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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.142 映画 リチャード・ラグラヴェネーズ「フリーダム・ライターズ 」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は映画 リチャード・ラグラヴェネーズの「フリーダム・ライターズ 」 (2007/米=独)についてです。

アメリカの熱い教育モノ、主演はヒラリー・スワンク。

ヒラリー・スワンクはとっても好きな女優さん。美貌で売っている女優さんではなく、熱い魂を持っているような力強い存在感。

イーストウッドの「ミリオンダラー・ベイビー」はとても印象的でした。

彼女は出演する今作だからこそ観ようと思いました。

今回もスワンクから発する強さが実在する熱血先生と重なり、生徒たちやこの映画を見る観客の魂を震わす。

アメリカの崩壊した地域での人種間の争いがここまで激しいとはちょっと驚き。

ホロコーストを知っている生徒は少数で、銃を向けられたことがある人はほとんど。

日本の様に平和で人種争いのない学園ものとは、全く様相が違う。

そんなギャングの抗争の様な毎日の学校で、ヒラリースワンク演じる新人教師は
生徒たちを立ち直せれるか。



物語は、90年代ロサンゼルス、ロス暴動から数年経った頃。

人種差別撤廃という取り決めのもと、人種に平等な教育を与えることになり、

昔優秀だった公立高校は、全ての人種が入学でき、その地域の低所得からくる貧困と暴力のために荒れ放題になってしまった。

そこへ赴任してきた教育に情熱に燃やす新人女性国語教師。

生徒たちは人種同士で歪み合い、全く授業を受ける気もない。

主人公の先生は、努力と工夫しながら、生徒たちが興味を引くようにラップを授業に取り入れたりする。

ある日ラテンアメリカ人が黒人を馬鹿にした絵を描いた紙を回し読みして笑っているのを見つける。

こういう人種差別が、第二次世界大戦の頃ユダヤ人の迫害につながり、ホロコーストを産んだと説明するが、誰も知らない。

先生は学校に「アンネの日記」を教材にしたいと言っても予算もないし無駄なことだと拒否される。

そこで先生はなんでも良いから日記を書くように生徒たちに一冊づつノートを配る。

最初は馬鹿にしていた生徒たちだが、次第に自分たちのことを書く様になる。

先生は、その日記から生徒たちの環境の厳しさを知る様になる。

貧困や人種差別からくる窃盗、暴力、麻薬、殺人、など。

先生は自費で「アンネの日記」を買い与え、そのアンネを支えていた老婦人を学校に招待することに。

生徒と先生の絆は次第に強くなるが、学校側は非情にも先生を来年そのクラスの授業を受けもてないことを決める。

生徒たちの理解のない上級生担当の先生が授業することに。

先生と生徒たちは離れ離れになってしまうのでしょうか?



実話に基づいたお話ですが、ストーリはとても面白く、飽きさせません。

単なる成功談ではなく、先生は生徒に情熱を注ぐあまり、旦那さんとうまくいかなくなります。

そして型破りなので、学校や上司の先生からも、煙たがれます。

そして日本の不良とかのレベルではなく、本当にギャング並みに、生徒が銃撃され死んでしまいます。

”書かせること”で自分達のことや他者のことを考えさせ、夢を言葉にすること、そして学ぶことの大切さを知ってもらう。

日本の暗記主体の受験勉強とは違う学び。

なんでも良いから書く、言葉にする。言葉にすることによって夢や悩みは浮き彫りになり、それが現実化していく。

今日はここまで。




それは違うわ。私はヒーローじゃない。やるべきことをやっただけよ。正しいことだから。それだけ。私たちはみんな普通の人間。会社の秘書でも家庭の主婦でも10代の若者でも、それなりのささやかな力で希望の光をともせるの。暗い世界に」
/アンネフランクをかくまった婦人「フリーダム・ライターズ 」より
















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