ゆうき/海原優騎

即興表現者として活動しています。主に一人芝居の戯曲を書いています。僕のために書かれた物…

ゆうき/海原優騎

即興表現者として活動しています。主に一人芝居の戯曲を書いています。僕のために書かれた物語が、あなたのためにもなったら嬉しいな。台本は勝手に使ってください。連絡が来ると嬉しいです。

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最近の記事

不条理インプロ#3 公演内容

※10/28時点では未完成 不条理インプロ#3の公演の内容を詳しく書いた記事です。XなどのSNSでは詳しく書ききれない部分を記しています。ちょっと長いかもしれませんが、ご容赦ください。 まえおき 僕(海原優騎)が創作をする際に、一番に考えることは『僕のような人が楽しめる』ことです。 僕は何かに参加するときには、衝動的なこともあるけれども、その何かについて背景を調べてから参加します。なぜ、や、どのように、や、だれが、などなど。 そして、何が、よりもそちらに関心が強く、

    • エモくエモく

      着色の話

      • 錠前 一人芝居 戯曲

        こだわりの話 データ↓ 本文↓ 錠前 玄関 舞台前に扉がある 「来て来て。 明転 ♪鍵の音 「この音。この音が嫌いなの。鍵が閉まる音。 ♪鍵の音 「正確には、外側から聞く、この音が嫌い。『二度と来るな』って言われているみたいで。そうだね。内側だと安心する音かも。 ♪鍵の音 ♪鍵の音 「うん。立場で違うね。立っている場所で違うね。なんでって、これから一緒に暮らすんだから、知っておいてもらわないと。私が家を出るときに、君がすぐに。 ♪鍵の音 「こうした

        • タクシー 一人芝居 戯曲

          優しい話 データ↓ 本文↓ タクシー タクシー車内 運転手とみずき 運転手の後ろにみずきは座っている ♪エンジンの音 明転 間 「え?ああ、すみません。あ、大丈夫ですよ。生きていますから。 間 「タクシーさんは、よくお会いするかなって。怪談とかよく聞くんで。それで心配したのかなって。 間 「そうですか。顔色が。確かに。血色は良くないですね。寝不足で。 間 「いえ。私、大学生で。春休み中で。考え事をしていて。寝付けなくて。 間 「あ、大丈夫ですよ

        不条理インプロ#3 公演内容

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        • 一人芝居 戯曲
          58本
        • 性癖
          25本
        • 名前が知りたい
          3本
        • 走馬灯こうほ
          3本
        • しきのし
          8本
        • 戯曲集「いい趣味」
          6本

        記事

          風見鶏 一人芝居 戯曲

          データ↓ 本文↓ 風見鶏 動物園 ハシビロコウの柵の前 みずきは柵に肘をつけて見ている みずきは片足立ちしている 間 明転 みずきは飲み物を受け取る 「あ。ありがとう。うん、ずっと見てたよ。岩みたいだね。それか木か。 「え?ああ、確かに。本当だ。おそろいだね。真似じゃないけど。フラミンゴの時もそうだった?じゃあ、無意識に真似ていたのかもね」 みずきは軸足を変える 「楽しい?そう。私は楽しいよ。園って好きだし。そう、園。あー。開放的な知的収集所だから?球場は開

          風見鶏 一人芝居 戯曲

          モノローグ 適応

          あらすじ →素直な話 データ → 本文↓ 適応 公園 みずきはベンチに座っている 「お帰り。あった、ゴミ箱?そっか。捨ててきてくれてありがとう」 みずきは指をさす 「得意だったなーって。懐かしくなってた。知ってる?砂山のギネス記録。2mとか。だったら面白いなって。うん。知らない」 のぞみは座る 「寒くない?そう。だったら、もう少しここにいない?やった。公園、好きだよ。特に、初めて来る公園は。生活を感じるっていうか。家族とか、恋人とか、友達とか、関係性が見えて

          モノローグ 適応

          ペーパーバッグマスクが好きという話

          僕は仮面劇が好きです。 頻繁に、そして沢山の作品を見たわけでは無いのですが、好きだということは確かです。 体験する場にも参加したことがあり、被ることも好きだなと感じています。もちろんこちらも、長々と作品づくりに触れているわけでも、多くの講師に習っているわけでもありません。ただ、被ることは好きだなと感じています。 中でもペーパーバッグマスクは好きです。 ハーフマスクとかフルフェイスマスクとか、いくつかのマスクの技法を体験してきましたが、気軽で安全なマスクの技法のように感じてい

          ペーパーバッグマスクが好きという話

          一人芝居 大丈夫

          データ↓ 本文↓ りょうはベンチに座っている りょうは反対ホームの人を見ている 「あの!北高の人ですよね。私、南高なんです!ごめんなさい!急に話かけちゃって!この時間、二人だけですね!電車使うの!私、朝練があって!高跳び!陸上やっているんですよ!北高強いですよね!陸上!私、北高、目指してたんですよ!推薦で!でも落ちちゃって!あ、別に羨んでいるとかはないですよ!そうだ!自己紹介がまだでしたね!私、りょうって言います!涼しいって書いて、涼」 間 「部活とかやってないんで

          一人芝居 大丈夫

          一人芝居 祭りのあと

          一人芝居 祭りのあと

          一人芝居 記念日

          一人芝居 記念日

          二人芝居 戯曲 長生き

          データ 本文↓ 長生き 唯の部屋翔は額縁をもって立っている 薄明りON 翔「人が死ぬのはいつだろう。概ね心臓が止まった時でいいと思う。というか、それは本人次第で、他者の主張が割り込めることじゃない」唯「ただいま」 明かりON 翔「俺はまだ生きている。この絵の中で。誰が何と言おうと」唯「疲れた」 唯は音楽をかける 翔「彼女も望んだことだ。俺が、死にたい、と言ったら、いいよ、と背中を押してくれた」 ♪着信 唯「はい?」翔「そんな彼女だから、そんな彼女を、俺は好んでいたし、生き

          二人芝居 戯曲 長生き

          一人芝居 戯曲 ねこにあこがれて

          猫にあこがれて 机にからの薬の空箱 ビニールテープでぐるぐるの瓶が二つ ゆうきは瓶にミニコーラを詰めている ♪上の階からドンドン音が聞こえる ゆうきは反応する 「できた」 ゆうきは鼻を洗濯ばさみで挟む ゆうきは瓶をシャッフルする ゆうきは瓶をあおる ゆうきは水で嚥下しきる 「はあ。これで、猫。にゃあ」 ゆうきは鏡で自分を見る 「量子的。2時間くらいだっけ。書かなきゃ」 ゆうきは手紙を用意する ゆうきは手紙を書く ♪上の階からドンドン音が聞こえる ゆうきは

          一人芝居 戯曲 ねこにあこがれて

          戯曲 一人芝居 ゆるやかな自殺

          データ↓ あらすじ↓ 一緒に死んであげる話 本文↓ 緩やかな自殺   駅前の喫煙所   明転   みずきはライターを受けとる   「どういたしまして。うん。そこのコンビニで深夜に働いているから。始発までの間に一服しているの。君は。あー、あそこの居酒屋か。使ったことないな。君はコンビニ使うよね。おぼろげにだけど覚えてるよ。まあ、喫煙所にいるイメージの方が強いけど。珍しいの吸っているなって記憶してたよ。なにそれ。ぶらっくじゃっく?ブラックジャック!いいや、初めて

          戯曲 一人芝居 ゆるやかな自殺

          一人芝居 戯曲 鴎

          データ↓ あらすじ↓ 親子の話 本文↓ 鴎になる   ゆうきは椅子に座っている   「え?ほんと?同じ表情のつもりだけど。もっと笑顔だった?そっか。こんな感じ?」   ゆうきは笑顔を作る   「ちょっと違う?そっか。じゃあ、こんな感じ?」   ゆうきは笑顔を作る   「えー。まだ違う?無理だよ、同じ表情は。モデルとかやっていないしさ。ほら、お父さんが思う私の一番の笑顔を投影してさ。それで、描いてみてよ。別に写実的にしなくても。それか、私の22年間の笑

          一人芝居 戯曲 鴎

          一人芝居 戯曲 邂逅

          ↑データ ↓あらすじ 何も起きない話 ↓本文 邂逅 のぞみは扉の前で座っている ♪着信 のぞみはスマホを見る 「もしもし。何?久しぶり。何?こんばんは。何?いや、話すことないから。用事があるなら、何?そうだよ。話したくないから、無視していた。だから、用事は何?え?良いでしょ、何でも。たまたま、今はやることがなかったから。出てあげただけ。そう。だから、何、用事は。うん。元気だよ。バイバイ。え?いいよ。着払いで送るのも気が引けただけだから。あれで全部だった?そう、

          一人芝居 戯曲 邂逅

          たぶん朗読 都合の良い存在

          都合の良い存在 いま君と話ながら思い出している 君が僕を生んでくれた 出会いは君が三歳の頃 初めてのお留守番 一緒におままごとをしたね 僕の名前はむーくん 君は僕に色々な動物を教えてくれた 図鑑やぬいぐるみを使って その日から 君が一人の時には僕がいた 僕の前には いつも君がいた 君が小学生になって 僕は君の相談相手になった 誰かに言えなかった言葉 それを全て僕にくれた 君が10歳になった頃 君は僕が見えなくなった 君は僕が必要ではなくなった 僕は死んだ 君が大

          たぶん朗読 都合の良い存在