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記事紹介:それでも「マスク」は「予防に効果」がある

今日は自分用の参考文献更新も兼ねて下記の記事を紹介しておきたい。

この記事はエキスパート記事のひとつで、参考文献を付けてくれているので後々に読んでも復習になる。また、エキスパート記事は他の出版社記事とは違って一定期間が経っても残っている事が多い。ついでにコメント欄が無いので非科学的な言説に惑わされる事も無いだろう。

さて、以下では参考文献について重要なものとそれに関する記述を抜粋していきたい。まず第一に新型コロナウイルスに対する予防効果についてだ。

結論から言えば、新型コロナウイルスやインフルエンザなどに、感染しない、感染させない、という点で、マスクの着用には一定の効果があることが明らかだ(※1)。

記事では4つほど論文を付けてこう結論している。その中には以前私が紹介したものも含まれているが、LANCETやPNASなど高いクオリティの論文で証明されている事実である。よく言われる「マスクに効果が無い」という空言は通常のコミュニティ環境における研究は一貫性のない結果を報告している論文を参照したものに過ぎない (Eurosurveillance 25, 2000725 (2020)、Cochrane Database Syst. Rev. 11, CD006207 (2020)、など)。これは、正しい知識や訓練が無ければ逆効果になる場合を含むという当然のことであり、正しく着用するための知識と訓練が何よりも大事ということだ。この点についても上記の記事で同様に提言されている。

正しいマスクの使い方に関しても上記の記事や、私の以前の記事でも紹介している。記事の中では特にマスクの隙間に関する研究も紹介されている。

マスクと顔の間からウイルスが入ってくることを完全に防ぐことができない場合、感染防御の効果はあまりないと主張する研究がある(※7)。マスクが効果を発揮するためには、マスクと顔の間から流入する空気を極力、抑えなければならず、マスクと顔の間をなるべく密着させなければ効果は低くなるからだ。

これはマスクの着用に関して重要な視点であり、いかに隙間なくマスクを付けるかという部分に関しては各自で工夫を凝らすべきポイントである。私は不織布マスクの上から異なる形状のマスクを2重に付ける事で隙間を無くすという方法が簡便かつ効果的だと考え、お勧めしている。但し同じ形状のマスクを二重に付けると逆に隙間が広がってしまう場合があるので要注意だ。

(記事の参考文献抜粋)

※1-1:Derek K. Chu, et al., "Physical distancing, face masks, and eye protection to prevent person-to-person transmission of SARS-CoV-2 and COVID-19: a systematic review and meta-analysis" THE LANCET, Vol.395, Issue10242, P1973-1987, 27, June, 2020

※1-2:Jeremy Howard, et al., "An evidence review of face masks against COVID-19" PNAS, Vol.118 (4) e2014564118, 11, January, 2021

※1-3:Wei Deng, et al., "Masks for COVID-19" ADVANCED SCIENCE, Vol.9, Issue3, 25, January, 2022

※1-4:Zillur Rahaman, et al., "Face Masks to Combat Coronavirus(COVID-19) - Processing, Roles, Requirements, Efficacy, Risk and Sustainability" polymers, Vol.14(7), 1296, 14, March, 2022

※7:C Raina Maclntyre, Abrar Ahmad Chughtai, "Facemasks for the prevention of infection in healthcare and community settings." BMJ, Vol.350, h694, 2015

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