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恋は育むものじゃなくて、そこにあるもの

時期的な意味合いも含め、U-NEXTで15年前の月9ドラマ「ラストクリスマス」を観ているのですが、そこで矢田亜希子さんがこんな言葉を言います。

「恋は育むものじゃなくて、そこにあるもの」

僕は育んで生まれるのが、恋だと思っていました。最近流行っている恋愛リアリティショーなんてその骨頂で、会話を積み重ねて、ゆっくりと恋に落ちています。でも、「ラストクリスマス」では、“恋はそこにあるもの“なので、誰とでもできるものでもなく、ゆっくりで始まるものでもない。見つけてしまえば、唐突に始まるということになります。

恋の本当の姿を知りたい僕は、たまたま店に居合わせた女性に、恋に至るまでの過程を聞いてみました。

その女性は、同窓会に出席した時に昔馴染みの男性と仲良く喋り、酔った勢いで男性に抱きしめられ、そこから恋が生まれたそうです。それはすごく唐突な恋愛です。その人との間には恋があったのでしょう。

その女性は、他の恋のことも話してくれました。

終電ギリギリまで飲み明かして、深夜の遅い時間に家に帰るとき、男性に「気をつけて帰ってね」と言われたそうです。彼女はその言葉にキュンとして、また恋が始まってしまったそうです。

確かに、“恋はそこにあるもの”なんでしょう。たった一瞬です。その女性は、まだまだ話してくれます。

彼女は、仲良くしている男性に新宿御苑に誘われたそうです。それだけでまたキュンとしたそうです。その理由について、こう語っていました。

「水と草しかない場所に誘われたら、それは、デートじゃん!」

もうここまで来たら、彼女にとっては、“恋はそこにあるもの”ではなくて、“恋はどこにでもあるもの”なんでしょう(笑)。

さらに、彼女は最近、店に居合わせた中年男性2人に食事に誘われ、それに行く予定だと話していました。恋の可能性については、「ないないないない!おっさんだもん。20時で帰るって言ってるから!」とは言ってしますが、また何かしら始まってしまいそうな予感がします(笑)。

一応僕は、テキトーにお持ち帰りされないかが心配だと思い、心配してることを彼女に伝えました。彼女はそんな僕に、真剣な表情でこう返します。

「やさしくしたら、はじまるよ?」

つまり、僕のその一言で、僕に対する恋が始まってしまうと言うのです。油断も隙もありません(笑)。彼女に言われた瞬間は驚きましたが、恋というのはそういうものかもしれません。僕は彼女の気持ちも考えて、安易にやさしい発言をするのは気を付けると伝えました。すると、彼女はこう返します。

「えっ、いやぁ、でも…。ないから。安心して、本当にないから」

いや、なんで俺はフラれてるんだよ…。笑
つまり、恋はどこにでもあるように見えても、僕との間にはないことをしっかり伝えたいと思ったのでしょう。

やっぱり、“恋はそこにあるもの”なんです。あくまで、その人との間になければ、始まることはできないのです。恋というのは、残酷ですね。

逆に言えば、恋を見つけると世界は煌めきだします。どこにでもあるものではありませんが、どこかにはあるのでしょう。自分を塞ぎこまずに、恋を見つけたいと思った、そんなクリスマスでした。


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