見出し画像

[東京・八王子]クワトロ①

私が大学2年生のとき、
クワトロ(当時32)とバイト先で出会った。
クワトロは店長だった。

彼はイタリア人の両親に高知県で育てられ、
仕事のため東京に来た。
彼女はスペイン人だ。
イタリア語と英語とスペイン語と高知弁と
標準語が話せる。
という既に面白い経歴の男性だ。

クワトロと名付けたのは、
彼が物を数えるときに
「いち、にぃ、さん、クワトロ…」
何故か1.2.3.だけが日本語で
そのあとは全てイタリア語に変わるからだ。

このクワトロ店長には
ほんとうに多くのことを学んだ。




あの日、バイトが終わって
退勤するタイミングで
「もう帰るなら、車で家まで送るよ」
と言われた。


男性の上司が、
若い女の従業員にそんなこと言って良いの?!
と思ったけど、
私はすぐに車に乗らせてもらった。


当時、Luis Fonsi & Daddy Yankeeの
Despacitoという曲が流行っていた。

車内にはdespacitoの
スペイン語バージョンが大音量で流れてた。



「ジャスティン・ビーバーがカバーしたやつは、
全然ダメなんよ。このスペイン語のがマジでイカしてるんよ。」

と、やや高知弁のイントネーションで言った。
スペイン語の歌を歌って、
標準語の車のナビを聞きながら運転し、
お母さんからの電話にイタリア語で返してた。



マルチリンガルの人と話せば話すほど
思うのが、
彼らは多言語を操ることを
生活の一部だと思っていて、
「すごいでしょ」アピールが
ゼロであるということ。

「英語話せるんですよ」
と自慢げな大学生が周りには
たくさん居たので
私はクワトロに出会って、
自分はもっと謙虚にならなければならない!
と思ったものだ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?