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オンライン授業 学校のは始まらないので自分で探して受講してみた11歳の話

・学校との距離感
・休校のチャンスを生かす
・オンライン講座を受講してみる - 第1週目 -  
・オンライン講座を受講してみる - 第2週目 -
・オンライン講座を受講してみる - 第3週目 -
・オンライン講座を途中解約するにあたって 
・ホームスクールで継続する
・まとめ

学校との距離感

学校ありき、学校中心の時間の使い方に違和感を抱き、日本ではホームスクーリングをしていた我が家。それでもカナダ移住以降娘達が現地の学校へ編入したのは、子供達が異国での生活を始めるに辺り、文化的文脈を理解しカナダ社会へ順応する経験を積む場として、学校は最適な環境だと判断したからです。
「子供達を学校へ入れれば、教育は丸投げできる」という期待など持っていなかったし、「学校=学習環境の一つの選択肢」と認識して育っている子供達も、「学校から言われたことさえやっておけば大丈夫」という感覚は全く持っていません。学校生活から学べることがあればしっかり最大限吸収する、(すでに学習済みで)自分にとって不要なこともあれば、学校で習うことだけでは不足もある、母子共にそのくらいの客観性と冷静さは常に持ち、学校と付き合ってきました。

休校のチャンスを生かす

学校側は現在、オンライン授業の準備を進めて下さっているようですが、それを指を咥えて待つほど受け身な我が家ではありません。そこで「学校がないチャンスを利用して、トライしてみたいこと大募集!」と子供達に告知しました。
まず名乗りを上げたのが11歳次女、「Doodling(ドゥードゥルアート)のテクニックを知りたい!」とのこと。↓のように色々なタイプのドゥードゥルを自己流で描く子ですが、もっと精度や一貫性を高め、上手くなりたいのだと言います。

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営業妨害になるので具体名は伏せますが、教えられる技術を持った大人と、学びたい子供(5-17歳)を結びつけるマーケットプレイスを提供する米国発の某サイト上に見つけた、有料「ドゥードゥルアート講座」を受講してみることに。

オンライン講座を受講してみる - 第1週目 - 

次女が申し込んだのは10−14歳を対象とした、アメリカ中西部在住の中年女性が講師を務める45分間の8回Zoomレッスン。初回レッスンにはアメリカ人の子供5〜6人が様々な都市から参加しており、他にはフランス、スコットランド、そしてカナダからはバンクーバーとトロント、計10人ほどのメンバーでした。

全員が自己紹介を済ませると、「では音楽に身を任せ、自由に描いてみましょう!」と、かなりのボリュームでスピリチュアル系の音楽が流れてきます。カントリー調のご自宅でその音楽に酔いしれるムードを出しつつ、子供達をZoom越しに見守る先生。

そして3分ほどで一曲が終わると、「では皆さん、作品を見せて下さい。見せたくない人は見せなくてもいいですよ。」とのこと。自己主張してなんぼの北米人キッズ達は、積極的に即席の文字通りの落書きを自信ありげに見せ始めます。それらをアメリカ人の先生が "Amazing!", "Fanstastic!", "Incredible!"と、ありきたりの美辞麗句でひたすら賛美するという時間が流れます。
完璧主義者の娘は典型的な「見せたくない人」。描き始めて数分の超未完成段階で、人に見られたり評価されたりするのが嫌な気質です。Zoomをミュートにし、貝のようになりを潜め、その北米ノリのやり取りをただ眺めています。

このくだりが3回ほど繰り返されたところで初回レッスン終了。何か描くもののテーマがあるわけでも、技術的な指導や説明、作品への具体的なアドバイスがあるわけでも、次週に向けた課題が出されるわけでもないまま終わってしまいました。「何も習えなかった」と全く納得の行っていない次女。「初回だからまだ様子見なのかもしれないよ」と宥め、来週のレッスンに期待します。

オンライン講座を受講してみる - 第2週目 - 

そして迎えた2週目。初回との違いを本人に確認してみると、
・数人メンバーが減っていた
・曲のテイストがCheesy(安っぽい)になっていた
・先生の服が変わった
それ以外は全く同じ展開で45分が過ぎて行ったとのこと。

オンライン講座を受講してみる - 第3週目 - 

あれだけ張り切っているように見えたアメリカ人キッズ達、3週目にしてまさかの全滅。娘を入れた外国勢だけの4人にまで減っていました。画面から完全に切れている手元は一応動かしている様子の子供達ですが、かしましく喋るバンクーバー女児以外の3人はほぼ無反応、フリーズ状態。そして「このクラス辞めたい。」とついに次女から解約希望を申し出られました。

オンライン講座を途中解約するにあたって

辞めることはすぐにできるけれど、辞める前にどうすれば継続価値のあるレッスンになり得たのか、一緒に考えてみることにしました。

ゴールの明確化:ドゥードゥルという美術用語の説明を初回できちっとし、具体的に作品例などを見せ、何を目指すクラスなのかの共通認識が欲しかった。
現実的な時間配分:クロッキー講座ではないので、普通の画用紙に3分で「作品」を描かせることに無理がある。紙のサイズを非常に小さく指定する、事前に課題を出しておくなど、何か工夫をすべきではないか。
評価のタイミング:下書きを褒め称えそれっきりにするのではなく、それらを各自で仕上げておくよう指導し、翌週のレッスンで評価や建設的なコメントをすべきではないか。

次に、先生にこうした提案を含む相談をし、レッスンのカイゼンを期待してもう一週受講してみるか、それとも何も言わずにすぐ途中解約するか、本人の意思を問いました。「これは先生のビジネス。生徒がどんどんいなくなることで、先生が自分で気づかないと。」と手厳しい意見の11歳。それを尊重し、何も言わずに解約しました。

ホームスクールで継続する

そして手元に残ったいくつかもの描きかけ。すでに折りたたんで捨てようとしています。紙がもったない、せめてこれらを仕上げようと働きかけるも、いまいちやる気を見せません。良かれと思って受講したレッスンにより、逆にモチベが下がり始めている気配。そこで「解約祝いに一緒に描こう!」と誘ってみました。

次女がレッスン中に引いた下書きの線+母がドゥードゥル【ママ作】
母が引いた線+次女がドゥードゥル【次女作】
その交換条件のもと、肩を並べて一緒にドゥードゥリング開始。嫌がるので音楽はかけません。

線が等間隔に引けない、図柄がすぐに浮かばない、間違えちゃった、はみ出ちゃったetc. 親が相手だと小言止まらず。ミュートにはなってくれません。「ブツブツ言ってないで盗める技はどんどん盗め。」「間違えたと思ったら、それを意図した図柄だったかのように見せる工夫をせよ。」「全部やり直したくなるくらい間違えた時のリカバリーは手伝う。」「ミスが続いて心が折れそうになっても、描き始めた作品は途中で匙を投げず最後まで描き切ろう。」励ますしサポートもするけれど、アメリカ人先生のように闇雲には褒めない母。目をショボショボさせながらも手を休めないグリット(やり抜く力)な姿勢を見せ、そのペースに巻き込みます。

長引くロックダウンでイライラ気味の11歳児との共同作業、楽ではありませんでしたが、とりあえず二人とも仕上げました !

【ママ作】

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【次女作】

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まとめ

玉石混交のオンライン講座、十人十色の子供達。完璧な学習環境などどこにもありません。巷のリソースに過度の期待をするのでなく、良い部分は利用、違うと思えば補足や方向転換する前提で取り組んでいます。そして私が重要だと思っているのは以下の点です。

始める、辞める思いきり。(無料講座も多くあり。解約規約は事前確認)
・申し込んでしまったからと惰性で続けるのではなく、自分にとって有意義なのかを意識し、洞察する批判的思考。
・必要であれば方向転換する柔軟性。
・受講の成功、失敗体験からでも何かを学ぼうとする貪欲さ。
受講完了時のアウトプット。
・「意味がない」と批判して終わりでなく、当初やりたかったことを遂行する「意味ある」プランBを考え、実行するグリット。

これに懲りず、また興味深いオンライン講座があれば挑戦してみたいと思っています。


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