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表コミ授業日記③ 高校生が持ってきたワークが素晴らしかった話。

こんにちは、いもいも表コミのあき(古谷)です。
表コミ授業日記③。いもいもの高校生が持ってきてくれたワークの話です。

対義語をつなげ!

表コミには、いもいもを卒業した高校生対象の授業があります。
今まで自分が受けてきた授業を思い返しながら、ワークを自分たちで創る教室です。

最初のうちは、ワークの種は講師が提示して、その種をみんなで育てていく形式だったのですが、最近は種自体も生徒たちに持ってきてもらうようになりました。そうなった途端にいくつもの名作が生まれているのですが、今回紹介するのはその中の1つ、「対義語リレー」です。

やることは、いたってシンプル。
1人がこっそりと決めたお題の単語や文章に対して、次の人はその対義語を書き、その次の人はその対義語の対義語を書き、その次の人はさらにその対義語を書き……とリレーしていきます。
このとき、直前のもの以外はみてはいけません。最初のお題も、そこからの変遷も知らないまま、ただシンプルに、回ってきたものの対義語を書いて回していきます。

対義語の対義語は元に戻るはずですから、理論上、ずっと同じところを往復するはず。でも実際にはそうはいきません。ひとりひとりの感覚の違いから、ちょっとずつズレていきます。全員書き終わったら、その変遷をみんなで見て楽しもう、というワークです。

例えば…
この言葉の対義語、あなただったらどうしますか?

生徒が出した答えは……

でした。

そのあとは……

こんな感じ(笑)

ひとつひとつは確かに対義語っぽいのに、どんどんズレていくのが面白いですよね。
「ツナマヨ→サーモンケチャップ→ツナマヨ」の奇跡に盛り上がったり、「ツナマヨ→マグロケチャップ」と書いた子が、「間違えた!類義語にしちゃった!」と焦り出したり。結果発表はいつもみんな大笑いでした。

ちなみに、このワークの元ネタはYouTuberの「はなおでんがん」さんの動画とのこと。元動画は最初のお題を当てるクイズ形式でしたが、クイズ要素を取り除き、単に変遷を楽しむ形式に変えて持ってきてくれました。

このワークの面白さは一体?

最初にこのワークを聞いたとき、実は私はあんまりピンと来ていませんでした。面白いは面白いだろうけど、それだけなように感じたのです。
でも、それは大きな間違いでした。

このワーク、たくさんの笑いが生まれるのに、誰1人ボケていないのです。「なんで?」って思うような対義語も、理由を聞いてみれば納得できるものばかり。それなのに笑いが生まれる。
その面白さを生んでいるのは、ひとりひとりの感覚の違いに他なりません。

つまりこのワークは、「ひとりひとり違うから面白い」ということを、端的に体現したワークなのです。

こちら↓は以前書いた記事なのですが、

ほかの人の当たり前は、自分の当たり前と全然違って面白い。自分の当たり前もきっと、ほかの人にとっては新鮮で面白い。

ということを、表コミの根幹として書きました。まさにこれですよね。
「面白いだけ」どころか、表コミの本質をついた素晴らしいワークでした。

クイズ要素を取り除いて持ってきてくれたところもさすがでした。
クイズになっていると、お題を当てようという思考が働きます。もちろん、それはそれで面白いのですが、クイズ要素を取り除いたことで、素直に自分の思う対義語を書けるようになりました。
結果、「ひとりひとりが違うから面白い」が際立ちますよね。

中学生の教室へ!

あまりにも素晴らしいので、さっそく中学生の教室に持っていきました。
結果はもちろん、大成功!

なんですが……私も一緒に楽しんでしまって、ほとんど写真が撮れませんでした(笑)
代わりに、リレーの結果をひとつ載せます。
これに限らずですが、お題も生徒のアイディア。いいセンスしてます。

直前の文章しかみていないのに、まるでみんなで同じ方向に向かっているかのように、段々と劇的になっていっているのが面白いですよね。

ユニークな対義語もたくさん生まれました。

「パン」の対義語が「バイキンマン」になったり、
「アンパンマン」の対義語を「カレーナンウーマン」にしてみたり、
「理想的な旦那」の対義語を「クソガキ」にしたり(口は悪いけど見事!)、
「人」
の対義語を、天地ひっくり返して「Y」にしてみたり(対『義』語じゃないですけどね笑)。

「ゆたんぽ」の対義語を「死んだネズミ」にした生徒もいました。でもこの生徒はいたって真面目。うれしくなるものと、いやーな気分になるものってことで対義語なんだとか。

ただ対義語を書くだけなのに、こんなにも個性が表れるんだなぁと驚きました。
個性的であろうとなんてしなくたって、自然と人それぞれ違っていて、きっとそれを個性と呼ぶのだと思います。

色々なことを気づかせてくれたワークでした。
素晴らしいワークを持ってきてくれた高校生に、ただただ感謝です。


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