何も取り柄がないなら、「しつこさ」からはじめる。
しつこい。
この言葉を聞くと、なんとなく悪いイメージを持つ人が多いでしょう。
何度も同じことを言ってくる、何度も同じことをしてくるなど、そういう厄介なことをしてくる人に使われる言葉です。
周りから見ると、若干迷惑なしつこさですが、僕はものすごく価値があるものだと思っています。
僕は、小学生の頃からサッカーをやっていたのですが、僕が求められたプレーはしつこさでした。
周りのチームメイトは、チームで一番の能力を誰もが持っていました。
ドリブルがうまい、シュートがうまい、足が速い、ディフェンスがうまい、パスがうまい・・・。
一方の僕は、チームで一番優れている能力がなく、レギュラーメンバーの中では存在意義が薄かった人間でした。
そんな中、監督に提案されたのは、しつこく走ることでした。
相手のディフェンスが4人でボールを回していても、1人で本気で取りに行く。
間に合わなさそうなパスでも、とにかく全力で走る。
味方がシュートをしたら、ダッシュでこぼれ球を狙いに行く。
正直、「走って無駄だったなぁー」と思うことの方が多いし、ほとんどは何も実りません。
カッコ良くないし、誰もやりたがらないし、体力も消耗していきます。
ただ、これを続けることで、1点を獲れる機会がものすごく増えました。
相手に強いプレッシャーをかけることができて、相手は満足のいくプレーができなくなります。
そういった少しの綻びから全体が崩れやすくなるし、時々、自分がボールを奪ったり、こぼれ球を決めたりすることもできる。
自分が結果に絡むことで、僕は自分の存在意義を確認できたし、自分のやり方に自信を持てるようになりました。
最初は、なんでも走り切るなんて簡単にできると思っていましたが、実際にやってみると簡単じゃありませんでした。
走り続ける体力、走り切るメンタル、相手にプレッシャーをかけられる足の速さ、相手からボールを奪うディフェンス力、アプローチ方法を変える発想力など、やってみると結構必要な能力が多い。
やればやるほどその大変さを実感し、しつこいのも簡単じゃないと気づきました。
今となっても、そのしつこさは自分の中に生きています。
ただ、周りに迷惑がられるのが怖かったり、自分が疲れるのが嫌だったり、カッコ悪いのに耐えられなくなると思って、しつこさを我慢したりします。
でも、僕みたいに何かしらの能力が優れているわけじゃない人間は、しつこさからはじめるのも一つの手です。
自信の有無や、結果とか、周りの反応とか、そんなのは一切関係ない。
まず、とにかく走り切ってみる。
そうしていくうちに、必要な能力も自ずと見えてくるし、体力もメンタルも鍛えられて、結果に結びつくと思います。
とにかく話しかける、とにかく提案しまくる、とにかく書き続ける、とにかく作り続けるなど、それぞれのフィールドによって、しつこさの種類は変わります。
しつこさの良いところは、自分1人でできることです。
小さい範囲でもしつこくなれば、世界は大きく変わっていきます。
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