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Web制作/Web活用支援のこと

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Web/Web活用支援について考えたこと、学んだことをストックしていきます。
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#web制作

製造系企業にお薦めしたい「我社のことを褒めてくださいインタビュー」

Webコンテンツの必要性は分かるのですがNDAで事例紹介も出せなくて…と下を向く製造系企業様は多い印象です。そんな企業様にお薦めしたいのが「我社のことを褒めてくださいインタビュー」です。今どこかしらの得意先が頭に浮かびましたか? そもそもこのテーマで取材をお願いできるお客様がいるのであれば絶対やるべきです。技術の詳細説明なんて無くても、「あなたの会社に頼んでよかった」という事実が詰まっているはずなので。それを読んだユーザーが相談してくれたときに技術説明をすればいいんです。

ぼくたちWeb制作会社はその名前に代わる新たなラベリングを早く見つけるべきですよね。

企業にとってのWebの役割がどんどん変化していく。パンフレット的な扱いから重要な営業ツールに変わり、今ではCRMを軸とした事業のプラットフォームとなりつつある。もはや「Web作れます」だけだとニーズに応えられない。これまで自分がやってきたことが3年後にはもう本丸じゃなくなっているだろうと予感しつつ、明日はどっちだと手を伸ばし続ける感覚は嫌いじゃない。目の前の仕事を懸命にやりつつ、ちらちらと見え隠れする新しいニーズの欠片をパッチワークのように組み合わせて新しい地図を読む。という

Web問い合わせの「質」をA社様はなぜ変えられたのか。

Webサイトリニューアル前は「製品の金額を教えて」「部品壊れたので見積もりください」といった連絡しか来なかった設備系製造業のA社様(しかも受注にならない)。リニューアルして4年経った今では「◯◯をしたいのですが御社の何を導入するのが最適でしょうか」「GX推進で工場の電化を計画しています。良いご提案はあるでしょうか」といった相談が毎日のように届くようになりました。しかも国内の大手企業から。 最大の成果は「相談相手」として見られるようになったこと 問い合わせの件数が20倍以上

Webサイトのマイクロコピーが苦手な人の場合。

Webサイトのマイクロコピーが苦手な人の場合、コピーライティングのスキルに注目されがちですが、基本的な問題はそこではないと思っています。たいていはペルソナがぼんやりしている(または思い浮かべながら書いていない)ことが要因で。マイクロコピーで大切なのはロジックやTIPSなどではなく、対象者への理解に基づいた語り方です。もっと言うと、「あなたが相手を本気でデートに誘いたいと思っているかどうか」です。それはそうですよね。宿題のレポートじゃないんだから。いくら論理的に整合性が取れてい

顧客に自社をプレゼンしてもらうというアイデア。

成果に貢献するBtoBサイトの制作には顧客理解が欠かせません。どんな会社でどんな製品でどんな市場でどんな客層なのか。どんな営業活動をしていて、ユーザーの何を解決して、バリューをどう評価してもらっているのか。自社の理想像と現状とのギャップは何で、原因となっているボトルネックは何なのか。これが分からなかったらWebサイトは作れない。見た目は作れるかもしれませんが、事業に貢献するWebサイトは作れない。特に製造系BtoBなんてWebサイトの見た目だけよくしても何にも生まれない。ピカ

企業のWeb活用はそもそも業務なのか問題

創業117年の缶メーカー側島製罐株式会社、六代目の代表取締役・石川さんのnoteを読んで、本当にそうだなあと大いに共感しました。 ちょっと長いですが引用させていただきます。 掃除は始業前なのか問題に対して、「まずは真っ直ぐ正しくやってみて歪みと向き合っていくことが大事じゃないでしょうか」という着地に大いに納得。真っ直ぐやろうぜ。が一番ですよね。JBNの掃除タイムもかつては朝の始業前でしたが、今は業務時間内に組み込まれています。 企業のWeb活用はそもそも業務なのか問題前

「戯曲は人間が何かを始めるきっかけであり、またそういうものを全て戯曲である」と仕事を結びつけて考える。

製造系BtoB企業のW社様のWebサイトを絶賛設計中。いいところまで来ているし顧客も不満はないようだけど、芯となる核が不在な感じ。W社ならではの「選ばれる理由」がまだ言葉にできていない。何も言われてないけれどこのまま進めるのが気持ち悪い。同僚とあれこれ話して、これなんじゃないか?と思える切り口を見つけてワイヤーにして顧客に再提示してみると「これだ」と皆さんの顔が明らかに変わる。その後の話し合いがスルスル進む。そういうことならこういうのもあると関連する情報が色々出てくる。はっき

Webディレクターに必要な能力でまだ言及されていない「ストーリーテリング」

Webディレクターに必要な能力でまだ言及されていないものは「ストーリーテリング」ではあるまいかという新説を立ち上げました。多数が合意形成しながら前に進んでいくWeb制作においては視座を共有するためのストーリーとそれを伝えるテリングが必要になる。なくてもいいけど、あったほうが断然いい。 企業におけるWebサイトの本質的な役割は「ユーザーの行動変容」だと思っています。Web制作の戦略や設計、構築、合意形成においてロジックは重要ですが、人はロジックでは動かない。人は感情で動く。ロ

コンテンツの活用法の知見は事業会社と制作会社でたぶんそのうち逆転する。

2年前にWebサイトを制作した製造業の社長様からこんなご相談をいただきました。 「社員が頑張って記事を書いてくれているのは嬉しいのだけど、やっぱりユーザー目線での記事を書くのはまだ難しそうなんですよね。お客様側の課題とか潜在的なニーズを想像して書くのがWebコンテンツは大切だと思っているのですがどうも上手くできないみたいで。JBNさんがやっていたテーマの見つけ方とかユーザーのニーズを掘り起こし方とかが必要なんだな…と実感しました。ついては社員のコンテンツ制作の支援を改めてし

Webコンテンツにおいて「ネタがない」と言うのを禁止にしている理由。

Webコンテンツが書けないという方はたいてい「ネタがない」と言います。しかも、書かない人ほど言う。違うんですよね。ネタは毎日の仕事の中にすでにあります。顧客からの問い合わせメールや電話や同僚との会話の中に。ないのはそれを見つける目です。ぼくはネタという言葉が嫌いなので「切り口」と呼んでいます。同じ製品でも角度を変えれば切り口はいくつもあるはずです。 顧客の立場 既存客に説明する場合 新規客に説明する場合 検討中の見込み客に説明する場合 製品の機能 Aの機能にフュー

Webサイトの集客力。

地方中小企業で機器メーカーのA社様。企業サイトとは別にオウンドメディアを3年前に新設して、Web活用支援を伴走。1年前に企業サイトから製品サイトを独立させて制作。公開直後と比べるとセッションが14倍になっていました。 「14倍!スゲー!」と思いそうになるけど、月のセッションが数万ないとWebで戦えない。というか、営業の役に立つWebサイトとはなかなか言えません。 「Webサイトはアクセス数ではありません!キリッ!」みたいな考え方はぼくも否定しないけれど、それと同時に集客で

「コンテンツディレクター」という職務を一般的にしていきたい。

製造業様のWebサイトを絶賛制作中。事業部ごとのトピッククラスターとピラーコンテンツを設計しています。 未知の業界のことなので知らない専門用語だらけだし、4部門ごとに進めるので頭がパンパンに。最低でも1部門50記事はサイト公開までに書いてもらうつもりなので、4部門で合計200記事になります。それらを全部設計して、顧客と協議して、内容を詰めて、書いてもらって、書いてくれないからお尻を叩いて、褒めて、育てて、ブラッシュアップして、校正して、手直してして、Webページにしていく。

Webサイトは「カオス → 整然」のルートを通って作られる。

仕事の肝のひとつは「複雑/カオスな状態をシンプル/整然とした状態にトランスフォームすること」だと思っています。バリューの源泉ともいえる。仕事は準備が八割とよく言われますが、その大半が整理整頓なのかもしれません。複雑な状態を複雑なままにパスするのは仕事じゃないし価値を生んでいない。 Webディレクターは「複雑/カオスな状態をシンプル/整然とした状態にトランスフォームすること」にとても近い職務だと思います。企業の各Webサイトを作るには「カオス → 整然」のルートを通らざるを得

「Webサイトのリノベーション」という考え方。

住宅にリノベーションがあるようにWebサイトにもリノベーションがあっていいと思うんですよね。全部を壊して新築するだけが能じゃないし、顧客企業のニーズも「新しいWebサイトがほしい!」という訳ではない。 営業に役立つ問い合わせを増やしたいとか、顧客管理のデジタル化を進めたいとか、建て増しを続けて迷宮のようになってしまった管理ツールを一本化したいといった様々な顧客のペインに寄り添うことが大切で。結果的にWebサイトリニューアルになったとしても、「今回の主題はリノベーションである