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ロジカルシンキングや立派な資料で「説明」ができるわけじゃない。

「話を聞く力」と同じくらい仕事で大切なのが「説明する力」です。表裏一体といってもいい。

説明力の手段としてロジカルシンキングとかに行きがちですが違うんですよね。重要なのは相手に合わせた表現や粒度のチューニングです。

これができないと相手を置き去りにした一人舞台になります。「このロジック、この資料は正しい。だから聞けば万人が納得する」と思い込んでひたすら喋る。ひたすら資料に書いてあることを読む。もはやそれは説明ではありません。ただの独りよがりなジャイアンリサイタルです。そして、そういう人はかなり多い。

製造業に限らずSaaS系企業にも多い印象です。彼らに何かしらの相談や質問をすると、たいてい「機能」や「プラン」の説明をします。社内でのみ通用する言葉を使って。あなたの会社の製品やプランを説明することが質問への返答ではありません。対話をしてください。

社内でだけ通用する言葉と資料で30分話しても何も伝わりません。だったら資料を読んだほうが早い。相手に伝わる言葉を手探りで選んで、様子を見ながら更にチューニングして、相手に伝わるように最適化していくのが「説明」であり、あなたの仕事です。仕事をしましょう。


Webコンテンツも同じ

良いWebコンテンツもそれと全く同じです。相手に伝わる言葉を探しながら試して、様子を見てリライトして改善していく。起点はすべて「相手」です。相手が初学者なのか中級者、上級者かでコンテンツを変えるのは当然のことです。つまり、大切なのは「何かを書くか」じゃなくて、「誰に書くか」です。これで書く内容と書き方が9割決まる。

「Webコンテンツが書けません/苦手です」と言う人は大体がジャイアンリサイタルです。そんなつもりはない。そんな横暴なことはしていない。といくら言おうが、相手を見ようとしないで、「書けない/できない」と思ってる時点で同じです。大事なのはあなたが何を書くかではありません。相手が何を知りたいかです。忘れないこと。


このnoteが生まれたきっかけ

このnoteは娘のアパート契約のために不動産屋から聞かせられた「重要事項説明」があまりにひどかった体験から生まれました。長々と契約書の文面を読むだけで何の説明にもなっていない1時間。ひどかったなあ。おれの1時間を返せ。

娘のアパート契約のために不動産屋から重要事項説明を聞く。「保証会社」という言葉が何度も出てくるので、「物知らずで申し訳ないんですけど、保証会社ってつまり何を目的に、どんなサービスをしてくれる会社なんですか?」と聞いたら、「…保証をする会社です」と返されてナメとんのかと思いました。


関連note

資料に書かれた言葉や社内で流通している言葉だけで喋っている企業はよくあります。顧客を全然見てないし、目の前の相手への最適化も感じない。どれだけ「顧客視点」とか「ユーザーファースト」とか言われても、ああ、口だけの会社なんだな。時間を無駄にしたな…と思ってしまいます。特にSaaS系企業に多いので反面教師にして気をつけています。

その人がどんな言葉を使うかで「ただ製品を売りたい/ノルマをこなしたい人」なのか、「顧客の課題解決に本気で貢献したい人」なのかが透けて見えるとぼくは思っています。ぼくだけかしら。

仕事で使う言葉でその人の本気度がわかる説

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