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高野山の水銀(丹・辰砂)伝説について

『高野山には朱の塗料や金メッキに使う重要な金属「水銀」の元が埋まっていたから、当時空海が高野山を欲した説』を地域の方は聞いたことあると思います。

先日も記事を書いた「土染め」をしている私も、そんなストーリーを活かした色が出せればいいなと思って、関係機関にきちんと許可を得て高野山の表層とそれより深い部分の土サンプルをもらってきて染めてみました。

が、現れた色は全く朱に関係なさそうな色でした。

・地学の専門家に確認しましたが、今のところ高野山に水銀の鉱脈は見つかってない。そして土の採集サンプルも見て頂きましたが、辰砂は含まれていないとのこと。
(土染色にあたり、高野山には水銀鉱脈があるという文献を私も確認したけれど、地質の専門家が書いていないし、土壌分析していないし、丹生伝説ありきで存在を肯定していた)
・当時の採掘は露天掘りだと思うので、目に見える部分にそんな濃度の高い水銀鉱脈があったら、標高800mの盆地になっていて周辺の峰々からの水で生活している住民が水銀に汚染された湧き水をずっと飲んでいることになるが、そんな水銀中毒の記録はない(これは私の推測)

ということで、もしかしたら地下深くか離れた場所に水銀鉱脈はあったかもしれませんが、高野山山上では水銀鉱脈は無さそうです。

高野山の土できれいな朱が表現できれば、街並みの景観ともマッチするので地域おこしに何か使えるかと思ったのですが残念・・・。

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