客足の絶えない人気貝屋「Oc Dao」
初訪 2019.07 更新 2022.05.14
「ハマグリのレモングラス蒸し」「貝のネギ油焼き」など、ベトナム料理の定番として度々登場する、魚介料理。
「おいしそう。食べてみたい!」と思ったときに、街中のシーフードレストランに行くのもありなのですが、これが少々難易度高め。
・生簀にある食材を選んで量を決める
・希望の調理法を指定する
など注文のステップがあり、素材は時価のものが多いので後でびっくりしないよう事前確認した方が安心。などの注意点もあります。
ということで、そんなときに便利なのが「貝屋」。
ベトナムビールを片手にリーズナブルに魚介を頬張る、お外呑みが楽しめます。
貝屋とは
種類豊富な巻き貝をはじめ、ハマグリやカキ、タコ、エビ、イカなどの魚介を心ゆくまで楽しめる野外・半野外のローカルレストランです。
巻き貝や二枚貝を中心に、空芯菜炒めや海鮮チャーハンなどの〆まで揃えている店が多いので、注文次第で臨機応変に使えるのが魅力。
貝屋で準備運動してほかのお店にハシゴするもよし、貝屋1軒で完結するもよし、もちろん貝屋をその日の終着駅にするのもありです。
お店にもよりますが、貝料理は一皿およそ300円〜高くても1000円程度。
通常ほとんどのメニューに定価が表記されているのでたらふく食べても安心。写真付きメニューのある店なら、指差しで注文も可能です。
[1号店] 中心地の繁盛店
今回紹介するのは、数ある貝屋の中でも人気の店「オックダオ(OC DAO)」。魚介は鮮度が命なので、素材の回転が速い人気店を選んでおくと安心です。
貝屋といえば4区の貝屋通りが有名ですが、今回の店は中心地1区内にあるので、アクセスも良好。中心地からの移動が楽で、次の店にも移動しやすいため、前後の予定に組み込みやすいのがうれしいポイント。お店は入り組んだ路地奥にありながら、タクシー運転手の多くが迷わず辿り着けるほど、地元民にも知られる有名店です。
以前は、路上の雰囲気そのままの店舗にプラ椅子が敷き詰められ、東南アジアらしい活気ある空間が特長でしたが、少し前に数十m離れた場所に移転。
ビルの3フロアほどがオックダオになっています。
とはいえ、変わらず満席必至の賑わいなので、大衆的な雰囲気は健在。
半屋外の開放感も味わいつつ、きれいになって個人的には紹介しやすくなった部分もあります。(トイレ問題など笑)
ローカル団地の向かいに位置するので、地元の人の生活を垣間見られるのも面白いところ。
イケイケなバーに行くのもいいですが、プラスチック椅子に座ってお外呑み気分を味わうのも、ベトナム的ナイトライフの醍醐味です。
1号店(OC DAO)
住 212B/D48 Nguyen Trai, Q.1, HCMC
営 11:00〜22:00
電 0909・437・033
※ 住所は「212B/C79」でも着きます。
メニュー
店名のオックダオの「オック(Oc)」は巻き貝の意味。
メニューにある「ソー(SO)」は二枚貝の意味です。
メニューには、タイコガイやタマガイ、マガキガイなど日本では見かけない貝がたくさんあり、図鑑を持って行きたくなるほどのラインナップが揃います。
と、いっておきながらですが 笑
この店の必食メニューは、巻き貝ではなく「イカの口(Rang Muc)」。
日本では「いかとんび」の名で親しまれる珍味ですが、この店ではニンニクバター炒めなどで提供。それをバインミー(パン)をちぎって浸しながら食べるのが絶品なのです。
「Rang Muc」は、直訳すると“イカの歯” (Rang =歯、Muc=イカ)ですが、実物はイカの口。ニンニクバターのほかにレモングラスチリや、サテ味もあり、固いクチバシ部分がないので気にせずムシャムシャと食べられます。
こちらはベビーホタテのようなヒオウギガイ(So Diep)。味はほとんどホタテと同じです。(なんでもホタテは水温の低いところで育ち、ヒオウギガイはあたたかい海に生息するのが特徴だそう。)
オススメの味付けは、ネギ油(Mo Hanh)。ネギの香りと油のコク、ピーナッツの香ばしさが魚介とよく合って、もう「迷ったらネギ油」でもいいんじゃないかと思ってしまほど、安定感のあるおいしさです。
東南アジアの定番副菜といえば、これ。
お好みでベトナム醤油(ヌクトゥーン)をかけながらいただきます。
ハマグリをレモングラスやチリとともに蒸し上げたベトナム定番料理。
レモングラス風味のスープまで楽しめるので、貝屋にきたら「とりあえずビール」の勢いで頼んでおいて、損はない一品。
辛いものが苦手な方は、すべての注文時に「ノースパイシー」と伝えておくと安心です。(上の写真もノースパイシーと注文したときのもの)
風味がよく、ふっくら蒸し上がったビール蒸し。注文すると同時にビール蒸しに使うビールの注文が自動的に入り、残りのビールがテーブルに届くシステムで、エビの料理はほかに、グリル(Nuong)、ニンニク揚げ(Chay Toi)、チーズ焼き(Nuong Pho Mai)、ヌクマム焼き(Nuong Nuoc Mam)、タマリンド炒め(Xao Me)などがあります。
直訳すると “ネイル貝” となる、マテ貝(Oc Mong Tay)。料理を見るとなぜネイル?と思うのですが "マテ貝" と検索して納得。たしかに長ーい爪のような貝がでてきます。
小さな貝に比べて身が大きく、殻から出す必要もなく食べやすいマテ貝。こちらはバター炒め(Xao Bo)やサテ(Sa Te)、ニンニク味(Toi)などがありどれもおいしいのですが、ベトナムらしいのはタマリンド炒め。甘酸っぱい味と貝の弾力が楽しめる食べ応え十分な一皿です。
個人的にはあまり巻き貝を注文せずにいつも終わってしまうのですが 笑
人気の巻き貝は、
日本のバイ貝に似た「Oc Huong (ゾウゲバイ)」や、
ココナッツミルク炒めが定番の「Oc Len(レン貝)」など。
↓こちらもオススメということで頼んでみました。
ヤシガイとも呼ばれるこの貝は、しっかりとした歯ごたえが特長。
シンプルなネギ油なら素材の味も楽しめます。
ベトナム中部など国内でも獲れるカキ。
カキのネギ油焼きやチーズ焼きは、貝屋の定番メニューの1つになっています。一応生ではないので、お腹に自信のあるギャンブラーは試してみるのもありかもです。
貝屋で席に着いたときに、はじめに出てくるのがこちらのセット。中身は
・ヌクマムベースのつけダレ"ヌクチャム"
・塩胡椒とチリ(ライムを絞ってつけダレに)
・タデ科のハーブ
・小さなスプーンとフォーク
です。
タデ科のハーブ「ラウラム(Rau Ram)」は殺菌・解毒作用があり、食あたり防止のため一緒に食べるといいと言われています。が、「タデ食う虫も好き好き」といわれるように、なかなか強めのクセがあるのでお好みで。
※ 妊娠中の方はラウラムを食べない方がいいとされています。
注文方法
通常この店舗では文字のみのメニューを使っていますが、外国人とわかるとこの写真付きメニューを持ってきてくれます。(クリックで拡大表示可)
写真のイメージで指差し注文をして、あとはオススメの味付けでおまかせしてしまうのもアリ。
下にいくつかのページ翻訳と、貝屋の用語を書き出していますのでよければご参考に。。
↓ 念のため、ベトナム語のみですが全メニューが載っているのこちらも貼り付けます。(クリックで拡大可)
貝屋で使うベトナム語一覧
メニューの解読に使えるかもと思い、
貝屋で使う用語を書き出してみました。
また、オックダオは先に紹介した1区店のほかに、下記の2つの支店があります。
・賑やかな貝屋通りにある「2号店」
・運河沿いにある「3号店」
各店舗の詳細は以下をご参考に。
シチュエーションに合わせて、店舗を選んでみるのもいいかもしれませんね。
[2号店] 貝屋通り店
2号店があるのは、1区から川を挟んだ4区。
道路の両側に貝屋が軒を連ねる、「ヴィンカン・フードストリート(Pho Am Thuc Vinh Khan)」 通称 “貝屋通り” にあります。
ここは外国人客が多いこともあり、英語表記付きの写真メニューがあるので、注文しやすく安心。夜遅くまで営業しているので2軒目で立ち寄るのもありです。
宝くじやピーナッツ、焼き栗などを売る行商がひっきりなしにやってくる、野外貝屋の光景が色濃い店舗。活気あふれる貝屋通りの雰囲気を味わいつつ、野外呑みが楽しめます。
貝屋通り店(OC DAO2)
住 232/123 Vinh Khanh, Q.4, HCMC
営 10:00〜深夜0:00
[3号店] 運河沿い店
タンディン市場から車で約7分の場所にある、3号店。
1区北側のフーニュアン(Phu Nhuan)区を流れる「ニエウロック・ティゲー運河」沿いにあり、通りを行き交うバイクや運河沿いに憩う市民を眺めながら、少しゆったりと食事が楽しめる店舗です。
運河沿い店(OC DAO3)
住 320 Truong Sa, Q. Phu Nhuan, HCMC
営 11:00〜22:00
OC DAO / オックダオ
※ 各店舗情報は目次から確認できます
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