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終わりは始まりでもある

2021年2月28日(日)新宿ファッションの象徴、「バーニーズニューヨーク新宿店」が30年の歴史に幕を閉じた。

仕事が変わりスーツを着なくなってしまったこと、そして当時の担当の方の部署移動なども重なり、長い間、足が遠のいていたのだが、やはり最終日ということで足を運んだ。そして奇跡的に当時(18年前)の担当さんとも再会することができ、思い出話や最後のお買い物をさせていただき、記念撮影までしてしまった。

私が今、回想記を書かせてもらっている営業職時代は、給料日に仕事終わりは「バーニーズニューヨーク新宿店」へ直行していた。そこでスーツ、シャツ、ネクタイ、革靴などなど一つ一つ揃えていきました。日本のセレクトショップの中でもかなり上位店だったこともありアイテム自体は安いものではなかったが、良いものというのは一度袖を通すと戻れないものです。20代後半でイタリアのインポート、靴はイギリス製の本格的なものなどを購入し、毎日スーツもネクタイも靴も違うもので出勤していました。

当時、こうした良い服を着るというのは洋服好きということは勿論のこと、

ここまで良い服を着ているのに売上が悪い営業マンではカッコ悪い

こうした自己暗示というか自分なりのプレッシャーのかけ方をしていました。ブランドものではなく仕立て自体が良い服というのは清潔感と共に仕事ができる人ということを装うこともできます。お客様は年上の方も多かったので、しっかり仕事が出来る人間というのを洋服で表現していました。給与は殆ど洋服に変わりましたが、結果的にそれでどんどん売上自体も上がっていったので良かったのかなと。

※勿論担当さんとの楽しいおしゃべりタイムも重要でしたけどね(笑)

今日の昔話でも出ましたが、当時は「クールビズ」という概念もなく夏でもしっかりネクタイを締めてジャケットを着ていました。現在はファストファッションの台頭もあり仕事着でお洒落をするという文化は停滞してしまったことは否定できません。

それでも人前に出て仕事をする人は少し無理をしてでも良い洋服を着て欲しいと個人的には考えています。そしてちゃんとした接客を受けることで普段経験できないことや知らないことを学ぶことが出来、今日、私が実際にあったように20年近く経っても当時の担当の方と会うことが出来たというのは凄いことだと思っています。今でも手元に残してあるアイテムは勿論、当時購入したものは全て覚えています。それだけ充実した時間だったのでしょう。

大袈裟ではなく「バーニーズニューヨーク新宿店」の存在がなければ私の営業成績はここまで上がらなかったかも知れません。個人的には仕事を頑張る上でモチベーションというのは何でも良いと思っています。仕事内容に価値を見出すことだけではなく仕事をした結果に(お給料)価値を求めれば辛いことも少しは我慢出来るのではないでしょうか。それが私の場合は洋服だったのです。

「バーニーズニューヨーク新宿店」だけでなく、この2月末で終わってしまったお店は残念ながら多いかも知れません。それでも我々はまだ生きていくのです。終わってしまったから新しいものを探す。そしてまた歴史を作っていく。今日はそんなことを実感することができた一日でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

最後に「バーニーズニューヨーク」は日本ではこれからも銀座、六本木、横浜、神戸、福岡の店舗展開がありますので、是非一度足を運んでみてください。






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