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全国のダイバーシティ担当に伝えたい!女性管理職100人にインタビューしてわかったこと(Vol.6)

前回の記事で、インタビュー結果から現在管理職として活躍している女性の過半数が元々の管理職意向が低かったというデータをお伝えしました。

https://note.com/inada_akie/n/na9fe80fe99e1

今回はそんな女性たちが管理職になった経緯についてみていきたいと思います。


「管理職になりたくない」女性の背中を押したのは?


「管理職を意識するようになったきっかけ」という質問に対して、一番多かった回答は
「上司からの推薦」となりました。
仕事に対する高い評価から管理職として推薦してくれた、というシンプルなものから、管理職のポジションを打診され、自信がなく断ろうとしたら「最初から100点の人間なんていない。やりながら成長しなさい。」と
背中を押してくれた、というような方もいました。
また、経緯としては上司の推薦であるものの、推薦理由が説明されず「いまだになぜ自分が管理職になれたのか分からない」と不安をのぞかせる方もいました。
会社という組織形態上、管理職登用は上司を通じてコミュニケーションがなされるという当たり前の結果である一方、上司の背中の押し方によって管理職のポジションに前向きに挑戦する女性と、そうでない方に分かれるという
上司の影響力の大きさが浮き彫りとなる結果になりました。

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管理職を増やすには女性をバッターボックスに立たせること


管理職登用の経緯として多かったのはプレ管理職経験を踏まえて、正式に役職を任命されたケースです。
部や課よりもさらに小さい組織、チーム単位をリーダーとして率いる経験を通じて管理職として必要な役割の理解や、人材育成の楽しさを学び、管理職を目指すようになったという方も多数いらっしゃいました。
企業側からよく聞かれる声として「管理職にふさわしい能力の女性がいない」ことが挙げられますが、その前段としてどれだけ女性社員に責任ある業務の機会を与えられるかが重要だと気づかされました。
課長、部長といった正式な役職には管掌組織という箱が必要なため、ポジションに限りがありますが、リーダー業務であればそういった組織上の制約がないため、柔軟な運用も可能です。
該当者がいない、と嘆く前に女性社員をどれだけバッターボックスに立たせられるかが管理職育成のための最初の一歩ではないでしょうか。

会社に存在する「暗黙ルール」を知らない女性社員


管理職登用前後のエピソードを伺うと、周囲に多様なリーダーがいるかどうかが大きな影響を与えていることが分かりました。
例えば、
・営業組織ということもあり、声の大きい、オレについてこい型のリーダーシップではないと管理職として通用しないという思い込みがあり尻込みをしていた。
上司から、「メンバー一人一人をしっかり見る、あなたの良さを生かしたマネジメントをしてほしい」と言われてそれならやってみようと思った。
・それまで男性管理職しかいなかった職場に女性管理職が入社し、
新たなマネジメントスタイルを見て私にもできるかもと思った。
というような意見がありました。

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また、管理職登用の人事制度が整っていない会社も多数あり、
登用試験はあったとしても、
・同期が昇進していく中、なかなかチャンスがもらえないので上司に聞いたところ、事前に管理職になりたいと役員にアピールしないと登用試験にエントリーもされない、お前がなりたいとは思っていなかった、と言われた。
というような、制度とは別の「暗黙ルール」による運用も見受けられました。
このような暗黙ルール(例えば上記以外にも、一度地方支社の経験を踏まないと管理職になれない、など)は仲の良い上司や先輩から飲みやタバコ部屋のような場で非公式に教えてもらうことが多く、そのような場に積極的に顔を出さない女性社員にとっては「知らなかった」ということもあるようです。

ある女性管理職はメンバーだった当時を振り返って、
「意欲と能力は別。意欲をアピールしなくても、能力さえあれば評価されて自然に管理職になると思っていた。」
と話してくれましたが、実際に私も人事として評価内容を見ていると、多くの管理職は能力よりも意欲を過大評価する傾向にあります。
このような評価傾向も「暗黙ルール」の一つ。
ルールが分からない中で戦っている状況にもかかわらず、会社が「管理職にふさわしい能力の女性がいない」と一刀両断するのはとても不公平ではないかと思うのです。こうした「暗黙ルール」が存在することや会社や上司は必ずしも公正ではないことを知ることも、女性には必要ではないかと考えるようになりました。

次回は女性社員が管理職になることを後押しした会社の制度・風土について考えていきたいと思います。

▼ダイバーシティ担当必見!
100人にインタビューした女性管理職白書はこちら
https://www.mog-career.co.jp/archives/mog_wp_2021.pdf

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