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全国のダイバーシティ担当に伝えたい!女性管理職100人にインタビューしてわかったこと(Vol.5)

これまで、ダイバーシティの取り組みを進めるにあたって必要となる
日本の状況や取り組みの目的・傾向について説明してきました。

今回から、女性管理職インタビューを実施してみての結果から考察を深めていきたいと思います。


管理職になりたくなかった女性たち

女性管理職へのインタビューは今回が初めてではありません。
以前私が人事としてダイバーシティ担当をしていた時に、自社の女性管理職むけに実施したことがありました。
当時所属していた会社は5千人ほどの社員数で300人ほどの管理職がいましたが、そのうち女性は20人程度でした。
ダイバー担当として「女性管理職を増やすべし」と命を受けた私は、女性管理職全員にインタビューをして、自社の状況について調べることに。
そのインタビューで一番驚いたのが、私からすると「超肉食系」「超キャリア志向」に見える女性管理職が
「私は元々管理職になりたいと思っていなかった。自分にはそんな能力は無いし、管理職なんてできないと思っていた。」と話していたことです。
いつもはハイヒールを鳴らして部下を叱り飛ばしながら歩く、人間ダンプカーのような猛者ばかりだったので、最初は「冗談かな?これはツッコミ待ちかな?」と思っていた私も、彼女たちが本気でそう思っていることが分かってきました。

今回は対象を広げて様々な業界・職種の方にインタビューしましたが、
元々の管理職意向については当時の職場と同じような回答となりました。
過半数の方が「元々管理職への意向が低かった」と答えたのです。

具体的には、
・もともとやりたくなかった。プライベートがなくなると思っていた。
・職場が上がるか、産むかの二択だった。
・会社から求められるキャリア像と自分が描くキャリア像にギャップがあった。
・人を管理したり、上から指導するということが向いてないと思っていた。遠いもののような気がしていた。
・現場が好きなので、現場にいたいと思っていた。
・男性管理職ばかりで、あんな働き方はできないと思っていた。

というような意見がありました。

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会社がもとめる「管理職像」VS自分らしく働きたい女性たち


アンケートのランキングで見てみると、管理職になりたくなかった理由第一位、二位は「プレイヤーとして働きたかった」「管理職の魅力を感じていなかった」となっています。自身がプレイヤーとして成果を出すことやお客様と近い立場で働くことに、やりがいを感じていた方が多いようです。プレイヤーという立場が「やるべきことが明確」「成果の出し方が分かりやすい」という受け身の姿勢から希望していた方もいました。管理職になることで自分なりに成果の出し方を考えないといけないし、組織を率いていくためのリーダーシップが求められることを、荷が重いと感じていたそうです。
また、管理職になると夜の会議や土日の研修が増える、残業代から職務手当に変わり実質的な賃金が下がる、社内調整ばかりで仕事の面白さを感じない、といった声も上がりました。
責任ある仕事を任されることによるプレッシャーや、業務量が増えることでの長時間労働、管理業務といった仕事内容から、女性社員から見ると管理職になるメリットよりもデメリットの方が大きいと感じているようです。

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管理職意向が高い背景には若手時代からの意識づけ・男女差ない社風


一方で、元々管理職を目指していた方も3割近くいらっしゃいました。
「評価されたかった」「管理職になることで裁量が増えると思った」という理由が上位を占める一方、「職場環境を変えるため女性管理職を増やしたかった」「管理職の経験を積んだ方が結婚・出産後もたとえ転職してでも仕事を続けられると思った」など特有の理由をあげる女性もいました。
私がインタビューしたAさんは、「若手時代の上司に、『女性は子供を産んでから昇格するのが難しいから、今のうちに給料を上げておけ』と言われて20代のうちにがむしゃらに働いて、最年少課長になった」と話してくれました。
上司さんの言葉は少し直接的すぎるかもしれませんが、実際に出産後特に時短勤務で働いていると昇進・昇格が難しい職場はたくさん存在します。
家庭を持っても両立して働けるか、もやもやしながらブレーキを踏んで働く女性は多いのですが、むしろ若手時代にしっかりキャリア形成することがその後裁量を持って働ける道につながるということを、会社や上司が示してあげることは必要なのかもしれません。
また、意向が高い女性に共通してみられたのが「元々男女差なく仕事を任される社風だった」と答える方が多いことです。
仕事を任されるうちにやりがいや責任を感じるようになり、より上を目指したいと考えるようになったという話を聞き、本人や周囲が「女性だから」という無意識のブレーキをかけずに思い切り働ける環境が重要なのだと気づかされました。

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次回は、管理職意向が低い女性社員が管理職を目指すようになるために必要なことについて白書から考えていきたいと思います。


▼ダイバーシティ担当必見!
100人にインタビューした女性管理職白書はこちら
https://www.mog-career.co.jp/archives/mog_wp_2021.pdf

▼専門性の高いワーキングマザーの人材紹介「ママリブラ」
https://www.mamalibra.jp/


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