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ダニエル・ハリトーノフ ピアノリサイタル2021 プログラム紹介【前編】ピアノソナタ第8番 大ソナタ悲愴/ベートーヴェン

いよいよ11月27日からスタートする『ダニエル・ハリトーノフ ピアノリサイタル2021 ドイツ・ピアニズムの巨匠 ~ロマン派3つのソナタ~』
本リサイタルでは、ベートーヴェンとブラームスのソナタ3つ、ブラームスのラプソディ1つを演奏します。
こちらでは、演奏曲について【前編】【後編】でご紹介していきます♪

その前に、L.v.ベートーヴェンについて簡単にご紹介します。

 ベートーヴェンはドイツのボンに生まれ、ウィーンで活躍した大作曲家です。当初はピアニストとしても有名であり、作曲家としてはハイドンやモーツァルトに影響を受けていたと指摘されるように古典派的な作風の曲を作っていました。しかし、後に彼は形式の拡大や独自の技法の多用と劇的な構成によってロマン派の先駆けとなる作品を生み出し、多くのロマン派の作曲家がそれに追随することとなったのです。
 ピアノ曲、管弦楽、室内楽、声楽作品など56歳でこの世を去るまでに多くの楽曲を残していますが、彼の作曲人生とは20代の後半から患った難聴との戦いでもありました。たいへん有名な合唱付きの『交響曲第9番』を作曲した頃には彼の病状はかなり悪化しており、ほとんど耳は聞こえていなかったと言われています。
 一時は生きることさえも諦めようとした「苦悩」から立ち上がり、数々の成功をおさめたベートーヴェンの葬儀は、2万人もの人々が参列した盛大なものだったということです。


本日ご紹介する曲は1曲目に演奏される、
ピアノソナタ第8番 大ソナタ悲愴 ハ短調 作品13

 1797年から1798年にかけて作曲された初期の傑作。1799年にウィーンのエーダー社から出版された初版譜に「大ソナタ悲愴Grande Sonate pathétique」と記されており、作曲者自身の承認があったものとされています。それは、ソナタに標題をつけることがなかった当時としては画期的な出来事でした。ピアニストとしてだけではなく作曲家として作品を次々と生み出していたこの時期、ベートーヴェンは特定の感情に訴えるような主観的な傾向を強くしていたことが、この「悲愴」という標題にも見ることができます。
また作曲上の試みとして、それまでのソナタ形式から逸脱していくことも初期のソナタ作品から既に行われています。このソナタ第8番、第1楽章のグラーヴェの導入部のような当時としては異例の曲の構成にも、彼の革新的な姿勢がうかがえます。


苦悩を抱えながらも挑戦し続けたベートーヴェンの名作を、ハリトーノフがどのように演奏するか楽しみですね。


★公演詳細はこちら→ https://impres-tokyo.com/

★チケットご購入はこちら→ https://myticketnavi.com/event/list

★ダニエル・ハリトーノフ 公式Instagram↓
https://www.instagram.com/danielkharitonov.official/



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