日本の英語教育がクソな話

EF EPIのランキングと日本の順位


数年前から言われてきていることではあるが、日本の英語教育はクソだ。
世界的に見ても、日本の英語教育は水準が極めて低く(EF EPIのランキング参照)、EF EPIが対象としている111の国のうち、日本は80位と、極めて低いと言える順位である。



「なぜ、80/111位という極めて低い順位なのか」

と考えた時、私が思いつく原因は以下の2つだ。

・実用的な英語が身につかない教育システム


日本の英語教育では、受験に必要な英文法に加え、効率の悪い英単語の暗記という、大きく分けたこれらの2つの学習のみが授業内・授業外(宿題など)での「英語教育」とされている。

一部の私立の学校では、英語教育に力を入れて、先述したよう非効率かつ不毛で、何より非実用的な英語教育よりは"多少マシ"な教育方法を採用している学校もあるが、ほとんどの公立の中高では、実用的な英語が身につく教育を受けることはまず不可能である

・そもそも英語の教員のレベルが低い


知らない人は居ないと思われるが、日本国内で主流な"実用英語技能検定"(通称"英検")というものがある。
受験や就職活動で活用されることが多いが、それらの2つで活用できるボーダーラインが、多くの場合は英検3級からである。
英検の主催である日本英語検定協会によると、3級というのは中学校卒業程度であり、その1つ上の準2級が高校中級程度、さらに上の2級が高校卒業程度で、準1級が大学中級程度、最上級である1級が大学上級程度とされている。

文部科学省の去年(2022年)の調査によると、「中学・高等学校においては、英検準1級以上を取得している英語教員の割合は増加傾向にある」とされているものの、中学校においては平均40.8%、高等学校においては平均74.9%となっている。
しかし、これは公立・私立校の2つに分けられた数値ではなく、公立校のみの数値は前述の数値より少なからず低いと考えられる。

先述した通り、一部の私立校においては、英語教育に少なからず力を入れている学校が点在し、英語の能力が実際に高い教員の多くは、そのような学校で教員として働いている。

仮に、英語の能力が極めて高い教員が公立校で教員として英語を指導した場合でも、先述した日本のゴミのような英語教育のシステムのせいで、その能力を活かせず、これといって生徒の実用的な英語の能力を伸ばせないのが現状である。


────やっぱり教育システムがゴミ


このように、原因はやはり「英語教育のシステム」にあり、そしてこの教育システムというのは、私が生まれて十数年間、何も変わっていない
私の知り合いに、複数の公立中学校でALTとしての勤務経験があるイギリス人がいる。
私は何度か彼に
「日本の英語教育って率直に言ってどうよ」
と質問したことがあるが、やはり彼にとってもそれは素晴らしいものではないらしく、彼は
「まぁ、実用的ではないし、不毛でただただ非効率だよね」
のように答えた。
彼は日本に20年間ほど住んでいるそうだが、ALTとして働き始める以前から、それ以降(今まで)も、やはり何も変わっていないそうだ。

───どうすれば解決できるのか

この問題の解決に必要なのは、英語の指導要領を一から組み直すことであり、ただただ英語の能力が極めて高い教員を集めればいいわけではない。
現在の文法だけに特化された教育方法が変わらない限り、世界的に見た日本の英語教育の水準は上がることはないだろう。


──文法を気にしすぎて

筆者である私自身、カナダに2回の渡航経験があり、内1回は語学学校に3ヶ月ほど通っていた。
語学学校には、勿論のことながら日本人のクラスメイトも居た。
授業の中で発言をする機会がある時、発言の途中に詰まったり途中で言っていたことを変えたりするのは、決まって日本人だった
私は日本人のクラスメイトに
「なんで発言中そんな詰まるの?」
と、今考えればなかなかひどい質問をしたことがある。
彼女の答えはこうだった。
「途中で文法ミスったんじゃないかとか考えて、訂正しようとして詰まる」
私は文法的に考えることをせずに英語を話すので、その感覚を理解するのに少し時間がかかったが、今思い返してみれば、語学学校で先生がよく
「文法の間違いとか気にせずに喋ったほうが気が楽」
のようなことを言っていた。
これの根本にはやはり文法に特化しすぎた日本の英語教育システムがあり、それにより日本人は文法的に考えすぎてしまう傾向がある。



─すべては文科省のせい

ここまで書いてきた通り、日本人が英語に苦労する原因は概ねすべて現在の英語教育のシステムにある。
それを数十年という間、何かを変える様子もなければ、実際に何も変えずにずっと運用してきた文部科学省が、言ってしまえば諸悪の根源なのである。


国際社会と日本

近年の国際化が進む社会において、英語の重要性は極めて高く、その重要性は日に日に増すばかりである。
現在のこの実用的な英語が全く身につかない英語教育のシステムが変わらない限り、日本国民の平均的な英語の能力は、諸外国の平均より大きく下回っている現状から抜け出すことは不可能であり、国際社会においては、諸外国に着いていくことができなくなることが懸念される。





ここまで読んでいる物好きで、私と同じように日本の英語教育システムがクソだと思っている熱心な読者がどれくらい居るのかは分からないが、もしこの記事をすべて読んでくれた人が居るのであれば、感謝の気持ちを伝えたい。
稚拙な文章で申し訳ないが、私は本当に日本の英語教育はゴミだと思っている。
では、またいつ出るか分からない次の記事まで。

─Ha


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