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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.092 読書 宮部みゆき「きたきた捕物帖」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は読書 宮部みゆきさんの「きたきた捕物帖」についてです。

大好きな宮部みゆきさんの時代ものの新しいシリーズ。

「三島屋変調百物語」シリーズ、「ぼんくら」シリーズ、「お初」シリーズときて
このシリーズ。

今までのシリーズと違い、主人公がまだ少年なので、全体的に見守るような優しい雰囲気があって読んでいて和みます。

そして宮部さんの時代物は怪談が多かったですが、捕物帖なので現実的に事件を解決していく地に足のついた江戸ものです。

この第一巻は4つのお話で、キャラクター紹介の体をなしています。

主人公は人格者で岡っ引きの親分、その一番下の子分の北一。まだ16歳と若く少年でちょっと頼りない感じ。けどとても優しい少年。

北一のまわりには、千里眼の鋭く盲目の親分のおかみさんの松葉さん、謎の素性でめっぽう強い釜炊きの少年喜多次、年の功の差配人富勘さん、御用人の青海さん
が彼を優しく見守りいろいろと手助けしてくれる。

主人公の優しい北一と釜炊きの強い喜多次で「きたきた」コンビ。

まだ、本当の岡っ引きではないですが、今後どう成長していくか楽しみです。

早く第二弾読みたいです。



物語は、人格者で岡っ引きの親分、その一番下っぱの子分北一が主人公。

ある日その親分がフグに当たって死んでしまった。

親分の本業は文庫売り(文庫はいろいろなものを仕舞う箱)。

店は兄貴分の子分が継ぎ、北一はその文庫を江戸の街に出て売るのが仕事。

北一はまだ少年で文庫売りで岡っ引きでもないが、

いろいろな事件をおかみさんや喜多次の力を借りながら謎を解いていく。



もう宮部さんの描くキャラクターが素晴らしい。

特に盲目の親分のおかみさんの松葉さんがかっこいい!

千里眼でまさに知恵袋というか司令塔。

北一をいろいろと手助けしてくれる。

そしてもう一人のきたさん。謎の釜炊きの少年喜多次。

素性が謎で、当身で人を倒したり、まるで忍者のよう。

もうこの二人がいるだけで最強ですね。

そして主人公が頼りない少年だけど、純朴で根が優しいところが、周りの人に愛され手助けしたくなるのでしょうね。



印象に残るところは、ある生まれ変わりだという事件が起こり大騒動になるところで、

どんなにありえないとわかっていても愛している人がいたら信じてしまうのが人間だと。

例えも変ですが、死んだ自分の愛犬そっくりで名前を呼んだら近寄ってきたら、多分涙を流して生まれ変わりだと信じてしまうでしょうね。

そういう人の弱さに漬け込むのはダメですが、それでも人は愛したものを信じたいのでしょう。



まだ始まったばかり、少年の成長物語が楽しみです。

今日はここまで。



「もしも万に一つ、千吉親分の生まれ変わりだという男が現れて、あたしがどれだけ試しても返答を間違えることなく、かつて親分がそうしてくれたようにあたしに心を尽くしてくれたなら、あたしもその男を信じてしまうかもしれない」
そのくらい人は弱いのさーーーと、おかみさんは言った。
/P.394「きたきた捕物帖」









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