売上総利益とは
結論
売上総利益とは、ざっくりと利益を計算するための指標である。
売上総利益の計算式
損益計算書の記事でも書いたが、売上総利益は下記の式で計算される。
売上総利益 = 売上 ー 売上原価
売上原価とは?
例えば、Nintendo Switchを、
・20,000円で仕入れて
・40,000円で転売する
状況を考える。
この場合、
・売上=40,000円
・売上原価=20,000円
・売上総利益=40,000-20,000=20,000円
となる。
(余談だが、転売界隈で「Nintendo Switchは現金」という名言が生まれるほど、Nintendo Switchは転売した時の利益率が高いらしい。)
このように、商品を仕入れたり・製品を作るときにかかる費用を売上原価という。
売上原価の多い業態・少ない業態
・仕入や製造を積極的に行う業態は売上に占める売上原価の割合が多い
・逆に、仕入や製造よりも人件費・広告費などがかかる業態は、売上に占める売上原価の割合が少ない
実際の例を見てみよう。
日本を代表する企業として、
・トヨタ
・武田薬品工業(以下、武田)
の2019年の損益計算書から、売上・売上原価・売上総利益をピックアップした。
(トヨタ2019年度決算短信)
(武田薬品工業2019年度有価証券報告書)
トヨタは車を作るための原材料費が高いため売上原価の占める割合が大きいと考えられる。
逆に武田は、薬の原価が比較的安いため売上原価が占める割合が小さいと考えられる。
売上総利益とは?
売上原価に含まれるのは、仕入・製造にかかる費用だった。
逆に言えば、人件費・広告宣伝費などは含まれていない。
先程の例でいうと、トヨタの工場で働いている人の給料や、武田の作った薬の宣伝費は売上原価に含まれていない。
(これらは一般的には、販売費及び一般管理費に含まれる)
つまり、売上総利益は、「売上から商品・製品を手に入れるのにかかった費用を差し引いた金額」である。
これが必ずしも最終的な利益と一致しないのは感覚的にも明らかだ。
売上総利益のメリットは、「素早く計算できる」ことにある。
大雑把で構わないから、なるべく早く利益を把握したい状況では有用となる。
売上原価は少ないほうが良い?
この図だけ見ると、売上原価の割合が少ないほうが良いと思えるが、必ずしもそうではない。
(これについてはまた別の記事で記載します。)
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