分かりにくいイジメとの闘い方

僕は基準に迷うことが多いのですが、今回は「いじめ」の基準について。

僕はいじめられたことがないと思っています。しかしながら、振り返ったらあれがいじめなのかもしれないなんて考えることがあります。そのレベルは軽いものだと思いますが、今回は分かりにくいイジメの実体験を通して、気づいたことを綴っていきます。

中学生の時、僕はある一人の人間から嫌われていました。小学生から仲良かったのですが、何かをきっかけに僕のことを嫌いになったそうです。嫌われた理由としては、自分では全く分かりませんし、誰かに聞いてもさっぱり分かりません。

そいつのとった行動は、とにかく僕の評価を下げることから始まります。僕に関する恋愛の噂を流したり、僕が何かすることに対して否定的な態度をとることに努めたり、周りに僕の悪口を言いふらします。

毎朝嫌いなヤツと学校に通学していた。

これが段々とエスカレートしていって、中学3年生の時には、毎朝一緒に学校に行くことを強いられます。これは気持ち悪いですよ(笑)。

僕は毎朝、近所の友達と学校に行っていたのですが、いつの日からかそいつとそいつの子分のようなヤツも一緒に行くことになって、5~6人で行くことになりました。みんな、僕とは仲良くありません。なぜそんなことをするのかというと、僕を徹底的にハブる(仲間はずれにする)ためです。

とにかく僕に話を振らない、僕を会話に入れないようにしながら通学路を歩きます。もともと一緒に学校に行っていた近所の友達は、そいつに捕まってしまい、僕の近くにいません。僕のネガティブな情報があれば、それを誰かに伝えている体で、間接的に僕に教えてくれます。「○○が稲本のこと○○って言ってたよ」「稲本って○○なんだろ?」など、この上ない嬉しそうな顔をしながら言っています。

中学校を卒業するまで、そんな嫌がらせが毎朝続きました。

よく考えたら、これを“いじめ”と呼ばずしてなんて呼べばいいか分かりません(笑)。しかし、いじめと捉えてしまうと、何かに負けたと思ってしまうので、僕は毎朝一緒に行くことにしました。僕は僕なりに戦います。

分かりにくいイジメとの戦い方

僕は毎朝、その中でも優しそうな人にターゲットを絞って強引に話しかけます。僕は悪口を言うわけでもなく、ただ単純に聞いていて気持ちのいいことを話します。誰か1人を仲間外れにする会話よりも、圧倒的に楽しい会話を心がけました。僕のターゲットになってしまった人は、僕に心を許し、だんだんと仲良くなっていきました。

しかし、ある日を境に来なくなり、その人は脱落してしまいました(笑)。僕と仲良くなってしまったからです。僕をハブるという目的を果たせないのなら、その人は必要ないのです。

その人がいなくなってから、僕は当時聴いていたラジオ番組に送るメールの下書きを朝にやっていました。歩きながら笑ってもらえるメールを打っていたので、そいつが聞かせたい話は基本的には入ってきません。この時間すらも有意義に使った方が、僕にとっては得です。

イジメって、本当に誰も助けてくれない

ちょっとしたいじめ体験を通して痛感したのは、本当に誰も助けてくれないことです。僕のされたイジメは分かりにくいこともあり、助ける必然性も薄く認識されます。当然、他の友達に助けを求めたこともありますが、それでもみんなは自分が可愛くて自分が愛おしいです。自分が犠牲になることはしないです。なんだったら、「関わりたくない!」とか結構冷たいことを言われてしまいます(笑)。

いじめの基準は、誰かが自分を意図的に不快にさせることが連続することだと僕は思いました。精神的、肉体的、性的を問いません。回避するためにできることは自分で対策をすることです。大人に言って、環境を変えてもらうこともいいでしょうし、自ら戦ってもいいと思います。僕はいじめられている時間を有意義に使いましたが、いじめられていなければ、もっと有意義な時間の使い方ができたでしょう(笑)。

自分が悪くなくても、第一歩を踏み出さないといけないのは自分。

とにかく、自分が第一歩を踏み出さなければ、いじめはなくならないと思います。周りの人を責めたい気持ちはありますが、いじめて生きる喜びを見出してる人は多すぎるので、そいつらを強制的に消すのは難しいです。

軽かろうが重かろうが、あちらこちらでいじめは発生していると思います。いじめを回避したいがために、その勇気を振り絞っても、ダメなこともあるでしょう。そんな環境ごと、捨ててしまうのも一つの手だと思います。生きている環境なんて、知らないだけでいくらでもあります。

いじめている方も、いじめられている方も、すごく無駄な時間を過ごしている。その事実だけは確かなので、その時間をなくすためにできることを全部する、それが僕の考えです。

イジメは、誰かを下げることでしか自尊心を補えない人間が、どうしてもしてしまう営みだと思います。それに協力して耐えることはありませんし、そいつとの距離をとっても負けたことにはなりません。

本当、イジメってめんどいですね。

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