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「メールエンゲージメントを向上するにはどうしたら?」とお客様から届いた質問にお返事したら2000字のコンテンツになった件。

Webマーケ支援を初めて興味をもった営業おじさん

Webマーケ支援を初めて1年がたった加工系BtoB企業Q社のご担当者(敬意をこめて営業おじさんと呼ばせていただきます)から『ご教示願い』とタイトルのメールが届きました。

この営業おじさん、Webマーケのスタート時はそんなに興味がないご様子だったのですが、半年、1年と重ねていく中で、少しずつ成果が出てきたこともあり、「Webマーケティング、営業に役に立つじゃん…!」と実感いただき、どんどん興味を持っていただけるようになりました。
最近ではQ社の営業部会議で『Webマーケティングこの1年の成果と今後の展望』の発表などもやっていただいています。資料はぼくが作りましたが。笑

営業おじさんから届く『ご教示願い』のメール

そして、興味と比例して、質問や疑問をどんどんメールでくれるようになりました。そのメールタイトルが『ご教示願い』です。多いときは週2回。50代後半なのですが、この世代はやる気になったらすごい。好奇心に素直だし、人に教えを乞うとことに衒いがありません。ぐいぐい来ます。これはこの世代の武器だなあ…と実感しつつ、興味ややる気を持っていただくのは嬉しいので、質問が来るたびに丁寧にお返事するようにしています。

50代半ばの営業おじさんに丁寧に説明しようとすると自然と長文メールになることも多く、まるで文通をしているようです。もしくは、夏休みの『ラジオ何でも相談室』みたいな。向こうもそれを楽しんでいる気配もあり。丁寧に説明することは自分の学びになることも多く、ぼくも楽しんでやっています。

そんな営業おじさんから、今日も『ご教示願い』のメールが届きました。今回はどんな質問なのかな…と開いてみたら、下記の内容でした。

営業おじさんからの質問
毎度お世話様でございます。
早速ですが、ご教示をお願い致します。
今朝、ご配信頂きましたEメールの未送信203件に”エンゲージメントが少ない”との表記が見られます。
未送信を低減させる方法をご教示頂けませんでしょうか。
HabSpotで解決できるのでしょうか?
宜しくお願い致します。

「未送信を低減させる方法をご教示頂けませんでしょうか」

これ、シンプルな質問かつ、とても本質的な重要質問です。ゆえにサラッと回答することが難しい。腰をすえてお返事するぞと決めて、書き始めたら、結果として2000字を超えるメールになりました。せっかくですので、noteでも共有します。じゃないともったいない。笑

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営業おじさんへのお返事

お世話になっております。
お返事が遅くなりまして申し訳ございません。

メールマーケティングにおいて、「エンゲージメントの向上」は永遠の課題なので、これをやったら大丈夫というものがなく、難しい課題ではあります。順を追って説明させていただきます。長くなりますがお付き合いください。まず、「エンゲージメントが少ない」とは具体的にどういうことなのか?をご説明いたします。

エンゲージメントが少ないとは

HubSpotの仕様では下記2点が「エンゲージメントが少ない」と定義されています。

HubSpotによる「エンゲージメントが少ない」とは
・これまでに送信したマーケティングEメールが1通も開封されておらず、直近に送信した11通のEメールも開封されていない
・以前にマーケティングEメールを開封したが、送信した最後の16件のEメールを開封していない

端的にいうと、「リストには名前があるけど、メールに反応してくれない人」になります。

では、「なぜそういった人にメールを送らないような仕様になっているのか?」ですが、下記のリスクを避けることがその理由となっています。

エンゲージメントのないコンタクトへ送信するリスク
エンゲージメントのないコンタクトへの送信をすると、将来のEメールが自動的に受信者のスパムフォルダーまたは迷惑メールフォルダーに移される可能性が大きくなります。これを軽減するため、エンゲージメントのないコンタクトを管理し、健全なEメール送信の信頼性を維持するための配信終了ポリシーを作成することができます。

端的にいうと、「メールに反応してくれない人に送り続けると、ユーザー側のメーラーがQ社様のドメインを『有害』と認識する可能性がある」ということになります。
企業のドメインを有害と認定されることが蓄積されると、スパムフォルダーまたは迷惑メールフォルダーに移される可能性が大きくなり、実務メールにも営業が及びます。
だから、エンゲージメントが少ない人にはメールを送らないようにするのは大切な仕様でもあります。

例えば、お客様に届くメールのほとんどが展示会案内ばかりだと、ユーザーとしては「またか」「セールスばかりだったら開かなくていいや」という認識になります。
残念ながら、いまの未送信203件の中にはそのように思ってメールを開かなくなった方も一定数いるかもしれません。


メールのエンゲージメントを向上させるにはどうすればよいか

ここまではご質問の前提のご説明となります。
次に、いよいよ本題の「未送信を低減させる方法をご教示頂けませんでしょうか」へのご回答ですが、上記に書いたようにこの問いの本質は「メールのエンゲージメントを向上させるにはどうすればよいか」になります。

そして、その回答ですが、当たり前すぎる内容で書くのも恐縮なのですが、下記のような対応策が考えられます。

メールのエンゲージメントを向上させるには
・メールの受け手にとって有効なコンテンツを作る
・リストにあるお客様たちが『これは読みたい』と思うコンテンツを作り、メールタイトルに反映させ、メールで案内する
・顧客のニーズはそれぞれなので、一斉送信だけでなく、自動車・医療・電子機器などの分野別のコンテンツを作り、分野別のリストを作り、メールで案内する

対応策は以上のようになります。

とても本質的な話で、「当たり前ではないか」と言われそうですが、おっしゃる通りで、その当たり前のことをやり続けるのが「メールエンゲージメントの向上」となります。

BtoBマーケティングでは「まず与えることで、顧客の興味関心や信頼を得る」という発想が重視されています。いわゆるGiveの有効性です。

いま活用いただいているHubSpotでも「フライホイール」「インバウンドマーケティング」の思想でそれは示されています。下記はその参考記事です。


Q社様が今後やるべき3つのポイント

ですので、「エンゲージメントを向上させるにはどうすればよいか」という問いに対して、Q社様におかれましてはまず最初にやるべきポイントは下記3点になります。

Q社様が今後やるべき3つのポイント
・コンテンツの供給量を増やす
・コンテンツの質を上げる
・顧客の分野などのセグメントを始める

当然すぎるご回答で恐縮ですが…

ただ、この当然の施策は、やった分だけ結果に反映されることは経験上も、方法論的にも間違ってはいないと申し上げられます。
重要なのは上記3点を実行するための環境づくりと、Q社様と弊社との協力体制をより一層強化させることです。

より具体的に申し上げますと、いよいよ「皆さんにもコンテンツを継続的に書いていただくタイミングとなった」ということかと存じます。今までは予算をいただいて弊社でコンテンツ制作をしていましたが、予算以上のことはできないという弱点があります。

そして何より、〇〇という技術領域のプロであり、顧客の課題やニーズに精通している皆さんが考え・調べて・執筆したものこそが「お客様が読みたいと思うであろうコンテンツ」に一番近いことは言うまでもありません、

前回ご提案した『ニュースレター』もその方法論のひとつです。
次回のMTGではもう一度『ニュースレター』についても意見交換させていただいてもよいかもしれません。

メールのまとめ:次回MTGについて

長々と書いて恐縮ですが、基本的なご回答は以上になります。
至極単純かつ当たり前な内容ですが、だからこそ重要なテーマですので、今回、営業おじさん様からご提示いただいたことはよいタイミングだと思っています。次回の定例MTGでメインとなる議題にする価値はあるかと存じます。

ぜひ、次回定例MTGでは皆様のご意見やお考えをお聞かせいただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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このnoteのまとめ

「メールのエンゲージメントを向上させるにはどうすればよいか」という質問に一生懸命お返事したら、2000字のコンテンツになっていました。

なかなか大変ではありますが、丁寧に返事をすることで、自分でも曖昧だったことを調べなおしたり、必要なことを改めて把握したりとやっぱり勉強になります。何より、お返事をした上で、テーマを絞ったコンテンツにもなるという一石二鳥がよいです。

「コンテンツを書く」も永遠のテーマだし、「書けない」と課題を持ち続ける人は後を絶ちません。今回、このお返事を書いていて、書けない人への対応策として、コンテンツを書くのではなく、返事を書くという手法を取り入れたらいいのかもしれない。と思いました。

ご多分に漏れず、BtoBサイトを制作するときは「顧客にコンテンツを書いてもらうこと」に悪戦苦闘するのですが、制作会社側が質問を用意して、顧客に返事を書いてもらうことのやり取りでコンテンツができるかもしれません。この発見はちょっと期待できます。これから試してみたいです。

この発見を足して、一石三鳥になりました。丁寧にお返事を書いてよかったです。営業おじさんも質問してくださってありがとうございます。また『ご教示願い』ください。待ってます。

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ぼくが所属している株式会社JBNでは「BtoB企業への成果貢献」を目的とした戦略策定・Webサイト制作・Web運用支援・Webマーケティング支援を一気通貫で行なっています。

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稲田英資について

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