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出会ってくれて

以前、「見たい光景」という記事で書かせて頂いた一人の女性との事を書きたいと思います。

先日、彼女から誕生日のお祝いをしてもらいました。

誕生日ケーキとプレゼント、そして手紙をくれました。

この年齢になるとちゃんと祝ってもらう事などないのでかなり照れくさかったのですが、それでもやっぱり嬉しかったです。

プレゼントは某スポーツ選手も愛用しているというちょっと有名な磁気ネックレス

私は頸椎ヘルニアを患っていて、
「いつも首を痛そうにしているから少しでも効けばいいなと思って」
とのこと。

心配してくれる嬉しさと、実用的すぎるプレゼントに『彼女らしいな』と思い少し笑ってしまいました。

手紙は後で一人の時に読もうと思い鞄へ

「書くの緊張しすぎて!手が震えてめっちゃ字汚いから!そこは許して!」
と必死に弁解する彼女がおもしろくて また笑いました。


家に帰りもらった磁気ネックレスをさっそく着け、そして手紙を読みました。

そこで気づいたのですが、
彼女の書く字を見るのはこれが初めてでした。

実際に見てみて、字が汚いとは思わず思ったより女の子っぽい。
というよりは子供っぽい字を書くんだなって印象でした。

そんな字で書かれた手紙を読み始め、最初に書かれていたのは
「誕生日おめでと~!」

そしてお祝いの言葉に続いてこう書いてありました。


「出会ってくれてありがとう」


たぶん、生まれて初めてこの言葉を言われました。

その後も
「~~してくれて嬉しかった」
「これからも思い出をいっぱい作っていこう!」
「(私の名前)にとって素敵な一年になりますように」
そして
「ありがとう」といった感謝の言葉をたくさん書いてくれていました。


ここまで誰かに感謝されたことはなかったと思います。

私と「出会った」ことに感謝をしてくれる人なんて、この先何人いるだろうかと考えてしまいました。


ただ正直なところ、確かに喜んでもらうために色々な事をしてきましたが
それには理由があります。

私は彼女の過去を少しだけ知っていて
その事を知ってからは自分といる時は楽しい時間を過ごしてもらいたいと思い、色々な場所に行き、美味しい物を食べて、たくさん話をしてきました。

ただそれは与える事だけではなく、私も彼女からもらっていたからです。

私は一度人生を失敗し、多くのものを失いました。

その失くした部分を埋めてくれるのが彼女でした。
彼女が笑っている時は自分の存在意義があるように思えました。
彼女がいたお陰で私はずっと救われていたんです。

私は『辛い目にあった人は幸せになる資格がある』と思い、彼女にはそうあって欲しいと願うのと同時に自分もそうありたいと思っていました。

彼女の為にしていたことでもあり、自分の為でもありました。

この事は彼女には伝えていません。

前に「なんでこんなに良くしてくれるの?」と聞かれたことがありますが、笑って誤魔化した覚えがあります。


ただ、今度会った時にはもう一度
『誕生日を祝ってくれてありがとう』と

『こちらこそ出会ってくれてありがとう』と伝えたいと思います。







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