うのです。
「この人は、それだけ頑張っているんだな」
きっと、文句を言う人だって、文句が好きなわけではありません。
できれば、楽しいことを考えたいし、穏やかな気持ちで過ごしたいはずです。
嫌いな人のことを考えるのは、誰だってキツいし、気持ちいものではありません。
それでも文句ばかり言ってしまうのは、その人が頑張っているからです。
僕は、「頑張るもの」と「頑張らないもの」がハッキリと分かれています。
頑張ると決めたものに関しては、個人的な目標もあるので、それが阻害されると腹が立つし、理不尽なことをされると不平不満だって溜まります。
しかしながら、頑張らないと決めたもの(もしくは、自分が頑張らなくてもなんとかなるもの)に関しては、何の感情も動きません。
非道徳的な人がいても面倒くさいと思うだけで、愚痴を言うほどの気力もないし、その人の感情に寄り添う気もありません。
つまり、「文句を言うこと」は、情熱がないとできないことなのです。
仕事の文句を言えるのは、仕事に「希望」を抱いているからですし、人間関係に文句を言えるのは、人間関係に「理想」を抱いているからです。
文句ばかり言っている人は、誰かを不快にさせたいわけではなく、情熱を持つ仲間を探しているのかもしれません。
だから僕は、文句ばかり言っている人のことを嫌いになれません。
その人の一番話したい話題が、「情熱の話」というだけのことです。
たとえ自分が共感できなくても、人が熱量を込めて話せる話題はわずかなので、貴重な話と思って捉えればいいし、飽きたら別の話題に変えればいい。
もう少し、人は、他人の文句に寛容になってもいいんじゃないのかなと思います。
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