いもいもの表コミで、心の奥底にしまい込まれた自分を取り戻す
こんにちは、いもいもの古谷(あき)です。
この記事では、僕の担当している「表現コミュニケーション教室(以下、表コミ)」がどんな教室なのか、書いていきたいと思います。
生徒たちの言葉
「人によって当たり前は違う。違いを新しいアイディアとして受け入れると、色々広がっていく」
「やりたいことが見つからないのは、考えてないからじゃなくて、考えすぎていたからな気がした」
「いもいもで個性を磨いて、その出し方を覚えた。学校はその応用。これからもずっと役立っていく」
「友達に説明するときは、『人を育ててくれるところ』って言っている」
これらはすべて、今年表コミを卒業した中3の生徒たちが語ってくれた言葉です。
表コミの授業では、何かを教えるということはしません。コミュニケーションが自然と生まれる様々なワークでひたすら遊びます。そのワークの意図を話すこともほぼありませんし、「学んだことのまとめ」なんて一切しません。一見するとただ遊んでいるだけで、何の役に立つのかさっぱりわからないような授業です。
でもそんな「遊んでいるだけ」の授業から、生徒たちはこんなに素晴らしい発見をしてくれました。
心の奥底の声を聴く難しさ
私は小さい頃から、喧嘩することも叱られることもほとんどない、いわゆる「いい子」でした。
状況を読める、空気を読める、他人のことを考えられる……良い面でもありますが、行き過ぎると自分を失ってしまいます。無意識なレベルでいつでも人に合わせていて、気づけば人と違うことが怖くなり、自分がなにをしたいのかすらわからなくなり……。
「自由にしていいよ」と言われると困ってしまうような、まさに「考えすぎてやりたいことがみつからない」状態になっていました。
感じたことも思ったこともやりたいことも、心の奥底にはちゃんとあるはずなのに、それを出せない、あるいは自分でも気付けない。
我々は思っている以上に、そういう状態にあるのではないでしょうか。
「いい子」ばかりではありません。素直な自分を出したらどう思われるか怖くて、自己防衛から攻撃的になってしまうこともあります。あるいは、「自分はこうだ!」と自分で決めつけて意固地になってしまうこともあります。あるいは論理性や社会性にとらわれすぎて、常に正解ばかり探してしまっているかもしれません。
心の奥底の声に耳を傾けることは、とても難しいことです。
インプロで取り戻したSpontaneousな自分
筋金入りの「いい子」だった私を変えてくれたのがインプロでした。
インプロとは、台本なし打合せなしで行う即興演劇です。その瞬間に起きたこと、自分の中で生まれたものを大事にして進めていきます。「その人がその人のままでいるのが1番面白い」と考え、その人のままでいられない要素を取り除く訓練をたくさんします。
インプロの父と呼ばれるキース・ジョンストンは、「Spontaneous」という言葉をキーワードにしています。自発的な、自然発生的な、といった意味の英語です。よく「子どもが夢中になって遊んでいるときのような状態」と例えられます。
夢中で遊んでいるとき、子どもたちはとてもポジティブで、クリエイティブで、柔軟です。それぞれが自分の内側で自然に発生する「やりたい! 」に従っていて、でもそれらはぶつかり合わず、お互いの「やりたい」を柔軟に、そして自然に融合させます。
人は誰しも、そんな力をそもそも持っているのだと思います。
聴けなくなった心の奥底の声に耳を傾けることは、すなわちSpontaneousな自分を取り戻すことです。これこそが、表コミの授業の究極の目的だと思っています。
ひとりひとり違うことが面白い
表コミの授業では、別にインプロがうまくなってほしいわけではありません。インプロのワークもやりますが、そのハウツーに目が向いてしまったらまったく意味がありません。目指すのは、心の奥底の声に再び耳を傾けられるようになること、Spontaneousな自分を取り戻すこと。
そのために必要なのは、「ひとりひとり当たり前は違うこと」そして「その違いが面白いこと」の実感です。表コミの授業では、誰かが何の気なしに出した一言に周りの仲間が食いつき、大盛り上がりする場面がたくさんあります。
ほかの人の当たり前は、自分の当たり前と全然違って面白い。自分の当たり前もきっと、ほかの人にとっては新鮮で面白い。
様々な体験型のワークを通して、みんなで笑い合うことを通して、頭ではなく心と身体で実感していきます。
ある生徒は、表コミに入った当初、ほとんど言葉を発しない子でした。順番に何かを言うようなワークでも、じっと黙って固まってしまうこともしばしば。休み時間も、話を聞いているのは楽しそうでしたが、自分から何かを言うようなことは全くありませんでした。
しかしある日の授業、その生徒が何の気なしに言った一言でクラス中が大爆笑に包まれたことがありました。それからというもの、瞬発的に言葉を出すワークはその子の独壇場!出す言葉出す言葉みんな大笑いです。そんなことが続くうちに、気づけば彼はリーダーシップすら発揮するようになっていました。
表コミの授業には、このような、奥底にしまい込まれていた「その子らしさ」が花開く瞬間がたくさんあります。
その瞬間が生まれる下地を作ること、そしてその瞬間を逃さないことが、私たちのやるべき事だと思っています。
表現やコミュニケーションのハウツーを教えるわけではない。インプロの考え方をベースにしながら、インプロの上達を目指すわけでもない。ただただ夢中になって遊ぶことを通して、心の奥底にしまい込まれた自分を取り戻す。
表コミはそんな教室です。
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