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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.175 映画 山田洋次 「男はつらいよ 翔んでる寅次郎」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は映画 山田洋次の 「男はつらいよ 翔んでる寅次郎」(1979/日)についてです。

自分が観たシリーズ作品は34本目、全部で50作なので3分の2ぐらい。だいぶこのシリーズの楽しみ方がわかってきました。

男はつらいよシリーズは第23作目。シリーズの真ん中辺り。寅さんや他のキャラも油が乗っています!

今回のマドンナは癖のある女優の桃井かおりさん。若くて可愛いですが役柄が結婚式から逃げ出すほどかなり”ぶっ跳んでいます”w

ここまで変わったマドンナだとちょっと作品自体も収まりが悪くなりますが、奥の手というか、物語の中に寅さんもみんなも参加する結婚式が出てくるんです。
このお陰ですごく良い感じになりました。

まるでこのシリーズ1作目のさくらの結婚式のように。



物語は、北海道を旅している寅さん。途中で旅館の若旦那に言い寄られていた女性(桃井かおり)を助けて、その代わりにタダでその旅館に泊まらせてもらう。

旅館で深刻そうなその女性の話を聞くと、マリッジブルーで悩んでいて、一人旅をしていた。

何かあれば柴又に自分の家族がいるからいつでもおいでと言う。

ある日、その女性の結婚式当日、ホテルからウェディングドレスのまま逃げ出し、
柴又のとらやに駆け込む。

ちょうど帰ってきた寅さん、その女性のお金持ちの母親が来て説得するが帰ろうとしない。

渋々とらやで居候することに。

結婚式当日に逃げられた相手の男性(布施明)がとらやに来たが女性はごめんねだけ言って二階へ上がってしまう。

そんな寅さんはその男性と飲み、励ます。

再びとらやに現れた男性はお金持ちの親の会社を辞め、自動車整備工場で働いて自立していると伝えるが、もう来ないでと女性の気持ちは揺れ動く。

その田園調布に住んでいる女性も自立して英会話の先生になろうとする。

2人はお互いに自立して、新しい生活で進歩し、再び恋愛するようになる。

その女性のために指輪を買ってきた寅さんに、また結婚すると伝える女性。

2人の仲人を頼む、逃げ出そうとする寅さんだがさくらに説得され、

柴又でこじんまりとした場所で、とらやの皆と寅さんが祝って素晴らしい結婚式となる。



最後の結婚式でじ〜んときてしまいました。

仲人に慣れない寅さんがガチガチに緊張しているのも微笑ましい。

今の時代、結婚式や葬式など、”儀式”がどんどん簡略化されていきますが、

やはり良いものですね。

特にそう言う場で語るスピーチが、心に沁みます。

寅さんが緊張してスピーチの紙をなくし、話したのはウンの話。

会場大爆笑になるが、その後の桃井かおりのセリフ

「私は今、邦男さんの幸せについて考えています。この前の結婚式の時は    もう自分のことしか考えてなかったんです。つまりなんていうかな、人のことを一生懸命考えるっていうか、相手の幸せをほんとうに心から願うっていうか、そういう態度が私には一番欠けてたのね、そのことを教えてくれたのはここにいる寅さんです。いただいたこのネックレスと一緒に私寅さんのこと一生忘れない。ありがとう寅さん。」

相手の幸せを心から願う。これが男はつらいよのテーマであり、男寅さんの本当の愛情。

不器用だけど最高の男。

まるで結婚式に同席しているように、感動しました。

この後の布施明さんのスピーチでなく花嫁に歌を捧げるのも素晴らしかったです。



そう言えば、写真家の助手をしていた時、桃井かおりさんの撮影があったんです。
撮影前に和室で座り、露出計で明るさを測りテスト撮影をしていたら、
いきなり自分の背中に桃井さんが乗ってきて、一緒に撮ろうと言ってきたのは忘れられませんw その時もとっても天真爛漫で、大好きになりました。

今日はここまで。




「ふられた後で気がつくんじゃないか、
 『やっぱり恋をしていたんだと…』」
/博 「男はつらいよ 翔んでる寅次郎」より

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